子宮頸がんと闘う方のための10年生存率の徹底解説

子宮頸がんとは

子宮頸がんは、子宮の入り口部分である子宮頸部に発生する悪性腫瘍です。
このがんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因とされており、世界中で多くの方が診断されています。
性交渉の人数に比例して、HPVへ感染するリスクも高くなりますが、一度でも性交渉の経験があれば誰でも感染するリスクがあることを認識しておきましょう。
しかし、HPVに感染したら必ず子宮頸がんが発症する訳ではありません。
感染したとしても、2年以内に約90%のウイルスが免疫力によって自然に排除されますが、一部のウイルスが排除されず、長期間感染が持続する場合があります。
感染が持続すると細胞が異常な変化をしてしまい、異形成と呼ばれる前がん病変を経て、子宮頸がんへと進行していきます。

子宮頸がんの罹患者数・死亡者数

子宮頸がんや前段階である上皮内がんの発症は、30歳前後から増え始め40代がピークとなります。
また、毎年1万人以上の女性が子宮頸がんに罹患し、約3千人が子宮頸がんが原因で亡くなっています。
一般的に、若者はがんにならないと考えられていますが、子宮頸がんは若い世代の発症リスクが高いことを知っておく必要があります。

子宮頸がんの分類

子宮頸がんは大きく分けて、扁平上皮がんと腺がんの2種類に分類されます。
扁平上皮がんは子宮頸部の外側を覆う細胞から発生し、腺がんは内側の粘液を分泌する細胞から発生します。
これらのがんの種類によっても、生存率は若干異なります。
日産婦婦人科腫瘍委第38回治療年報によって、扁平上皮がんおよび腺がんの5年生存率は、それぞれⅠb期で79.7%、80.5%、Ⅱ期で63.1%、48.6%、Ⅲ期で37.4%、18.5%、Ⅳ期で11.3%、8.3%と発表されています。
この結果から、Ⅱ期以上では扁平上皮がんに比較して腺がんの予後は不良といえます。

10年生存率の意義

10年生存率は、長期的な治療成果と予後を評価するための指標です。
がんの治療や管理において、5年生存率が一般的なベンチマークとされることが多いですが、10年生存率はさらに長期的な視点を提供します。

純生存率(ネット・サバイバル)とは

生存率には、その目的と算出の仕方によって「実測生存率」、「疾病特異的生存率」、「相対生存率」、「純生存率(ネット・サバイバル)」が存在します。
この記事で紹介する生存率の数値は、純生存率(ネット・サバイバル)となります。
純生存率とは、純粋にがんのみが死因となる状況を仮定し、実測生存率をより正確にするために重み付けをするものです。
Pohar-Perme 法によって算出される純生存率は、国際的にも広く採用されています。
純生存率では、高齢患者のようにがんによる死因と他の死因とで共通する死亡リスクがある場合、生存率を過大評価してしまう偏りが克服されます。

ステージ別の10年生存率

子宮頸がんの10年生存率(純生存率)は、がんが発見された時点のステージに大きく依存します。
以下に記載の生存率は、国立がん研究センターが2012年に子宮頸がんと診断された患者様を対象として算出したものとなります。

ステージⅠ

ステージⅠの子宮頸がんは、がんが子宮頸部に限局している状態です。
この段階での10年生存率は、91.0%と報告されています。

ステージⅡ

ステージⅡでは、ががんが子宮頸部を超えて広がっているが、腟壁下3分の1または骨盤壁に達しない状態です。
このステージの10年生存率は、71.0%と報告されています。

ステージⅢ

ステージⅢの場合、がんは骨盤壁に達しているか、または近くのリンパ節に広がっている状態です。
この段階での10年生存率は、52.6%と報告されています。

ステージⅣ

ステージⅣは最も進行した形で、膀胱や直腸の粘膜などに浸潤しているか、小骨盤腔を超えて広がっている状態です。
このステージの10年生存率は、16.0%と報告されています。
ステージⅣまで進行すると急激に生存率が低下するため、ステージⅢまでに治療を行うことが望まれます。

全体

子宮頸がん全体でみると、10年生存率は67.5%となります。

治療法の進展と生存率

治療法の進歩は、子宮頸がんの生存率を向上させる重要な要素です。
手術技術、放射線療法、化学療法、そして最近では免疫療法、光免疫療法などが導入されています。

生活習慣と生存率

喫煙や免疫系の状態、栄養状態などの生活習慣も、子宮頸がんの生存率に影響を与えます。
禁煙や健康的な生活習慣によって、子宮頸がんの発症リスクの低下および進行の鈍化が期待され、結果として生存率が改善する可能性があります。

予防と早期発見

HPVワクチンの普及により、子宮頸がんの予防が可能になり、将来的な生存率の向上が期待されます。
また、定期的なパパニコロウ検査(子宮頸がん検診)による早期発見は、治療成功率を高め10年生存率を改善します。

結論

子宮頸がんの10年生存率は、がんのステージ、治療法、個人の健康状態、生活習慣など多くの要因によって異なります。
また、子宮頸がん全体であれば、10年生存率は67.5%であり、他のがんと比較して低い数値ではありません。
生存率を向上させるためには、ワクチン接種や定期検診による早期発見が重要となります。
今後も治療法の進歩と予防策の普及により、子宮頸がんの10年生存率はさらに改善されることが期待されます。
当院で提供している光免疫療法について、子宮頸がん患者様への適用可否などはお気軽にご相談ください。

以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。

土日祝も毎日電話対応しております

関連記事

PAGE TOP