肺腺がんとは?特徴・症状・検査・治療法を解説

光免疫療法というがん治療の選択肢】
がん細胞へのアプローチと免疫の働きに着目した治療法です

光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、がん細胞に集まった薬剤へ近赤外線を照射することで、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。

薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を利用し、照射によって活性酸素を発生させることで、がん細胞を内側から攻撃することを目的としています。

東京がんクリニックでは、以下のようなお悩みをお持ちの方からのご相談も承っております。

  • 再発・転移があり、治療の選択肢を探している方
  • 標準治療との併用を検討されている方
  • 抗がん剤治療の休薬中に相談先を探している方
  • ご高齢などの理由で治療方針にお悩みの方
  • 緩和ケアを勧められ、他の可能性も検討したい方
  • ステージに関わらず、今後の治療について相談したい方

がん治療の選択肢の一つとして、光免疫療法についてもご相談ください。

以下のバナーをクリックすると、東京がんクリニックの光免疫療法ページをご覧いただけます。

東京がんクリニックの光免疫療法。薬剤と光で、がん細胞へアプローチ。電話番号0120-833-177。詳しくはこちら。

肺腺がんは、肺がんの中で最も多い組織型です。喫煙経験がない人にも発生し、早期には症状がないまま検診やほかの病気の画像検査で見つかることがあります。治療は、病期だけでなく、手術が可能か、がんに治療対象となる遺伝子変化があるか、PD-L1がどの程度発現しているかなどを確認して選びます。この記事では、肺腺がんの特徴、症状、検査、治療法について詳しく解説します。肺がんの組織型全体の違いを先に知りたい方は、肺がんの種類と特徴も参考にしてください。

肺腺がんの特徴とほかの肺がんとの違い

肺の末梢にできる肺腺がんと主な組織型の違いを示す医療模式図

肺腺がんは肺がんの中で最も多い組織型

肺腺がんは、非小細胞肺がんに含まれる組織型で、肺がんの中で最も多くみられます。肺の奥にある細い気管支や肺胞に近い末梢部分に発生することが多く、粘液などをつくる腺細胞に似た性質をもつがんです。肺がんは、顕微鏡で見た細胞の形や性質によって、腺がん、扁平上皮がん、小細胞がんなどに分類されます。この分類は単なる名称の違いではなく、手術方法や薬物療法を選ぶうえで重要です。

肺の末梢に発生しやすく早期には症状がないこともある

肺腺がんは、太い気管支から離れた肺の末梢にできることが多いため、小さいうちは咳や血痰などが現れない場合があります。健康診断の胸部X線検査や、別の目的で撮影したCTで偶然見つかることも少なくありません。ただし、末梢にできる肺がんがすべて腺がんとは限らず、画像だけで組織型を確定することはできません。確定診断には、病変から採取した細胞や組織の病理検査が必要です。

肺腺がんは喫煙していない人にも発生する

喫煙は肺がん全体の重要な危険因子ですが、肺腺がんは喫煙経験がない人にも発生します。女性や非喫煙者で見つかる肺がんにも腺がんが多く含まれます。受動喫煙、職業上の物質への曝露、大気汚染、遺伝的要因など複数の要素が関係する可能性はありますが、一人ひとりの原因を特定できないこともあります。「たばこを吸っていないから肺がんではない」と自己判断せず、症状や画像の異常がある場合は検査を受けることが大切です。

肺腺がんと扁平上皮がんでは発生部位や遺伝子変化が異なる

扁平上皮がんは太い気管支に近い肺門部に発生することが比較的多く、喫煙との関連が強い組織型です。一方、肺腺がんは末梢に多く、治療対象となるEGFR、ALK、ROS1などの遺伝子変化が扁平上皮がんより見つかりやすい特徴があります。ただし、発生部位や喫煙歴だけで組織型や遺伝子変化を決めつけることはできません。病理検査と遺伝子検査の結果を合わせて治療方針を検討します。

肺腺がんと小細胞肺がんでは進行の特徴と治療が異なる

小細胞肺がんは増殖が速く、早い段階からリンパ節や離れた臓器へ広がりやすいため、薬物療法と放射線治療を中心に治療します。肺腺がんは非小細胞肺がんとして扱い、早期なら手術が中心となり、進行している場合は遺伝子変化やPD-L1などを基に薬物療法を選びます。組織型によって治療の組み立てが大きく変わるため、病理診断書で「腺がん」「非小細胞がん」などの記載を確認することが重要です。

