光免疫療法というがん治療の選択肢
現在のご状況に応じたご相談を承っております。
光感受性物質と光照射による反応を利用した治療
当院の光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、病変部に光を照射することで生じる光化学反応を利用し、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。
病変の位置や深さ、これまでの治療内容、全身状態などによって、治療の検討内容は異なります。当院では画像や検査資料を確認し、患者様の現在のご状況に応じて適応を個別に判断しています。
このようなご相談を承っています
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再発・転移があり、現在の治療とあわせて別の選択肢も検討したい
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手術・薬物療法・放射線治療など、標準治療との組み合わせを相談したい
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副作用や体力面に不安があり、今後の治療方針を整理したい
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ご高齢や持病、全身状態を踏まえて治療の可能性を相談したい
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緩和ケアを含む説明を受け、ほかの選択肢についても情報を得たい
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患者様ご本人に代わり、ご家族や身近な方から相談したい
光免疫療法は、すべての患者様に適応となる治療ではありません。現在受けている治療や治療スケジュールも確認しながら、患者様のご状況に応じて検討します。
甲状腺がんは、組織型によって進行の速さ、転移しやすい部位、治療方法が大きく異なります。肺や骨への遠隔転移と比べると、副腎転移はまれです。また、甲状腺がんの患者様に副腎腫瘤が見つかっても、すべてが転移とは限りません。
副腎転移が疑われる場合は、甲状腺がんの組織型、放射性ヨウ素の取り込み、ほかの転移、これまでの治療歴、副腎腫瘤の性質を確認します。本記事では、甲状腺がんの副腎転移にみられる特徴、検査、標準治療、緊急性の高い症状、当院で行う光免疫療法について解説します。
甲状腺がんの副腎転移とは
副腎は左右の腎臓の上にある臓器で、血圧、代謝、水分や電解質の調整に関わるホルモンをつくっています。甲状腺がんの細胞が血液やリンパ液の流れを介して副腎へ到達し、そこで増殖した状態が副腎転移です。
副腎への転移は遠隔転移に当たり、TNM分類ではM1となります。ただし、甲状腺がんでは、組織型や年齢によってステージ分類が異なります。副腎転移があるからといって、すべての患者様が一律に「ステージ4」と分類されるわけではありません。
| 甲状腺がんの種類 | 特徴 | 遠隔転移がある場合の考え方 |
|---|---|---|
| 乳頭がん | 甲状腺がんの中で最も多く、頸部リンパ節や肺へ転移することがあります。 | 年齢によってステージ分類が異なります。放射性ヨウ素を取り込む病変では、放射性ヨウ素内用療法が検討されます。 |
| 濾胞がん | 血液の流れを介して肺や骨などへ転移する傾向があります。 | 放射性ヨウ素の取り込みが治療選択に関わります。副腎を含む遠隔転移の評価が必要です。 |
| 低分化がん | 乳頭がんや濾胞がんより進行しやすく、遠隔転移を伴うことがあります。 | 放射性ヨウ素の取り込み、進行速度、遺伝子変化などを確認して治療を選びます。 |
| 髄様がん | カルシトニンをつくる傍濾胞細胞から発生し、遺伝性の場合があります。 | 放射性ヨウ素内用療法の対象にはなりません。RET遺伝子などの検査が治療選択に関わります。 |
| 未分化がん | 進行が速く、気管や食道への浸潤、遠隔転移を短期間に生じることがあります。 | 診断後速やかに、気道管理を含む集学的な治療方針を検討します。 |
乳頭がん、濾胞がん、低分化がんでは、55歳未満の場合、遠隔転移があってもステージ2に分類されます。55歳以上、髄様がん、未分化がんでは別の病期分類が用いられます。ステージ名だけでなく、組織型と具体的な広がりを確認することが重要です。
副腎転移によって現れる症状
副腎転移が小さい段階では症状がなく、甲状腺がんの経過観察中に行ったCT検査やPET検査で見つかることがあります。片側だけの副腎転移では、反対側の副腎が機能するため、ホルモン不足が起こらない場合が多くあります。
| 状態 | 主な症状 |
|---|---|
| 無症状 | 症状がなく、画像検査で副腎腫瘤を指摘されることがあります。 |
| 周囲組織への圧迫 | 脇腹や背中の痛み、腹部の違和感などが現れる場合があります。 |
