活性NK/NKT/γδT細胞療法
患者さまの病状や治療歴、現在の身体的情報などを詳しくお伺いし、一人ひとりに合わせた治療をご提案しています。本ページでは、活性NK/NKT/γδT細胞療法についての概要・治療の流れ・副作用を説明いたします。
活性NK/NKT/γδT細胞療法とは
NK細胞・NKT細胞・γδT細胞の働き
NK細胞は自然免疫の代表的な細胞で、抗原提示を必要とせずにがん細胞やウイルス感染細胞を即座に攻撃できます。体内を常にパトロールし、異常を見つけると素早く除去する「第一線の防御役」として重要です。
NKT細胞は免疫全体を強力に活性化できるハイブリッド型の免疫細胞です。通常は「T細胞的」に樹状細胞から脂質抗原の提示を受けて働きますが、炎症性サイトカインの刺激によって抗原提示がなくても「NK細胞的」に攻撃できます。活性化すると大量のサイトカインを分泌し、NK細胞やT細胞を活性化して免疫応答を増幅します。
γδT細胞は通常のT細胞とは異なり、MHC分子に依存せずにがん細胞を認識できます。がん細胞や感染細胞が発する“異常のサイン”を直接感知して攻撃するため、MHCクラスIを低下させて逃れるがん細胞に対しても有効に働きます。微小ながんや再発予防において重要な監視役と考えられています。
活性NK/NKT/γδT細胞療法の特徴
NK細胞、NKT細胞、γδT細胞はいずれも自然免疫の要であり、がん細胞や異常細胞を発見すると即座に攻撃します。存在比率は、NK細胞がリンパ球の約10~30%、NKT細胞が約0.1~0.01%、γδT細胞が5%以下とされます。
患者さまの少量の血液から単核球を取り出し、NK細胞・NKT細胞・γδT細胞へバランスよく分化・活性化・増殖させて投与するのが本療法です。外科的除去が難しい浸潤性のがんや、発見されにくい微小ながんにも効果が期待されています。
治療の流れ
- インフォームド・コンセント:病状や治療歴、身体情報を伺い、治療について説明します。
- 治療前検査:血液検査(成人病セット、感染症、腫瘍マーカー、CTCカウント、cfDNA濃度、T細胞応答サイトカイン検査)を行います。
- 治療スケジュール:約25mlの血液を採取し、NK/NKT/γδT細胞を分離・増殖。活性化された細胞を2週間ごとに静脈点滴で投与。
副作用
患者さま自身の免疫細胞を用いるため、副作用はほとんどありません。これまでCTCAE v5.0でGrade 3以上の重篤な副作用は報告されていません。
想定される有害事象として、発疹、アレルギー、肝機能障害、ショックなどがあります。ごく稀に投与後数時間内に悪寒や37~38度の発熱が起こる場合がありますが、半日程度で改善します。一時的に注射部位の発赤・腫脹が見られることもあります。
よくある質問
Q. 活性NK/NKT/γδT細胞療法はどんな方に適していますか?
A. 標準治療後の再発予防、がん予防、体力的に標準治療が難しい方、標準治療に適応がない方などに選ばれています。
Q. がん免疫細胞療法や個別化医療について詳しく知りたいのですが?
A. 無料の医療相談をご用意しています。患者さまご本人だけでなく、ご家族からのご相談も可能です。
Q. 初診時に何を持っていけばいいですか?
A. 診断書、治療経過、既往症、検査データ、内服薬一覧表など、病状把握に必要な資料をご持参ください。