大腸がんの生存率とは?数字の見方と治療選択で確認したいこと

光免疫療法というがん治療の選択肢】
がん細胞へのアプローチと免疫の働きに着目した治療法です

光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、がん細胞に集まった薬剤へ近赤外線を照射することで、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。

薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を利用し、照射によって活性酸素を発生させることで、がん細胞を内側から攻撃することを目的としています。

東京がんクリニックでは、以下のようなお悩みをお持ちの方からのご相談も承っております。

  • 再発・転移があり、治療の選択肢を探している方
  • 標準治療との併用を検討されている方
  • 抗がん剤治療の休薬中に相談先を探している方
  • ご高齢などの理由で治療方針にお悩みの方
  • 緩和ケアを勧められ、他の可能性も検討したい方
  • ステージに関わらず、今後の治療について相談したい方

がん治療の選択肢の一つとして、光免疫療法についてもご相談ください。

以下のバナーをクリックすると、東京がんクリニックの光免疫療法ページをご覧いただけます。

東京がんクリニックの光免疫療法。薬剤と光で、がん細胞へアプローチ。電話番号0120-833-177。詳しくはこちら。

大腸がんの生存率を調べると、ステージごとに異なる数字が示されます。しかし、生存率は過去に診断された多くの患者様を集団として観察した統計であり、一人ひとりの余命を表す数字ではありません。同じステージでも、がんを切除できるか、転移の場所や数、がんの性質、治療への反応、年齢や全身状態によって経過は異なります。この記事では、大腸がんの5年生存率の意味、ステージ別の数字の見方、予後に影響する要因、治療を選ぶ際に確認したいことを患者様とご家族向けに解説します。大腸がん全体の基礎知識については、大腸がんとは?症状・検査・治療の基本もご覧ください。

大腸がんの生存率とは

大腸がんの生存率が集団の統計であることを表すグラフのイメージ

5年生存率がよく使われる理由

5年生存率は、がんと診断された方のうち、診断から5年後に生存している方の割合を示す指標です。がんの治療成績や長期的な経過を集団として比較する際に広く使われています。「5年」という区切りは統計上の評価期間であり、5年を過ぎると必ず再発しない、または5年しか生きられないという意味ではありません。大腸がんでは5年以上経過してから再発する可能性もゼロではなく、ステージや治療内容に応じた経過観察が必要です。

実測生存率・相対生存率・ネット・サバイバルの違い

実測生存率は、がん以外の病気や事故など死因を区別せず、診断後に生存している方の割合を示します。相対生存率は、対象となる患者集団の実測生存率を、性別や年齢などが似た一般集団で期待される生存率と比べ、がん以外の死因の影響を補正した指標です。ネット・サバイバル(純生存率)は、がん以外の死因の影響を統計学的に取り除き、がんによる死亡をより適切に推定する方法です。数字を比較するときは、どの種類の生存率かをそろえる必要があります。

生存率は個人の余命を示す数字ではない

生存率は、条件が異なる多数の患者様の結果をまとめたものです。たとえばステージ4の5年生存率が一定の割合で示されていても、個々の患者様がその年数まで生きられる確率や余命を直接示すものではありません。転移巣を切除できる方、薬物療法がよく効く方、複数の臓器に広く転移している方などが同じ集計に含まれるためです。生存率の数字だけを見て治療を諦めたり、反対に治療効果を保証されたと受け取ったりせず、自分の病状に当てはまる要素を主治医に確認しましょう。

統計を見るときは対象者と診断時期を確認する

生存率は、全国がん登録、地域がん登録、院内がん登録など、データの集め方によって対象者が異なります。年齢、性別、ステージ、治療の有無、集計対象施設などの条件でも数字は変わります。また、5年生存率を計算するには診断後5年以上の追跡が必要なため、公表された時点より前に診断された患者様のデータになります。その後に登場した薬や手術技術の進歩が十分反映されていない可能性があります。出典、診断年、集計方法、症例数を確認し、異なる条件の数字を単純に比べないことが大切です。

