がん治療の救世主「がん遺伝子医療」
一生涯において2人に1人が何らかのがんに罹患するといわれており、がんの罹患数と死亡数の割合は、高齢化に伴って今も増加し続けているといわれています。
また·日本人の死因の第一位にもなっています。
現在、がんの治療にあたって、標準治療と別で期待されている治療が「がん遺伝子医療」です。
がん遺伝子医療の大きな特徴は、がん細胞のみをピンポイントで狙い、がんの抑制遺伝子などの最新技術によってがん細胞のアポトーシス(細胞死)を導くということです。
その結果、体内の正常な細胞には負荷を与えず、がん細胞のみを狙って死滅させることが出来る治療法です。
がん細胞が発生する仕組みについて
人間には免疫機能が備わっており、免疫の役割によって健康な状態が保たれているといえます。
そして細胞は細胞分裂といった自身の活動を規則的に行っています。
しかし、何らかの要因で正常細胞の核にダメージを受けることで異常な細胞となり、これらの細胞が増殖することで一つの塊のようなものがつくられます。
検査等で視認できるレベルの腫瘍をがん(悪性腫瘍)といいます。
正常細胞に傷がつけられる要因として考えられるものは煙草やアスベスト、肝炎ウイルス等が挙げられ、これらは発がん性物質として研究で示されていますが、まだ判明していない部分も多くあるといえます。
因みに、がん細胞には目に見えないもの存在しており、これらは早期の段階では発見が困難なため、一掃するために抗がん剤等の全身治療が用いられるのです。
がん遺伝子医療について
正常な細胞には、突然変異した細胞(がん細胞)を破壊するという免疫機能が備わっています。
上述の通り、がん細胞は、がん抑制遺伝子の欠損や正常な細胞に傷がつくことで、免疫本来の機能を失った細胞です。
がん遺伝子医療は、点滴等でがん抑制遺伝子をがん細胞の核の中に入れることにより、細胞をアポトーシス(自然死)へ導くことを可能にする治療です。
がん治療において、がんの3大治療(標準治療)が最良の治療であることには変わりないですが、今ではがん遺伝子医療と標準治療を併用することでより高い効果が期待できると考えられるようになりました。
また、がん遺伝子医療のみを使用した場合も効果が見込めるようになってきています。
がん細胞の特徴を捉えた治療法
正常細胞と比較してがん細胞は増殖するスピードが速く、より多くの栄養を必要とするため、細胞の周りに新しい血管を作っていきます。
がん細胞の周りに作られた新しい血管は、正常な血管と比べて微小で脆い作りです。
そのため、高分子のミセル化によって、がん細胞にのみピンポイントでがん抑制遺伝子を送り届けることが可能となります。
がん遺伝子医療の特徴
当院で行っている「がん遺伝子医療」について、その特徴をご紹介します。
①時期や状態(前がん・末期・転移・再発)に関係なく高い効果が期待できる
②全身に作用する治療法のため、がんの種類を問わず治療可能
③体力の少ない小児や高齢者の方にも適応
④抗がん剤に耐性ができた、または放射線を当てた経験のある部位でも治療可能
⑤原発不明ながんでも治療を受けられる
⑥副作用が少ないため治療を継続しやすい
がん遺伝子医療を使った複合治療
手術によってがんを切除しても、検査では認識できない小さな転移があれば再発してしまいます。
がん治療の局所治療において、外科療法は有効ではありますが、再発する可能性もあります。
これは、検査の段階ではみられなかったミクロながん細胞が十分に切除できていなかったことや他の部位へ転移したものを発見できなかったという要因が挙げられます。
より全身に対する治療の際に効果的な手段として抗がん剤を用いた治療を行いますが、抗がん剤は正常細胞にもダメージを与えてしまうため、副作用が激しいです。
更にがん細胞が使用している抗がん剤に対して耐性ができると治療効果の低下や治療困難に繋がります。
一方、がん遺伝子医療は全身に作用するため、術後の再発防止としても有効な治療であることや放射線の照射範囲から外れてしまったがん細胞にもダメージを与えられる治療です。
上記のことからがん遺伝子医療とがんの3大治療(標準治療)の併用は相性のよい治療であるといえます。
リスクと副作用等
リスクと副作用 | 遺伝子治療は、侵襲性の少ない治療法ですが、稀に以下のような副作用が生じる場合があります。
※当治療は保険適応外の自費による治療です。
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未承認医薬品等であることの明示 | 本治療で使用する未承認医薬品等は、現段階において医薬品医療機器等法上の承認を得ていないものです。 そして日本では、この未承認医薬品等を医師の責任において使用することが可能です。 |
入手経路の明示 | 現在、国内販売代理店経由で入手しております。 |
国内の承認医薬品等の有無の明示 | 現在、本治療に用いるものと同一の性能を有する他の国内承認医薬品はありません。 |
諸外国における安全性等に係る情報の明示 | 現在、諸外国における安全性等に係る情報はありません。 |
遺伝子治療をお考えの方は光免疫療法もご確認ください。