卵巣がんの再発転移についての詳細解説
卵巣がんは、手術や化学療法後の画像検査でがんが無くなったとしても、半数以上で再発転移が起こります。
再発した症例のうち、90%以上が4年以内に再発することが分かっています。
特に、化学療法後は2年以内に再発することが多く、治療後も定期的な経過観察が必須となります。
また、再発時には腹腔内だけでなく、リンパ節に転移したり、肺や肝臓に転移することもあります。
この記事では、卵巣がんの再発転移について説明し、治療の選択肢としての光免疫療法についても紹介します。
再発転移の原因とリスク
卵巣がんの再発転移の原因は、初回の治療でがん細胞を完全に取り除くことができなかった場合や、がん細胞が他の部位に移動して増殖した場合です。
再発転移しやすい理由としては、自覚症状に乏しく早期発見が難しいこと、腹腔内に播種しやすく完全に取り除くのが難しいことなどが挙げられます。
また、手術後の組織検査でがん細胞の残存が確認された場合、再発のリスクが高まることが知られています。
遺伝的要因や家族歴も再発転移のリスクを高める要因として考えられます。
再発転移の症状と診断
再発転移の症状は、転移先の部位によって異なります。
一般的な再発の症状としては、腹痛、腹部の張り、吐き気、便秘、体重減少、食欲不振などが挙げられます。
転移が進行すると、呼吸困難や骨の痛みといった転移先での症状が現れることもあります。
再発転移の診断は、腫瘍マーカー、超音波検査、CT検査などを組み合わせて行います。
再発の早期発見のために、治療が終了しても経過観察を行い、特に再発しやすい2年以内は1～3ヵ月程度の短い間隔での検査が必要です。
再発転移の卵巣がん治療
卵巣がんが再発した場合、根治が難しいため、主に延命や症状の緩和を目的とした治療となります。
卵巣がん再発後は、生存期間の中央値が約2年と短いことも特徴です。
化学療法
再発後は化学療法が基本となりますが、初回治療終了後から再発までの期間によって使用する薬剤が異なります。
半年以内に再発した場合、初回治療とは異なる薬剤を使用し、半年以上経過して再発した場合、初回治療で使用したプラチナ製剤を含む多剤併用療法を行います。
また、半年以上経過して再発した患者様に対しては分子標的薬を使用することもあります。
しかし、再発後の化学療法は効果の持続期間が短くなることが多く、副作用も強く出る傾向にあります。
その他の治療法
再発卵巣がんに対する手術は、再発した場所によって、症状緩和を目的として行われることがあります。
放射線療法は、再発後の痛みや出血の症状を緩和する目的や、脳転移に対して予後の改善のために行われることがあります。
光免疫療法とは
この治療法は、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃する方法です。
薬剤はがん細胞に集積し、その後特定の波長の光を照射することで、がん細胞を破壊します。
光免疫療法は、他の治療法と併用することも可能で、相乗効果が期待されています。
再発転移後の卵巣がんに対しても、有効な治療法となる可能性があります。
卵巣がんが再発して、新たな治療法をお探しの患者様は一度ご相談ください。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
初回治療後のフォローアップ
卵巣がんは、発見時には進行していることが大半であり、再発リスクも高いタイプのがんのため、一般的な予後は良くありません。
予後を改善するためには、初回治療の手術で可能な限り腫瘍を摘出することや、治療後の定期的なフォローアップが重要となります。
まとめ
卵巣がんの再発転移リスクは高く、半数以上の症例が再発している。
特に化学療法後は再発率が高いため、再発しやすい2年以内は短い間隔での経過観察が必要となる。
再発転移が見つかった場合、根治を目的とせず、QOL(生活の質)の改善や症状の緩和に焦点を当てた治療法が検討される。
再発後の主な治療法は化学療法となるが、効果は初回の化学療法より短くなる傾向にある。
光免疫療法は、再発転移した卵巣がんに対しても効果的な治療となる可能性がある。
再発転移した卵巣がんは難治性ですが、新たな薬剤や治療が開発されており、適切な治療法を選択することで再発転移のリスク低減が期待されます。
【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。
