胃がんの腹膜播種とは?症状と治療選択肢の考え方

CANCER TREATMENT

光免疫療法というがん治療の選択肢

現在のご状況に応じたご相談を承っております。

TREATMENT OVERVIEW 治療概要

光感受性物質と光照射による反応を利用した治療

当院の光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、病変部に光を照射することで生じる光化学反応を利用し、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。

病変の位置や深さ、これまでの治療内容、全身状態などによって、治療の検討内容は異なります。当院では画像や検査資料を確認し、患者様の現在のご状況に応じて適応を個別に判断しています。

CONSULTATION CASES

このようなご相談を承っています

  • 再発・転移があり、現在の治療とあわせて別の選択肢も検討したい

  • 手術・薬物療法・放射線治療など、標準治療との組み合わせを相談したい

  • 副作用や体力面に不安があり、今後の治療方針を整理したい

  • ご高齢や持病、全身状態を踏まえて治療の可能性を相談したい

  • 緩和ケアを含む説明を受け、ほかの選択肢についても情報を得たい

  • 患者様ご本人に代わり、ご家族や身近な方から相談したい

治療の適応について

光免疫療法は、すべての患者様に適応となる治療ではありません。現在受けている治療や治療スケジュールも確認しながら、患者様のご状況に応じて検討します。

MORE INFORMATION

光免疫療法について詳しく見る

治療の特徴や流れ、適応の考え方、副作用についてご案内しています。

東京がんクリニックの光免疫療法について詳しく見る

胃がんの腹膜播種はがん細胞がおなかの中へ広がった状態

胃がんの腹膜播種の広がりをCTと腹部の模式図で確認する医療チーム

胃の表面からこぼれたがん細胞が腹膜へ付着して増える

腹膜は、腹壁の内側や胃、腸などの臓器の表面を覆う薄い膜です。胃がんが胃壁の外側まで進み、がん細胞がおなかの空間へこぼれ、腹膜や大網などへ付着して増えた状態を腹膜播種といいます。血液の流れを介して肝臓へ広がる肝転移や、リンパ液を介するリンパ節転移とは広がり方が異なります。画像で見える結節が少数の場合も、目に見えない小さながん細胞が広い範囲に存在する可能性があります。再発を含む全体像は胃がんの再発・転移で確認できます。

腹膜播種や腹腔洗浄細胞診陽性は遠隔転移として扱う

胃がんの腹膜播種は遠隔転移に当たり、M1としてステージ4に分類されます。また、目に見える腹膜播種がなくても、手術や審査腹腔鏡で回収した腹腔内の洗浄液からがん細胞が見つかる状態を洗浄細胞診陽性といい、同じく遠隔転移として扱います。ステージ4であっても、病変の広がり、症状、全身状態、治療への反応は一人ひとり異なります。病期全体は胃がんステージ4の治療選択肢で確認できます。

腹膜播種と腹水は同じ意味ではない

腹水は、おなかの中に液体がたまった状態です。腹膜播種によって腹水が増えることはありますが、腹膜播種があっても腹水がない場合があります。反対に、低栄養、肝機能低下、心臓や腎臓の病気、感染症などでも腹水は起こります。そのため、「腹水があるから腹膜播種」「腹水がないから播種はない」とは判断できません。腹水の量と原因、がん細胞が含まれるかを、画像、血液検査、必要に応じた細胞診で確認します。

小さな腹膜播種はCTで見つけにくいことがある

腹膜表面に散らばる病変は、一つひとつが小さいとCTに写らないことがあります。胃がんが漿膜まで達している、未分化型である、腹水があるなど、腹膜播種の可能性が高い状況では、CTで明らかな転移がなくても追加検査を検討します。手術を始めてから予想外の播種が見つかることもあります。画像に写らないことと、がん細胞が存在しないことは同じではない点を理解しておくことが大切です。

胃がんの腹膜播種でみられる症状と検査

胃がんの腹膜播種を造影CTと審査腹腔鏡の計画から評価する医師

初期には症状がなく進行すると腹部膨満や食欲低下が起こる

小さな腹膜播種だけでは、自覚症状がないことがあります。腹水が増えると、おなかの張り、早い満腹感、食欲低下、体重増加、息苦しさ、足のむくみなどが起こります。一方、がんや食事不足で筋肉と脂肪が減るため、体重が増えていても栄養状態が低下している場合があります。腹痛、吐き気、便秘、だるさなどもみられますが、薬の副作用や別の病気でも起こるため、経過を医療チームへ伝えてください。

腸の動きや通りが悪くなると腸閉塞を起こすことがある

腹膜播種が腸の表面や腸間膜へ広がると、腸が圧迫されたり動きにくくなったりして、腸閉塞を起こす場合があります。波のある強い腹痛、繰り返す嘔吐、おなかの強い張り、便やおならが出ないなどが主な症状です。腸閉塞は脱水や腸管障害につながる可能性があるため、自己判断で食事や下剤を続けず、早急に医療機関へ連絡してください。尿管が圧迫されると尿の流れが悪くなり、腎機能が低下することもあります。