| 副腎出血 | 急激な腹痛や背部痛、冷や汗、血圧低下などを生じることがあります。 |
| 両側副腎への広範な転移 | 倦怠感、食欲低下、吐き気、体重減少、低血圧、低ナトリウム血症など、副腎機能低下の症状が現れることがあります。 |
| 副腎クリーゼ | 著しい血圧低下、脱水、嘔吐、意識障害などを生じる緊急状態です。 |
早急な受診が必要な症状
- 首の腫れが短期間に大きくなり、呼吸しにくい
- 息を吸うときに音がする、横になると息苦しい
- 飲み込みにくさや声のかすれが急に悪化した
- 急激な腹痛や背部痛、冷や汗、血圧低下がある
- 強い倦怠感、嘔吐、意識の低下がある
- 突然の息苦しさ、胸痛、片脚だけの腫れがある
気道の圧迫、副腎出血、副腎クリーゼ、肺塞栓症などの可能性があります。通常の外来予約を待たず、主治医、救急外来または119番へ連絡してください。
副腎腫瘤が転移とは限らない理由
副腎には良性腺腫が比較的多くみられます。甲状腺がんの経過中に副腎腫瘤が見つかった場合でも、画像の特徴、以前の画像からの変化、ホルモン検査などを確認し、転移以外の病変と区別します。
| 鑑別する病変 | 特徴と注意点 |
|---|---|
| 甲状腺がんの副腎転移 | 甲状腺がんの組織型や経過と一致するか、ほかの転移を伴っているかを確認します。 |
| 副腎腺腫 | 副腎に生じる代表的な良性腫瘍です。CTやMRIで内部の性状を評価します。 |
| 褐色細胞腫 | 発作的な高血圧、動悸、頭痛、発汗などを起こす場合があります。生検前の除外が重要です。 |
| 副腎皮質がん | 副腎から発生する原発性の悪性腫瘍です。甲状腺がんの転移とは治療方法が異なります。 |
| 副腎出血・嚢胞 | 出血や液体のたまった病変が、画像上の腫瘤として見えることがあります。 |
副腎生検は、検査結果によって治療方針が変わる場合などに限って検討します。褐色細胞腫へ不用意に針を刺すと、急激な血圧上昇などを起こす可能性があるため、必要に応じて先に血液検査や尿検査を行います。
副腎転移を調べる検査
甲状腺の原発巣、副腎病変、ほかの転移をまとめて評価します。必要な検査は、甲状腺がんの組織型やこれまでの治療によって異なります。
| 検査 | 確認する内容 |
|---|---|
| 頸部超音波検査 | 甲状腺の病変、手術後の甲状腺床、頸部リンパ節などを確認します。 |
| 造影CT | 副腎腫瘤の大きさや性状、肺、肝臓、リンパ節などへの転移、主要血管との関係を確認します。 |
| MRI | 副腎腫瘤の内部性状や周囲組織への広がりなどを詳しく評価します。 |
| PET検査 | 放射性ヨウ素を取り込みにくい病変や、全身の転移を調べる場合などに検討されます。 |
| 放射性ヨウ素シンチグラフィ | 分化型甲状腺がんの病変が放射性ヨウ素を取り込むかを確認します。 |
| 血液検査 | 甲状腺機能、肝機能、腎機能、血球数、カルシウム、電解質などを確認します。 |
| サイログロブリン | 乳頭がんや濾胞がんの全摘後に、病状を確認する参考として用います。抗サイログロブリン抗体の影響を受ける場合があります。 |
| カルシトニン・CEA | 髄様がんの病状を確認する参考として用います。 |
| 副腎ホルモン検査 | 褐色細胞腫や副腎機能低下などが疑われる場合に、血液検査や尿検査を行います。 |
| 遺伝子関連検査 | RET、BRAF、NTRKなど、組織型や薬剤選択に関係する遺伝子変化を調べる場合があります。 |
腫瘍マーカーだけで、副腎転移の有無や治療効果を判断することはできません。サイログロブリンやカルシトニンなどの推移は、画像検査や症状と合わせて評価します。
甲状腺がんの副腎転移に対する標準治療
治療は、副腎転移だけでなく、甲状腺がんの組織型、放射性ヨウ素の取り込み、ほかの転移、進行速度、症状、全身状態を踏まえて選択します。
| 治療 | 対象と役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 手術 | 甲状腺の原発巣や頸部リンパ節に対して行われます。副腎だけに限局した転移では、副腎切除を検討する場合があります。 | 副腎転移の切除が適しているのは限られた患者様です。ほかの転移や手術による負担を含めて判断します。 |
| 放射性ヨウ素内用療法 | 放射性ヨウ素を取り込む乳頭がん、濾胞がんなどの転移に対して検討します。 | 髄様がんや未分化がんには用いません。放射性ヨウ素を取り込まない病変では、十分な効果を期待できません。 |
| TSH抑制療法 | 甲状腺ホルモン薬を用い、分化型甲状腺がんの増殖を刺激するTSHを低く保つ治療です。 | 心房細動や骨量低下などの危険もあるため、年齢や持病を考慮して調整します。 |
| 分子標的療法 | 放射性ヨウ素が効きにくく、進行が確認された分化型甲状腺がんや、髄様がんなどで検討します。 | 高血圧、手足症候群、下痢、倦怠感、出血、創傷治癒への影響などを管理する必要があります。 |
