大腸がんステージ4とリンパ節転移の関係
大腸がんのステージ4は、がんが遠隔の臓器やリンパ節に転移している状態を指します。
この段階では治療の選択肢が限られることがあり、患者様ごとの対応が求められます。
リンパ節は体の免疫機能の一部を担っており、そこへの転移はがんの活動性が高まっている可能性を示します。
特に、腹部の主要リンパ節や骨盤周囲のリンパ節への転移は、症状の悪化や治療の難易度を高める要因となります。
リンパ節転移によって現れる主な症状
がんがリンパ節に転移すると、さまざまな症状が現れることがあります。
以下に主な症状とその概要をまとめます。
症状 | 内容 |
---|---|
下腹部の違和感 | 腫れたリンパ節が周囲の臓器を圧迫し、不快感を生じます。 |
足のむくみ | リンパの流れが滞ることで、下肢にむくみが生じることがあります。 |
排便・排尿障害 | 骨盤内リンパ節の腫大により、神経や膀胱が圧迫されることがあります。 |
治療方針の選択肢
ステージ4でリンパ節に転移がある場合、手術単独での根治が難しいとされることがあります。
そのため、以下のような治療方針が検討されます。
治療法 | 概要 |
---|---|
化学療法 | 抗がん剤を使用して、がんの進行を抑える治療です。FOLFOXやFOLFIRIなどのレジメンが用いられます。 |
分子標的治療 | がん細胞の成長経路を狙って作用する薬剤です。抗EGFR抗体や抗VEGF抗体などが使われます。 |
放射線療法 | リンパ節への局所照射を行い、症状の緩和を目的とすることがあります。 |
治療における生活の質(QOL)への配慮
進行がんの治療では、がんの制御だけでなく、患者様の日常生活の質を保つことも重要です。
副作用が強い治療は継続が困難になる可能性があるため、体力やご意向を考慮した計画が求められます。
また、治療の合間に心身のケアを行うことも大切であり、緩和ケアや心理的サポートの導入も検討されます。
光免疫療法という選択肢
標準治療の実施が難しい場合には、光免疫療法が一つの選択肢として検討されることがあります。
この治療では、がん細胞に集まりやすい性質を持つ光感受性物質を使用し、がんの存在する部位に特定の波長の光を照射することで、がん細胞の破壊を目指します。
照射時の痛みは少ないとされており、周囲の正常な組織への影響も抑えられるよう工夫されています。
当院で行っている光免疫療法の詳細につきましては、以下よりご覧いただけます。
まとめ
大腸がんステージ4でリンパ節転移がある場合、治療の内容が複雑になることがあります。
化学療法や分子標的治療などを含め、状況に応じた治療方針が検討されることもあります。
光免疫療法のような治療が取り入れられる場合もありますが、日常生活への配慮や全身の状態を見ながら進めることが重視される傾向にあります。
治療を続けていく上では、患者様と医療者との対話を通じて、無理のない選択を検討していくことが大切と考えられます。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。