大腸がんのステージ別にみた生存率の考え方

大腸がんの広がりと予後の違いをステージ別に表した図

ステージ0・1は早期治療によって良好な経過が期待される

ステージ0はがんが粘膜内にとどまる状態で、院内がん登録のステージ別生存率では上皮内がんが集計から除かれるため、ステージ0の数字が示されないことがあります。ステージ1はがんが粘膜下層または固有筋層までにとどまり、リンパ節転移と遠隔転移がない状態です。国立がん研究センターが公表する院内がん登録2014~2015年診断例では、大腸がんステージ1の5年ネット・サバイバルは92.3%でした。ただし、これは対象施設の集団の値です。詳しくは、大腸がんステージ1の特徴と治療をご覧ください。

ステージ2は再発リスクによって経過が異なる

ステージ2は、がんが固有筋層を越えて大腸の外側へ広がっているものの、リンパ節転移と遠隔転移が確認されていない状態です。同じステージ2でも深達度、周囲臓器への浸潤、腸閉塞や穿孔の有無、病理学的な特徴、調べられたリンパ節の数などにより再発リスクが異なります。院内がん登録2014~2015年診断例の大腸がんステージ2の5年ネット・サバイバルは85.5%でした。手術後に補助化学療法を行うかは再発リスクと全身状態を踏まえて検討します。詳しくは、大腸がんステージ2の特徴と治療をご覧ください。

ステージ3はリンパ節転移の範囲が予後に影響する

ステージ3は領域リンパ節への転移がある状態で、原発巣の深達度や転移しているリンパ節の数・範囲によって3A、3B、3Cなどに細分されます。切除可能な場合は手術後に補助化学療法を行い、再発リスクを下げることを目指します。院内がん登録2014~2015年診断例の大腸がんステージ3の5年ネット・サバイバルは75.5%でしたが、細分類や治療内容を区別しない集団の数字です。個別の見通しは病理結果などを含めて考えます。詳しくは、大腸がんステージ3の症状・治療・予後をご覧ください。

ステージ4でも病状や治療によって経過は異なる

ステージ4は肝臓、肺、腹膜などへの遠隔転移がある状態です。院内がん登録2014~2015年診断例の大腸がんステージ4の5年ネット・サバイバルは18.3%でした。しかし、転移が一つの臓器に限られ切除できる方と、複数臓器へ広く転移している方、薬物療法の効果、がんの遺伝子や分子の特徴などが同じ集計に含まれます。転移巣を切除できる場合や、薬物療法で縮小して切除可能になる場合もあります。数字だけで治療可能性を判断せず、詳しくは大腸がんステージ4の治療の考え方をご覧ください。

結腸がんと直腸がんで統計が分けられることがある

大腸がんは結腸がんと直腸がんを合わせた呼び方ですが、病変の場所によって手術方法、局所再発の起こりやすさ、放射線治療の位置づけなどが異なります。そのため、公的統計では大腸がん全体に加えて、結腸がんと直腸がんを分けた生存率が示されることがあります。数字を確認するときは、自分の病変が結腸と直腸のどちらにあるか、見ている統計が大腸全体か部位別かを確認しましょう。同じ名称でも、上皮内がんを含むかなど集計条件が異なる場合があります。

再発後の予後は初回診断時のステージだけでは分からない

再発とは、治療後に再び大腸がんが見つかることです。再発後の経過は、初回診断時のステージだけでなく、再発した場所、病変の数と大きさ、再発までの期間、切除可能性、これまで使用した薬、遺伝子や分子の特徴、全身状態などに影響されます。肝臓や肺への再発でも切除によって長期的な病状の制御を目指せる場合があります。初回のステージ別生存率をそのまま再発後の見通しに当てはめることはできないため、再発時点の検査結果から治療方針を改めて検討します。

