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乳がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

乳がんステージⅣについて

乳がんステージⅣは、がんが乳房やその周辺のリンパ節を超えて、骨、肺、肝臓、脳などの遠隔部位に転移した進行性の状態を指します。
この段階では、症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制や症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
国立がん研究センターの2014-2015年5年生存率集計報告書(※1)によると、乳がんステージⅣの5年相対生存率は約40.3%と発表されており、転移部位やサブタイプにより予後が異なります。
乳がんの原因やリスク要因には、遺伝的要素、ホルモンバランス、生活習慣などが関与しており、これらが複雑に絡み合って発症に至ります。
以下に、乳がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢として光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1:https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2023/0316/slide_seizonritsu2022.pdf

ステージⅣ乳がんの特徴と原因

ステージⅣの乳がんは、TNM分類でT4(周辺臓器への浸潤)またはN1/N2/N3(遠隔リンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
骨転移(骨痛)、肺転移(呼吸困難、咳)、肝転移(黄疸、腹痛)、脳転移(頭痛、認知障害)が多く、倦怠感や体重減少も現れることがあります。
それらの原因としては、以下の要素が関与しています。

●遺伝的要素:BRCA1、BRCA2、PALB2、TP53などの遺伝子変異が関与。特に家族歴や若年発症の場合、リスクが高まる。遺伝子検査でリスク評価が可能。
●ホルモンバランス:エストロゲンやプロゲステロンの長期暴露(早い初経、遅い閉経、ホルモン補充療法など)がリスクを増大させます。ホルモン受容体陽性(ER+/PR+)乳がんに影響。
●生活習慣:肥満、過度なアルコール摂取、運動不足、高脂肪食がリスクを高めます。これらは炎症やホルモン代謝に影響を与えます。
●その他:放射線暴露や乳腺炎症が発症に関与する可能性があります。

標準治療について

ステージⅣの乳がんに対する標準治療は、がんの進行を抑え、症状を緩和し、QOLを維持することを目的としています。
乳がんはサブタイプ(ホルモン受容体陽性、HER2陽性、トリプルネガティブ)により治療法が異なるため、それぞれに分けて説明します。

●ホルモン受容体陽性(ER+/PR+)乳がん
・内分泌療法:タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤(レトロゾール、アナストロゾール)、フルベストラントが主軸。CDK4/6阻害剤(パルボシクリブ、アベマシクリブ、リボシクリブ)との併用で生存期間の延長が期待される。
・化学療法:内分泌療法抵抗性の場合、カペシタビン、ビノレルビン、エリブリンなどが使用される。

●HER2陽性乳がん
・HER2標的療法:トラスツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ・デルクテカン(T-DXd)、トゥカチニブなどが標準。化学療法(パクリタキセル、ドセタキセルなど)との併用で効果を高める。
・化学療法:HER2標的療法と併用し、転移部位の制御を目指す。

●トリプルネガティブ乳がん(TNBC)
・化学療法:アントラサイクリン系(ドキソルビシン)、タキサン系(パクリタキセル)、カペシタビンなどが主軸。進行が速いため、積極的な治療が必要。
・免疫チェックポイント阻害剤:PD-L1陽性の場合、ペムブロリズマブと化学療法の併用が有効。

●放射線療法:骨転移(疼痛緩和)、脳転移(定位放射線療法や全脳放射線療法)、局所再発の管理に使用。
●緩和ケア:疼痛、呼吸困難、栄養不良などの症状管理に重点を置く。骨転移に対するビスホスホネート(ゾレドロン酸)やデノスマブ、栄養サポート、心理的ケアを含む。ステージⅣでは早期から緩和ケアを併用することでQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の乳がんでは効果が限定的な場合があります。
そこで、標準治療以外の選択肢として注目されるのが光免疫療法です。

光免疫療法とは

光免疫療法は、がん細胞に特異的に結合する抗体に光感受性物質を結合させた薬剤を投与し、特定の波長の光を照射することでがん細胞を選択的に破壊する革新的な治療法です。
この治療法は、正常細胞へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃する点で優れています。
特にステージⅣの乳がんでは、局所進行がんや一部の転移巣に対して適用可能な場合があります。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:乳がん細胞表面の特定の抗原(例:HER2、EGFR、CEA)に結合する抗体-光感受性物質複合体を静脈内投与。
2.光照射:近赤外光を用いて、薬剤が結合したがん細胞を活性化。光が当たることで活性酸素が発生し、がん細胞を破壊。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。
光免疫療法の利点
●高い選択性:正常組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:局所進行がんや一部の転移巣にも適用可能。
●QOLの向上:従来の化学療法や放射線療法に比べ、身体的負担が少ない。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ乳がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは乳がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

PARP阻害剤:BRCA1/2変異陽性(乳がんの約5-10%)の患者様に対し、オラパニブやタラゾパニブが使用される。DNA修復を阻害し、がん細胞の増殖を抑える。特にトリプルネガティブ乳がんで有効。
PI3K/AKT/mTOR経路阻害剤:PIK3CA変異(ホルモン受容体陽性乳がんの約30-40%)に対し、アルペリシブ(PI3K阻害剤)やエベロリムス(mTOR阻害剤)が内分泌療法と併用される。
抗体薬物複合体(ADC):サシツズマブ・ゴビテカン(Trop-2標的、トリプルネガティブ乳がんで有効)やトラスツズマブ・デルクテカン(HER2陽性またはHER2低発現乳がん)が標準治療後の選択肢として使用される。
臨床試験:新たな分子標的薬(例:CDK7阻害剤)、がんワクチン、CAR-T細胞療法、バイスペシフィック抗体などの臨床試験が進行中。ステージⅣの患者様にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

乳がんステージⅣは、転移を伴う進行性の疾患であり、遺伝的要素、ホルモンバランス、生活習慣がその発症に関与します。
標準治療(内分泌療法、HER2標的療法、化学療法、免疫療法、放射線療法、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に乳がん特異的抗原を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの乳がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
また、光免疫療法は、標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法となります。
早期発見と適切な治療選択が重要なため、当院の光免疫療法に関する情報は何でもお気軽にご相談ください。

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