ガンキリンとは
ガンキリン(gankyrin)は、京都大学の医学研究科の藤田潤教授らによって、1998年にヒトの肝細胞がんから見つけ出した新規のがん遺伝子を指します。
ガンキリンは通常アンキリンリピートからなります。
アンキリンリピート(Ankyrin repeat.)は、α-へリックス構造(螺旋状の構造)が二つ平行に配置した構造をしている一般的にアミノ酸が有するとされている33残基の繰り返し配列をしたもののことを指します。
がんの当時の研究の報告例では、34のがんの症例全てにこのガンキリンである新規のがん遺伝子が高発現していました。
また調査・検証の結果、ガンキリンはがんを抑制するRBタンパク質の働きを阻害している特徴を有していると示唆されました。
更にその後、ガンキリンはRBを含む複数のがんを抑制するタンパク質の分解を促進している事が判明しました。
そのため、ガンキリンの発現を抑制する事で肝細胞がんの治療ができないか実験を行いました。
シャーレ実験による軟寒天中でのがん細胞のコロニー形成を観察した結果、がん細胞のコロニー形成を抑制することが示されました。
ほぼ全てのがんで高発現しているガンキリンの特殊性
ガンキリンには、複数の主要な腫瘍抑制因子を死滅させる働きがあるため、抑制遺伝子が本来の機能を果たせず、がんの進行へと繋がるケースがあります。
がん細胞の表面に存在しているタンパク質や遺伝子を標的とする「分子標的薬」と呼ばれるものは、例えば、肺がんには、肺がんで形成されるタンパク質を用いて治療を行いますが、このタンパク質形成出来るのが、約60%の患者さんとなり、残りの40%の患者さんでは形成出来ていないという事もあります。
デメリットとしては40%の患者さんには効果がないという事になります。
しかし、このガンキリンの特徴として、腫瘍によっては「ほとんどの患者さんで高発現」という点です。
他のタンパク質に比べてこれほど高発現しているタンパク質は、恐らく現時点ではありません。
リスクと副作用等
リスクと副作用 | ガンキリンは遺伝子治療の一種であり、侵襲性の少ない治療法です。 ですが、稀に以下のような副作用が生じる場合があります。 遺伝子治療と内容は同じです。
※国内外の報告から、ごく稀ではあるが遺伝子治療に見られた比較的強いと考えられる副作用。
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未承認医薬品等であることの明示 | 本治療で使用する未承認医薬品等は、現段階において医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 そして日本では、この未承認医薬品等を医師の責任において使用することが可能です。 |
入手経路の明示 | 現在、国内販売代理店経由で入手しております。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 現在、本治療に用いるものと同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 | 現在、諸外国における安全性等に係る情報はありません。 |