大腸がんの予後に影響する主な要因

大腸がんの予後に関わる検査結果を検討する医療チーム

がんを切除できるかどうか

大腸がんでは、原発巣と転移巣を含め、がんを完全に切除できるかどうかが予後に関わる重要な要素です。ステージ0~3で切除可能な場合は、内視鏡治療や手術によって根治を目指します。ステージ4でも、肝転移や肺転移などが安全に切除できる範囲であれば手術を検討することがあります。一方、切除が難しい場合も、薬物療法で病変が縮小して切除可能になることがあります。切除可能性は一つの診療科だけでなく、外科、消化器内科、放射線科などで総合的に判断されます。

転移している臓器・病変の数や広がり

遠隔転移がある場合は、転移している臓器、病変の数や大きさ、重要な血管や臓器との位置関係、原発巣による症状などが治療方針と予後に影響します。同じ肝転移でも、一つだけで切除しやすい場所にある場合と、両方の肝葉に多数ある場合では状況が異なります。腹膜播種、肺転移、骨転移などが同時にあるかも確認します。ステージ4という名称だけでは広がり方を十分に表せないため、画像検査の結果と切除可能性を具体的に主治医へ尋ねることが大切です。

がんの病理学的な特徴や遺伝子変異

切除した組織や生検組織から、がんの組織型、リンパ管・静脈への侵入、切除断端、リンパ節転移などを調べます。進行・再発大腸がんでは、RAS、BRAF、HER2、MSI・MMRなど、がんの遺伝子や分子の特徴を調べることがあります。これらは薬物療法の選択や病状の見通しを考える材料になります。検査結果の一つだけで予後が決まるわけではなく、病変の広がり、治療歴、全身状態などと合わせて判断します。

薬物療法への反応

切除不能な進行・再発大腸がんでは、薬物療法によって病変の縮小や進行の抑制を目指します。治療効果はCTなどの画像検査、症状、腫瘍マーカーの変化を組み合わせて評価します。同じ治療でも効果や副作用には個人差があります。最初の治療が効きにくい場合でも、別の薬の組み合わせや分子標的薬、条件に該当すれば免疫チェックポイント阻害薬などが検討されます。治療への反応が良ければ手術の可能性を再評価することもあります。

年齢・体力・臓器機能・持病

治療を安全に受けられるかは、年齢だけでなく、心臓、肺、肝臓、腎臓などの機能、糖尿病などの持病、栄養状態、日常生活の自立度、服薬状況などによって異なります。高齢であることだけで治療できないと決まるわけではありませんが、がん以外の病気が生存率へ影響することもあります。体力や生活上の希望を踏まえて薬の量や治療方法を調整し、栄養支援、リハビリテーション、症状への支持療法などを組み合わせることが大切です。

生存率を知ったあとに治療選択で確認したいこと

大腸がんの治療目的と選択肢を医師に確認する患者様とご家族

治療の目的を主治医へ確認する

治療を選ぶ前に、目指している目的を確認しましょう。内視鏡治療や手術でがんを取り切り治癒を目指す治療、手術後の再発リスクを下げる補助化学療法、進行を抑えて生存期間の延長や症状の軽減を目指す治療などがあります。同じ薬物療法でも目的が異なることがあります。「この治療で何を目指すのか」「効果はどの検査でいつ判断するのか」「効果が得られない場合の次の選択肢は何か」を確認すると、治療への理解が深まります。

標準治療の選択肢と期待できる効果を確認する

標準治療は、科学的根拠に基づき、その時点で多くの患者様に推奨される治療です。大腸がんではステージ、切除可能性、病変の位置、遺伝子や分子の特徴、全身状態などによって、内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線治療を組み合わせます。提案された治療だけでなく、ほかに標準的な選択肢があるか、期待できる効果と主な不利益は何かを尋ねましょう。ステージの基本については、大腸がんのステージと病期別治療も参考にしてください。

