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一人ひとりに合わせた免疫療法「自家がんワクチン療法」
Autologous Cancer Vaccine
自家がんワクチン療法とは?
がんは、同じ臓器や同じ種類のがんであっても、患者様一人ひとりで性質や特徴が異なるといわれています。
そのため、がん治療に用いるワクチンも、可能な限りその方のがんの特徴に合わせて作られたものが望ましいと考えられています。
自家がんワクチン療法は、ご本人のがん組織を用いて専用のワクチンを作製し、体内の免疫を整えていくことを目的としたがん免疫療法の一つです。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| ご本人のがん組織を使用 | 診断や手術の際に得られたご本人のがん組織を原料として、専用のワクチンを作製します。 |
| 個別性を踏まえた免疫療法 | 患者様それぞれのがんの特徴を反映したワクチンとすることで、からだががんを認識しやすい状態を目指します。 |
| 標準治療との併用も検討 | 手術・放射線・抗がん剤などの標準治療と組み合わせて用いられる場合があります。具体的な組み合わせは医師が判断します。 |
現在行われているがん治療と免疫療法
がん治療には「外科療法」「放射線療法」「化学療法」という三大治療(標準治療)があり、多くのエビデンスに基づき実施されていますが、すべての症例で根治が得られるわけではありません。
そのなかで、体が本来持っている免疫のはたらきを活用する「がん免疫療法」が選択肢の一つとして検討されることがあります。
自家がんワクチン療法は、患者様ご本人のがん組織から専用のワクチンを作り、それを薬剤として投与することで、がんを認識する免疫のはたらきを整えることを目指す治療です。
細胞培養を必要としないため、比較的シンプルな流れで治療計画を組み立てやすい点も特徴とされています。
自家がんワクチン療法のしくみ
私たちの体内には、異常な細胞が生じたときにそれを排除しようとする免疫機能が備わっています。
しかし、がん細胞は免疫から逃れる仕組み(免疫逃避)を持つことがあり、免疫だけでは十分に対応できない場合があります。
自家がんワクチン療法では、ご本人のがん組織をもとにワクチンを作製し、そのワクチンを投与することで、免疫細胞に「がんの目印(がん抗原)」を再認識させることを目指します。
これにより、がん細胞を標的として攻撃しやすい環境を整えることが期待されています。
治療方法
自家がんワクチン療法は、ご本人のがん組織を用いてワクチンを作製し、一定の間隔で体内に投与していく治療です。
治療の具体的な流れや回数は、がんの種類や進行度、これまでの治療内容などを踏まえて医師が検討します。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 診察・適応の確認 | 現在の病状、これまでの治療履歴を総合的に確認し、自家がんワクチン療法の適応を検討します。 |
| ワクチンの作製 | 専門機関において、がん組織を加工し、自家がんワクチンが作製されます。作製には一定の期間を要します。 |
| ワクチンの投与 | 医師の判断したスケジュールに従い、決められた回数、体内にワクチンを投与します。投与方法や間隔は個々の状況によって異なります。 |
| 経過観察 | 投与後は発熱や倦怠感、投与部位の腫れなどがないかを確認しながら経過を見ていきます。 |
| 定期的な検査と治療方針の見直し | 血液検査や画像検査などを組み合わせ、症状や検査結果を踏まえて、以後の治療継続や他治療との併用などを検討します。 |
自家がんワクチン療法の回数やスケジュールは、患者様ごとに異なります。
実際の治療内容については、診察時に医師とご相談のうえ決定していきます。
再発や転移を意識した治療の考え方
自家がんワクチン療法で用いるワクチンの原料には、診断や治療の過程で採取されたご本人のがん組織が利用されます。
生のがん細胞そのものを体内に戻すわけではなく、加工されたワクチンとして使用します。
専用のワクチンを体内に投与することで、がんを認識する免疫細胞のはたらきを整え、目に見えない小さながん細胞に対しても働きかけることが期待されています。
そのため、再発や転移のリスクを意識した治療の一つとして検討されることがあります。
標準治療後の治療選択について
手術・放射線・抗がん剤治療などの標準治療を行っても、がん治療の先行きについて悩まれる方は少なくありません。
自費診療として提供されているがん治療の中には、大学病院などの専門機関で研究されてきた免疫療法も含まれます。
自家がんワクチン療法は、早い段階からの検討が望ましいとされていますが、再発や転移がある場合でも、通院が可能であれば治療が検討されます。
現在受けている治療だけでは不安が残る方や、これからの治療について相談したい方は、一度ご相談いただくことで、状態に応じた治療の選択肢を一緒に検討していきます。
治療費用
| 治療の種類 | 費用(税込) |
| 自家がんワクチン療法(通院3回) | 1,650,000円 |
その他の治療費用詳細はこちら
リスクと副作用等
| リスクと副作用 |
自家がんワクチン療法では、がんを免疫細胞に認識させる過程で、投与部位の腫れや赤みがみられることがあります。 そのほか、発熱、悪寒、倦怠感などの症状が一時的にみられる場合があります。 重い副作用は多くないとされていますが、いかなる治療にもリスクは伴うため、体調の変化があれば速やかに医師にお申し出いただくことが大切です。 当治療は保険適用外の自由診療であり、治療費は全額自己負担となります。 |
| 未承認医薬品等であることの明示 |
本治療で使用する未承認医薬品等は、現時点で医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 日本では、医師の責任において未承認医薬品等を使用することが認められています。 |
| 入手経路の明示 | 現在、国内販売代理店を通じて入手しています。 |
| 国内の承認医薬品等の有無 | 本治療に用いるものと同等の性能を有する国内承認医薬品はありません。 |
| 諸外国における安全性等の情報 | 現時点で、諸外国における安全性等に関する十分な情報は得られていません。 |