肺腺がんの症状と進行したときの変化

咳や血痰、息切れなど肺腺がんで確認したい症状を記録するノート

肺腺がんの初期は自覚症状がない場合が多い

肺腺がんは早期に特有の症状が現れるとは限らず、自覚症状がないことも多い病気です。小さな病変が肺の末梢にとどまっている間は、空気の通り道を刺激しにくいためです。そのため、症状がないことだけで肺腺がんを否定することはできません。検診で要精密検査となった場合や、胸部画像で結節やすりガラス状の影を指摘された場合は、指示された時期に呼吸器内科や呼吸器外科を受診してください。

咳・痰・血痰・胸痛・息切れがみられることがある

肺腺がんが大きくなったり気管支へ広がったりすると、長引く咳、痰、血痰、胸の痛み、息切れ、発熱などが現れることがあります。これらは肺炎や気管支炎などでも起こるため、症状だけで肺がんかどうかは判断できません。原因がはっきりしない咳や痰が2週間以上続く、血痰が出る、治療を受けても症状が改善しない場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。息苦しさが急に強くなった場合や血痰の量が多い場合は、速やかな受診が必要です。

リンパ節へ広がると声のかすれや顔のむくみが出ることがある

胸の中のリンパ節が大きくなると、声帯を動かす神経が圧迫されて声がかすれることがあります。太い静脈が圧迫されると、顔や首、腕のむくみ、息苦しさ、頭重感などが現れる場合もあります。症状の出方は病変の位置によって異なり、リンパ節転移があっても無症状のことがあります。画像検査では原発巣だけでなく、肺門や縦隔のリンパ節も確認します。

脳・骨・肝臓・副腎などへ転移することがある

進行した肺腺がんは、脳、骨、肝臓、副腎、反対側の肺、胸膜などへ転移することがあります。脳転移では頭痛、吐き気、ふらつき、けいれん、手足の麻痺、骨転移では持続する痛みや骨折、肝転移では食欲低下や倦怠感などが現れる場合があります。ただし、転移があっても症状がないことがあります。転移の仕組みや部位別の症状については、肺がんの転移に関する解説も確認してください。

症状だけでは肺腺がんと断定できない

咳、胸痛、息切れなどは、感染症、喘息、慢性閉塞性肺疾患、心臓病などでも生じます。反対に、肺腺がんでも症状がない場合があります。症状の有無や強さだけで、がんの種類や進行度を判断することはできません。受診時には、症状が始まった時期、悪化する状況、喫煙歴、過去の画像検査、治療中の病気や使用薬を伝えると、必要な検査を検討しやすくなります。

肺腺がんの検査と診断の流れ

胸部CT、病理検査、遺伝子検査、PD-L1検査による肺腺がんの診断手順

胸部CTで病変の大きさ・形・位置を詳しく調べる

胸部X線検査で異常を指摘された場合は、胸部CTで病変の大きさ、形、濃度、周囲の血管や気管支との関係を調べます。肺腺がんには、CTですりガラス状に見えるものや、内部に充実した部分を伴うものがあります。しかし、炎症や良性結節でも似た影を示すことがあるため、過去画像との比較や一定期間後の再検査が必要になる場合があります。画像の特徴だけで良性・悪性を断定せず、病変の大きさや変化に応じて検査方針を決めます。

気管支鏡検査や針生検で組織を採取する

確定診断のため、病変の位置に応じて気管支鏡検査、CTガイド下針生検、胸水検査、リンパ節生検などを行います。肺の末梢にある小さな病変では組織を採取しにくいことがあり、気管支鏡の誘導技術を使ったり、手術で病変を切除して診断したりする場合があります。検査方法は、病変までの経路、合併症、必要な組織量、気胸や出血の危険性を考えて選びます。

病理検査で肺腺がんかどうかを確認する

病理検査では、採取した細胞や組織を顕微鏡で観察し、腺がんの形態や特徴を確認します。必要に応じて、肺由来の腺がんか、ほかの臓器から肺へ転移したがんかを区別するための免疫染色を行います。組織量が少ない場合は「非小細胞肺がん、腺がんを示唆」などの診断になることもあります。病理診断は治療選択の土台になるため、診断名と検体の採取部位を確認しておきましょう。

