1. 胃がんステージ4とは？
胃がんは進行度に応じてステージ（病期）が分類され、ステージ4は最も進行した状態です。
この段階では、がんが胃の外へ広がり、遠隔転移を伴うことが多くなります。
転移の主な部位としては、肝臓、腹膜、リンパ節、肺などが挙げられます。
2. 胃がんステージ4における腹水の発生
腹水（ふくすい）は、がんの進行によって腹腔内に異常な量の体液がたまる状態を指します。
ステージ4の胃がんでは、特腹膜播種（ふくまくはしゅ）と呼ばれる状態が腹水の原因となることが多いです。
3. 腹水が発生する主な原因
| 原因 | 説明 |
|---|---|
| 腹膜播種 | 胃がん細胞が腹膜に広がり、炎症を引き起こすことで体液が漏れ出し、吸収されにくくなる。 |
| リンパの流れの障害 | がん細胞がリンパ管に浸潤すると、リンパ液の流れが滞り、体液が腹腔に貯留する。 |
| 血管透過性の亢進 | がんが成長することで血管の壁が変化し、血漿成分が外に漏れやすくなる。 |
| 肝機能の低下 | 肝転移やがんによる栄養不良が原因でアルブミン（血液中のたんぱく質）が低下し、血管内の水分を保持する力が弱くなる。 |
4. 胃がんステージ4における腹水の症状
| 症状 | 説明 |
|---|---|
| お腹の膨満感 | 腹部が張ったように感じる。 |
| 食欲不振 | 胃が圧迫され、食べられなくなる。 |
| 呼吸困難 | 横隔膜が押し上げられることで息苦しくなる。 |
| 体重増加 | 水分が溜まることで体重が急に増える。 |
| むくみ | 体内の水分バランスが崩れ、手足がむくむ。 |
5. 腹水に対する治療法
腹水が溜まると、生活の質（QOL）が著しく低下するため、症状を緩和する治療が行われます。主な治療法は以下の通りです。
| 治療法 | 説明 |
|---|---|
| 利尿剤（ラシックスなど）の使用 | 腎臓の機能を活性化し、尿として余分な水分を排出する方法。ただし、がんによる腹水では効果が限られることが多い。 |
| 腹水穿刺（パラセンテシス） | 針を腹部に刺し、直接腹水を抜く方法。効果は一時的であり、繰り返す必要がある。 |
| アルブミン投与 | 低アルブミン血症の補正を目的として行われるが、根本的な解決にはならない。 |
| 腹水濾過濃縮再静注法（CART療法） | 腹水を体外に取り出し、濾過・濃縮した後に患者様の体内へ戻す方法。栄養の損失を防ぐ利点があるが、実施可能な医療機関が限られている。 |
| 化学療法（抗がん剤治療） | 抗がん剤が効く場合は、がんの進行を抑えることで腹水の発生を減らせる可能性がある。ただし、ステージ4の胃がんでは全身状態の悪化により、化学療法が適応にならないケースも多い。 |
6. 標準治療が難しい場合の選択肢
ステージ4の胃がんに対する標準治療（手術、抗がん剤、放射線治療）は、全身状態が良好な場合に限られます。しかし、腹水が多量に貯留しているケースでは、一般的な抗がん剤治療の副作用に耐えられない場合が多く、標準治療が困難になる可能性が高いです。
そのような場合、症状緩和を目的とした治療や、他の治療法を検討する必要があります。
7. 光免疫療法という選択肢
光免疫療法は、特定の光感受性薬剤を体内に投与し、近赤外線を照射することでがん細胞を選択的に破壊する治療法です。
この治療は、がん細胞への選択性が高く、周囲の正常細胞へのダメージを抑えながら治療を行うことが可能とされています。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| がん細胞を選択的に破壊 | 正常細胞への影響が少ない。 |
| 副作用が比較的少ない | 従来の治療法と比べ、体への負担が少ない。 |
| 複数回の照射が可能 | 治療の継続がしやすく、再発時の対応も可能。 |
| 他の治療との併用が可能 | 化学療法や放射線治療と組み合わせることで、相乗効果が期待できる。 |
ステージ4の胃がんで腹水がある方の中には、標準治療が難しい場合もあります。
しかし、対処法や治療の選択肢は存在します。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療をご提案致します。光免疫療法を含め、適した治療法について医師と相談しませんか？まずはご相談ください。
以下より当院の光免疫療法に関してご確認頂けます。
まとめ
胃がんステージ4において腹水が発生すると、標準治療の実施が難しくなるケースが多くなります。
腹水の管理には、穿刺や利尿剤、CART療法などの緩和治療が行われますが、根本的な治療が難しい場合もあります。
そのような状況において、光免疫療法が選択肢の一つとして検討されることがあります。
患者様ごとの病状に応じた適切な治療法を選択するためにも、専門の医師と十分に相談することが重要です。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
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