造影CTで腹膜・腹水・腸管などをまとめて評価する

造影CTでは、腹膜や大網の肥厚・結節、腹水、腸管の狭窄、尿管の閉塞、リンパ節や他臓器への転移を確認します。以前の画像と比較することも重要です。超音波検査は腹水の量や穿刺する位置の確認に役立ちます。PET検査は必要に応じて行いますが、小さな腹膜播種や一部の組織型では写りにくく、PETだけで否定できません。腹水の症状と対処は胃がんの腹水でも解説しています。

審査腹腔鏡と洗浄細胞診で直接確認することがある

腹膜播種の可能性が比較的高い進行胃がんでは、治療方針を決めるために審査腹腔鏡を行うことがあります。全身麻酔をかけ、おなかの小さな穴からカメラを入れて腹膜を観察し、疑わしい部位の組織を採取します。生理食塩水で腹腔内を洗い、回収した液体にがん細胞が含まれるか調べる洗浄細胞診も行います。手術で切除できるかの判断が変わる可能性がある一方、麻酔や出血、感染などの負担もあるため、必要性を個別に判断します。

胃がんの腹膜播種では全身薬物療法が治療の中心

胃がん腹膜播種の薬物療法と症状対策を多職種で検討する場面

見えない播種も考えて全身へ作用する薬を使う

腹膜播種は腹腔内の広い範囲へ散らばる可能性があるため、多くの場合は全身薬物療法を中心に治療します。目的は、腹膜播種を含むがん全体の進行を抑え、腹水や痛みなどの症状を和らげ、生活を保つことです。HER2、PD-L1、CLDN18.2、MSIまたはMMRなどのバイオマーカー、全身状態、臓器機能、これまでの治療歴から、細胞障害性抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを組み合わせます。

食事が取れないと薬物療法の方法を調整する

腹膜播種で腸の通りや吸収が悪くなると、内服薬を安定して使用しにくい場合があります。強い嘔吐、腸閉塞、大量の腹水、腎機能低下、低栄養があるときは、症状への処置を優先し、点滴薬を選ぶ、薬の量を調整する、いったん休薬するなどの対応を検討します。治療を続けることだけを目標にせず、食事量、体重、筋力、日常生活の動きやすさを確認し、利益と負担のバランスを定期的に見直します。

腹腔内化学療法や大きな手術は標準治療とは限らない

抗がん薬を腹腔内へ投与する治療、腹膜の病変を広く切除する手術、温めた抗がん薬で腹腔内を洗う治療などが研究されています。しかし、胃がんの腹膜播種に対して誰にでも行う標準治療として確立しているわけではありません。実施施設や参加条件が限られ、合併症や入院期間などの負担もあります。提案された場合は、保険診療か臨床試験か、比較試験で確認された利益、標準治療への影響を確認してください。

手術は出血や閉塞の緩和など目的を限定して検討する

明らかな腹膜播種がある場合、胃と播種をすべて手術で取り切ることは難しいため、胃切除を一律には行いません。胃からの出血や、食べ物が通らない狭窄があり、内視鏡処置などで改善が難しい場合に、症状を和らげる胃切除やバイパス手術を検討することがあります。薬物療法で播種が見えなくなり細胞診も陰性化した一部の患者で手術を検討する場合もありますが、利益が確立した標準的対応ではなく、専門チームの慎重な判断が必要です。

腹水や腸閉塞への対応と治療中に確認したいこと

胃がん腹膜播種の腹水・食事・緊急時対応を患者と家族へ説明する診察場面

腹水は原因と症状に応じて排液などを検討する

腹水による張りや息苦しさが強い場合は、超音波で安全な位置を確認して針や管で腹水を抜く処置を行うことがあります。症状は早く軽くなる一方、血圧低下、腎機能への影響、たんぱく質の喪失、感染などに注意が必要です。腹水をろ過・濃縮して成分を戻すCARTを検討する施設もありますが、全員に適する方法ではありません。腹水が再びたまる速さと生活への影響をみながら、薬物療法や支持療法と組み合わせます。

腸閉塞では減圧・薬・ステント・バイパスなどを選ぶ

腸閉塞が起きた場合は、食事を一時的に止め、点滴で水分を補い、鼻から管を入れて胃や腸の内容物を減らす処置、吐き気や分泌を抑える薬などを用います。狭窄が一カ所で内視鏡が届く場合はステント、全身状態が保たれ手術の利益が見込める場合はバイパス手術を検討することがあります。播種による狭窄が複数あると処置が難しいため、期待できる食事量と合併症を確認して選びます。

胸水や呼吸症状など腹腔外の変化にも注意する

大量の腹水は横隔膜を押し上げて息苦しさを起こすことがあります。また、がんによる胸水、感染症、肺血栓塞栓症など別の原因でも呼吸症状が出ます。息苦しさが急に強くなる、胸痛を伴う、横になれない、意識がぼんやりする場合は早急に連絡してください。胸水の原因と検査、対処については胃がんの胸水で確認できます。

光免疫療法は胃がん腹膜播種の標準治療ではない

2026年7月時点で、胃がんや腹膜播種に対する光免疫療法は承認された標準治療ではありません。腹腔内に散らばる小さな病変すべてへ安全かつ十分に光を届ける方法や、全身薬物療法を上回る利益は確立していません。自由診療や研究を案内された場合は、正式な治療名、承認適応、臨床研究の登録番号、費用、合併症への対応、標準治療を中断する影響を確認してください。痛み、吐き気、栄養、不安への緩和ケアは、薬物療法と並行して早い段階から利用できます。

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