CT・PET-CT・脳MRIなどで肺腺がんのステージを決める

肺腺がんと診断された後は、胸腹部CT、PET-CT、脳MRIなどで、がんの大きさ、リンパ節転移、遠隔転移の有無を調べます。病期は、原発腫瘍を示すT、リンパ節を示すN、遠隔転移を示すMを組み合わせて決めます。すべての人に同じ検査を行うわけではなく、病変の大きさ、症状、治療予定に応じて検査を選びます。病期ごとの考え方は、肺がんのステージに関する解説で詳しく説明しています。

遺伝子検査で治療対象となる変化を調べる

進行・再発の肺腺がんでは、EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、RET、NTRK、KRAS、HER2など、治療選択に関わる遺伝子変化を調べます。複数の遺伝子を一度に調べる検査を行うこともあります。遺伝子変化は生まれつきの体質を調べる検査とは異なり、主にがん細胞に生じた変化を確認するものです。検体量が不足すると検査できない場合があるため、最初の生検時から病理診断と遺伝子検査に必要な組織を確保できるか検討します。

PD-L1検査は免疫療法を選ぶための判断材料になる

PD-L1検査では、がん細胞などにPD-L1というたんぱく質がどの程度発現しているかを調べます。ドライバー遺伝子変化が見つからない進行肺腺がんでは、PD-L1の発現率、全身状態、病変の広がりなどを基に、免疫チェックポイント阻害薬を単独で使うか、抗がん剤と組み合わせるかを検討します。PD-L1が高ければ必ず効く、低ければ効かないという検査ではありません。

血液を使う遺伝子検査が選択肢になることもある

組織を採取しにくい場合や、再生検の負担が大きい場合は、血液中に流れるがん由来DNAを調べるリキッドバイオプシーを検討することがあります。体への負担が比較的小さい一方、血液中のがん由来DNAが少ないと遺伝子変化を検出できない場合があります。血液検査で変化が見つからなくても、組織検査では見つかる可能性があるため、陰性結果の意味を主治医に確認することが大切です。

肺腺がんの治療法と治療後の向き合い方

手術、放射線治療、分子標的薬、免疫療法を示す肺腺がん治療のロードマップ

早期の肺腺がんでは手術を中心に治療する

切除可能な早期肺腺がんでは、手術が治療の中心です。標準的には、がんのある肺葉を切除する肺葉切除とリンパ節郭清を行います。小さく末梢にある病変では、病変の性質、肺機能、年齢などを考慮し、区域切除や楔状切除を検討する場合があります。どこまで切除するかは、腫瘍の大きさやCT所見だけでなく、十分な切除範囲を確保できるか、術後に必要な肺機能を保てるかを含めて判断します。

手術前後に薬物療法を行うことがある

病期や再発リスクに応じて、手術前または手術後に抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬、特定の遺伝子変化に対応する分子標的薬を用いることがあります。手術前の治療は腫瘍を小さくし、目に見えないがん細胞へ早く治療を始める目的があります。手術後の治療は再発リスクを下げることを目指しますが、対象となる病期、遺伝子変化、PD-L1、手術結果、全身状態によって適応が異なります。

手術が難しい早期肺腺がんでは放射線治療を検討する

高齢、肺機能の低下、持病などにより手術が難しい早期肺腺がんでは、定位放射線治療が選択肢になることがあります。定位放射線治療は、病変へ放射線を集中させ、周囲の正常組織への影響を抑える方法です。病変の大きさや位置によって適応が異なり、気管支や大きな血管に近い場合は照射方法を慎重に検討します。手術と放射線治療のどちらが適しているかは、呼吸器外科と放射線治療科を含めて相談します。

局所進行の肺腺がんでは抗がん剤と放射線治療を組み合わせる

手術で完全切除することが難しい局所進行肺腺がんでは、全身状態や照射範囲を確認したうえで、抗がん剤と胸部放射線治療を同時に行う化学放射線療法を検討します。その後、条件を満たす場合は免疫チェックポイント阻害薬などによる治療を続けることがあります。食道炎、肺臓炎、骨髄抑制などの副作用が起こる可能性があるため、症状と血液検査を確認しながら治療します。