| 遺伝子変化に応じた治療 | RET、BRAF、NTRKなどの遺伝子変化に対応する薬剤を検討できる場合があります。 | 対象となる組織型や薬剤の使用条件が定められています。遺伝性髄様がんが疑われる場合は、遺伝カウンセリングも検討します。 |
| 放射線治療 | 副腎転移による痛みや、頸部病変による圧迫症状などを和らげる目的で行うことがあります。 | 腎臓、胃、腸管など、副腎周囲の臓器への影響を考慮して照射方法を決めます。 |
| 支持療法・緩和ケア | 痛み、息苦しさ、倦怠感、食欲低下、不安などを和らげます。 | がんに対する治療を受けている段階から並行して利用できます。 |
副腎だけへの局所治療が検討される場合
ほかの病変が安定しており、副腎転移が単発または少数で、局所治療による利益が見込める場合には、副腎切除や定位放射線治療などが検討されることがあります。
ただし、甲状腺がんの副腎転移はまれであり、すべての患者様に局所治療が適しているわけではありません。治療によって甲状腺がん全体の経過が改善するかどうかは、組織型や病変の広がりによって異なります。
甲状腺ホルモン薬を自己判断で中止しない
甲状腺を全摘した方には、甲状腺ホルモン薬が必要です。また、分化型甲状腺がんではTSH抑制療法として服用している場合があります。体調がよい場合でも、自己判断で減量や中止をせず、主治医の指示に従ってください。
当院で行う光免疫療法について
当院では自由診療として、ICGを含むリポソーム製剤と光照射を組み合わせる光免疫療法を行っています。治療は原則として1クール6回です。
首にある甲状腺や頸部リンパ節の病変と、腹部の深い位置にある副腎転移では、光の届けやすさが異なります。治療を検討する場合は、甲状腺周辺の病変と副腎病変を分けて評価します。
| 確認する内容 | 評価のポイント |
|---|---|
| 病変の位置と深さ | 病変までの距離と、光を届けられる照射経路があるかを確認します。 |
| 副腎周囲の臓器 | 腎臓、肝臓、膵臓、胃、腸管、主要な血管などとの位置関係を確認します。 |
| 頸部病変の状態 | 気管、食道、反回神経、頸動脈などへの広がりを確認します。 |
| 病変の数と広がり | 副腎以外の肺、骨、肝臓、リンパ節などの病変を含め、治療の優先順位を検討します。 |
| 現在の治療 | 放射性ヨウ素内用療法、分子標的薬、放射線治療などとの日程や安全性を調整します。 |
| 全身状態 | 甲状腺機能、副腎機能、肝機能、腎機能、血球数、栄養状態などを確認します。 |
当院の光免疫療法は、甲状腺がんの副腎転移に対する標準治療に代わるものではありません。副腎は腹部の深い位置にあるため、光を病変へ十分に届けられない場合があります。治療を受けても効果が得られない可能性があり、根治、腫瘍の縮小、生存期間の延長を保証する治療ではありません。
標準治療を受けている方もご相談いただけますが、放射性ヨウ素内用療法、分子標的薬、甲状腺ホルモン薬などを自己判断で中止しないでください。主治医と相談しながら治療日程を調整します。
当院へ相談する際に準備したい資料
- 診療情報提供書や病理検査結果
- CT、MRI、PET、シンチグラフィなどの画像データ
- 手術、放射性ヨウ素内用療法、放射線治療、薬物療法の治療歴
- 遺伝子関連検査を受けている場合はその結果
- 現在使用している薬と持病の情報
- 直近の血液検査結果
資料がすべてそろっていなくても相談できます。お持ちの資料から確認し、不足する画像検査などが必要な場合は、当院の提携医療機関で検査を手配できることがあります。
急な呼吸困難、首の病変による気道圧迫、著しい血圧低下、意識障害などの緊急症状には、当院の自由診療では対応できません。主治医や救急医療機関へ連絡してください。
まとめ
| 要点 | 内容 |
|---|---|
| 副腎転移の位置付け | 副腎転移は遠隔転移に当たりますが、ステージ分類は甲状腺がんの組織型や年齢によって異なります。 |
| 副腎腫瘤の鑑別 | 副腎腺腫、褐色細胞腫、副腎皮質がん、出血などとの区別が必要です。 |
| 組織型の確認 | 乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんなどでは、治療方法が大きく異なります。 |
| 標準治療 | 放射性ヨウ素内用療法、TSH抑制療法、分子標的療法、遺伝子変化に応じた治療、放射線治療などを病状に合わせて選びます。 |
| 当院の治療 | 自由診療として光免疫療法を行っていますが、副腎は深部にあるため、適応は画像や照射経路、全身状態を確認して個別に判断します。 |
甲状腺がんの副腎転移では、副腎病変だけでなく、組織型、放射性ヨウ素の取り込み、遺伝子変化、ほかの転移、病状の進行速度を総合して治療方針を決めます。標準治療の適応と目的を主治医に確認したうえで、必要に応じてセカンドオピニオンも検討しましょう。
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参考文献・公的情報

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。



