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子宮体がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

子宮体がんステージⅣについて

日本では、子宮体がん(子宮内膜がん)は女性特有のがんの中でも比較的頻度が高いがんであり、進行性の場合は治療が難しく、深刻な疾患の一つです。
2021年の国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(※1)によると、年間約1万9千人が新たに子宮体がんと診断されています
子宮体がんは主に子宮内膜に発生し、ホルモン依存性(Ⅰ型:エストロゲン依存性)と非ホルモン依存性(Ⅱ型:漿液性や明細胞がん)に分類されます。
特にⅡ型は進行性で予後が不良なことが知られています。

子宮体がんステージⅣは、がんが子宮や骨盤腔を超えて腹膜外の臓器(肝臓、肺、脳、遠隔リンパ節など)に遠隔転移した進行性の状態を指します。
この段階では、腹部膨満、腹痛、異常子宮出血、腸閉塞、呼吸困難、倦怠感などの症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制、症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
子宮体がんの原因やリスク要因には、ホルモン因子、遺伝的要素、生活習慣などが関与しており、これらが複雑に絡み合って発症に至ります。
以下に、子宮体がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢として光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1: 国立がん研究センター「子宮体部がん統計」

ステージⅣ子宮体がんの特徴と原因

ステージⅣの子宮体がんは、TNM分類でT3(骨盤腔外への浸潤)またはN1(遠隔リンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
肝臓実質転移、肺転移、脳転移、腹膜播種、遠隔リンパ節転移が多く、腹痛、異常子宮出血、消化器症状(悪心、嘔吐、便秘)、体重減少、呼吸困難などの症状が現れることがあります。
原因としては、以下の要素が挙げられます。

●生活習慣と環境要因:肥満、高脂肪食、糖尿病、高血圧はリスク因子として関連します。特に肥満はエストロゲン産生を増加させ、Ⅰ型子宮体がんのリスクを高めます。長期間のエストロゲン単独補充療法やタモキシフェンの使用もリスク因子です。
●遺伝的要素:Lynch症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)は子宮体がんリスクを大幅に高めます(特にMSI-H型)。PTEN、TP53、PIK3CA、KRASなどの遺伝子変異が進行性子宮体がんで見られます。BRCA変異はまれですが、関連する場合もあります。
●その他:早期初経、晩産、未産、閉経遅延、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、エストロゲン曝露期間の増加によりリスクを高めます。家族歴も重要なリスク要因です。

子宮体がんの標準治療について

ステージⅣの子宮体がんに対する標準治療は、がんの進行を抑え、症状を緩和し、QOLを維持することを目的としています。
主な標準治療は以下の通りです。

●全身化学療法
・パクリタキセル+カルボプラチン:子宮体がんの標準化学療法で、初回治療として広く使用されます。骨髄抑制、末梢神経障害、脱毛が主な副作用。
・ドセタキセル+カルボプラチン:パクリタキセルに耐性の患者様や副作用軽減のために選択される。
・ドキソルビシン+シスプラチン:進行性や再発性子宮体がんに使用される。心毒性や腎毒性に注意が必要。

●ホルモン療法
・プロゲステロン(メドロキシプロゲステロン、MPA):Ⅰ型子宮体がん(エストロゲン依存性)に有効。低悪性度でホルモン受容体陽性の症例に適応。
・タモキシフェンやGnRHアナログ:ホルモン療法の補助として使用される場合がある。

●分子標的薬
・レンバチニブ+ペムブロリズマブ:進行性子宮体がん(特にMSI-Hや非ホルモン依存性)に有効。高血圧や疲労感などの副作用に注意。
・トラスツズマブ:HER2陽性の漿液性子宮体がんに使用される。
・PARP阻害剤(オラパニブなど):BRCA変異やHRD(相同組換え修復欠損)の症例で検討されるが、子宮体がんでは適応が限定的。

●免疫チェックポイント阻害剤
・ペムブロリズマブ:PD-L1発現陽性やマイクロサテライト不安定性(MSI-H)の子宮体がんに有効。免疫関連副作用(皮膚炎、肺炎、肝障害)に注意。
・ドスタリマブ:MSI-Hの子宮体がんに適応。進行性症例での効果が期待される。

●外科療法:ステージⅣでは腫瘍減量手術が可能な場合に行われ、残存腫瘍を最小限にすることで化学療法やホルモン療法の効果を高める。遠隔転移巣の切除は症例に応じて検討。
●放射線療法:骨転移や脳転移による疼痛、神経症状の緩和に使用。定位放射線療法(SBRT)は限局的転移巣に適用。
●緩和ケア:腹水、腸閉塞、疼痛への対応が重要。腹水穿刺、ステント留置、疼痛管理によりQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の子宮体がんでは効果が限定的な場合があります。
そこで、標準治療以外の選択肢として注目されるのが光免疫療法です。

光免疫療法とは

光免疫療法は、光感受性物質(薬剤)を点滴で体内に投与した後、レーザー光をがん細胞に照射することで、がん細胞を選択的に破壊する治療法です。
この治療法は、正常細胞へのダメージを抑えつつ、がん細胞を攻撃するという特徴があります。
特にステージⅣの子宮体がんでは、腹膜播種や浅い転移巣、局所進行がんに対して適用可能な場合があります。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:光感受性を持つ薬剤を点滴投与します。EPR効果によって薬剤をがん細胞に集中的に届けます。
2.光照射:特定の波長のレーザーを体表面に照射します。がん細胞に集積した薬剤が反応し、がん細胞を攻撃します。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。

光免疫療法の利点
●高い選択性:正常な子宮組織や周辺組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:腹膜播種や局所進行がんに特に有効で、表在性の転移巣にも適用可能。
●QOLの向上:従来の化学療法や放射線療法に比べ、身体的負担が少ない。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ子宮体がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは子宮体がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

免疫チェックポイント阻害剤:ペムブロリズマブやドスタリマブ単剤療法は、MSI-Hや高腫瘍変異負荷(TMB-H)の患者様に有効。子宮体がんではMSI-Hが比較的多く、効果が期待される。
遺伝子療法:CAR-T細胞療法やオンコリティックウイルス療法が臨床試験で検討中。PTENやPIK3CA変異を標的とした治療が有望視される。
サイトカイン療法:インターフェロン-αやインターロイキン-2(IL-2)は、免疫応答を高め、一部の進行性子宮体がんで検討される。
臨床試験:新たな分子標的薬(例:PI3K阻害剤、mTOR阻害剤)、がんワクチン、バイスペシフィック抗体などが臨床試験で有望視されている。ステージⅣの患者様にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

子宮体がんステージⅣは、遠隔転移を伴う進行性の疾患であり、ホルモン因子(エストロゲン過剰)、遺伝的要素(Lynch症候群、PTEN変異など)、生活習慣(肥満など)がその発症に関与します。
標準治療(化学療法、ホルモン療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、外科療法、放射線療法、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に子宮体がんのがん細胞を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの子宮体がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
そして、光免疫療法は標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法でもあります。
子宮体がんは早期発見と適切な治療選択が重要なため、当院の光免疫療法を適用可能かどうかはお気軽にご相談ください。

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