進行・再発肺腺がんでは遺伝子変化に対応する分子標的薬を検討する

進行・再発肺腺がんで治療対象となる遺伝子変化が見つかった場合は、その変化に対応する分子標的薬を検討します。分子標的薬はがん細胞の増殖に関わる特定の仕組みを狙う薬で、高い効果が期待できる人がいる一方、すべての肺腺がんに使えるわけではありません。皮膚障害、下痢、肝機能障害、むくみ、心機能への影響、間質性肺疾患など、薬ごとに異なる副作用があります。咳や息切れ、発熱が新しく出た場合は、早めに治療施設へ連絡してください。

遺伝子変化が見つからない場合は免疫療法や抗がん剤を選ぶ

治療対象となるドライバー遺伝子変化が見つからない進行肺腺がんでは、PD-L1の発現率、全身状態、自己免疫疾患、臓器機能などを確認し、免疫チェックポイント阻害薬、細胞障害性抗がん薬、またはその併用を検討します。治療中はCT、血液検査、症状を確認し、効果と副作用のバランスを評価します。肺臓炎、腸炎、肝障害、甲状腺や下垂体の障害など、免疫に関連する副作用は治療終了後に現れることもあるため、普段と違う体調変化を伝えることが重要です。

転移部位の症状には手術や放射線治療などを組み合わせる

脳転移、骨転移、胸水などがある場合は、全身薬物療法に加えて、症状を和らげたり重い合併症を防いだりする治療を行います。脳転移には手術や定位放射線治療、骨転移には放射線治療や骨修飾薬、胸水には排液や胸膜癒着術などを検討します。転移が少数に限られる場合は、原発巣と転移巣への局所治療を検討することもありますが、適応は病変数、部位、薬物療法への反応などで異なります。

治療中は副作用と生活への影響を早めに相談する

治療を続けるためには、副作用を我慢せず早めに対処することが大切です。発熱、強い息苦しさ、水分が取れない、激しい下痢、意識の変化などがある場合は、次回受診日を待たず治療施設へ連絡してください。痛み、息切れ、不眠、不安、食欲低下には、治療の時期を問わず緩和ケアを利用できます。仕事、医療費、家族への伝え方については、がん相談支援センターでも相談できます。

当院に寄せられる肺腺がんに関するご相談

肺腺がんについては、「遺伝子検査はどこまで受けたらよいか」「手術後に薬物療法が必要か」「提示された治療以外に選択肢があるか」「副作用と生活をどう両立するか」といったご相談が寄せられます。相談では特定の治療効果を保証せず、病理診断、病期、遺伝子・PD-L1検査、治療歴、全身状態を整理し、主治医へ確認すべき点を明確にします。

ご相談時に確認している病理・画像・遺伝子検査資料

相談時には、病理診断書、手術記録、胸腹部CTやPET-CT、脳MRIの画像と報告書、遺伝子検査・PD-L1検査の結果、これまで使った薬と効果・副作用、最新の血液検査を確認します。検体が組織か細胞か、遺伝子検査で調べた項目、検査できなかった理由も重要です。資料を時系列に並べ、現在困っている症状と治療で大切にしたいことをメモしておくと、相談内容を整理しやすくなります。

肺腺がんについての記事のポイント

  • 肺腺がんは非小細胞肺がんに含まれ、肺がんの中で最も多い組織型です。
  • 肺の末梢に発生しやすく、早期には自覚症状がないことも少なくありません。
  • 喫煙経験がない人にも発生するため、症状や画像異常があれば検査が必要です。
  • 確定診断には病理検査を行い、CTなどで病期と広がりを確認します。
  • 進行・再発例では遺伝子検査とPD-L1検査が薬物療法の選択に関わります。
  • 治療は手術、放射線治療、分子標的薬、免疫療法、抗がん剤を組み合わせます。

肺腺がんの診断や治療に迷ったら主治医へ確認しよう

肺腺がんは同じ診断名でも、病期、遺伝子変化、PD-L1、体の状態によって治療が異なります。早期では手術や放射線治療、進行・再発時には分子標的薬、免疫療法、抗がん剤などを検討します。検査結果や治療の目的が分かりにくい場合は、自己判断で治療を中断せず、病理診断書や画像、遺伝子検査結果を基に主治医へ質問してください。必要に応じて、肺がんを専門とする医師へのセカンドオピニオンや、がん相談支援センターも利用できます。

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