遺伝子検査やバイオマーカー検査の必要性を確認する

進行・再発大腸がんの薬物療法では、RAS、BRAF、HER2、MSI・MMRなどの検査結果によって選択できる薬が異なることがあります。検査を行う時期や必要な組織、保険適用は病状によって異なります。また、検査で特定の異常が見つかっても、必ず対応する薬が使えるとは限りません。自分にはどの検査が行われたか、結果は治療選択にどう関係するか、追加検査が必要かを主治医に確認してください。

副作用や生活への影響も含めて比較する

治療を比較するときは、効果だけでなく、手術の合併症、人工肛門の可能性、薬物療法によるしびれ・吐き気・下痢・皮膚症状・骨髄抑制、放射線治療の副作用なども確認します。通院頻度、入院期間、仕事や家事、食事、介護、費用への影響も重要です。副作用は予防や早期対応によって軽減できる場合があります。生活で守りたいことや不安を医療者へ伝え、効果と負担のバランスを一緒に検討しましょう。

セカンドオピニオンを活用する

セカンドオピニオンは、現在の主治医とは別の医師から診断や治療方針について意見を聞く仕組みです。主治医を変更することが目的ではなく、提示された治療を理解し、納得して選ぶために利用できます。特に転移巣の切除可能性、複数の治療選択肢、臨床試験などを確認したい場合に役立つことがあります。画像データ、病理診断書、診療情報提供書などの準備が必要なため、希望する場合は主治医や相談窓口へ伝えましょう。緊急性が高い治療では、相談にかかる時間も確認します。

緩和ケアは診断時から受けられる

緩和ケアは終末期だけに行うものではなく、がんと診断された時から、治療と並行して受けることができます。痛み、吐き気、便通異常、息苦しさ、だるさなどの身体症状だけでなく、不安、眠れない、仕事や家計の悩み、ご家族の負担なども相談できます。つらさを和らげることは生活の質を保ち、治療を続けやすくすることにもつながります。困りごとがあれば我慢せず、主治医、看護師、緩和ケアチーム、がん相談支援センターなどへ伝えてください。

当院に寄せられる大腸がんの生存率・予後に関するご相談

当院には、「ステージ別の生存率を自分の余命と考えるべきか」「ステージ4と告げられ、数字を見て治療を諦めるべきか迷っている」「手術後の病理結果から再発リスクをどう理解すればよいか」「薬物療法の効果と生活への負担を比較したい」といったご相談が寄せられます。ご相談では、生存率の出典と対象集団を確認し、統計を個人の余命として断定できないことを共有したうえで、診断時のステージ、T・N・M分類、病変の場所、切除可能性、病理結果、遺伝子や分子の検査、これまでの治療と反応、全身状態を整理します。標準治療を否定したり、特定の治療で生存期間が必ず延びるとお伝えしたりすることはありません。主治医から示された治療の目的、期待できる効果、副作用、次の選択肢を確認し、質問事項を明確にします。転移や再発がある場合は、外科切除の可能性が多職種で検討されたか、薬物療法の選択に必要な検査がそろっているか、症状を和らげる支援が受けられているかも確認します。セカンドオピニオンを希望する場合は、限られた時間を有効に使えるよう、画像、病理診断書、治療歴などの資料と、相談したい優先事項を整理します。

まとめ

大腸がんの生存率は、過去の多数の患者様を集団として観察した統計であり、個人の余命を示すものではありません。院内がん登録2014~2015年診断例の5年ネット・サバイバルは、ステージ1が92.3%、ステージ2が85.5%、ステージ3が75.5%、ステージ4が18.3%ですが、診断年、集計対象、治療の進歩などを考慮して見る必要があります。実際の経過は、切除可能性、転移の広がり、がんの性質、治療への反応、全身状態などで異なります。数字だけで判断せず、治療の目的、標準治療の選択肢、必要な検査、副作用と生活への影響を主治医へ確認しましょう。

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