膀胱がんステージⅣの詳細解説と光免疫療法の効果
膀胱がんステージⅣの定義
膀胱がんは、膀胱の内側を覆う尿路上皮細胞が異常増殖することで発生する悪性腫瘍です。
ステージⅣは、がんが膀胱壁を越えて隣接する臓器(前立腺、子宮、直腸など)、骨盤壁、腹壁に浸潤するか(ステージⅣA)、または遠隔リンパ節や臓器(肺、肝臓、骨、脳など)に転移した状態(ステージⅣB)を指します。
この段階では、がんの進行が早く、根治が困難な場合が多いですが、治療により症状の緩和や生命予長の延長が期待できます。
主な症状には、血尿、排尿困難、骨盤痛、全身倦怠感、転移部位に応じた症状(例:骨転移による疼痛、肺転移による呼吸困難)が含まれます。
早期発見が予後改善の鍵であり、定期的な尿検査や膀胱鏡検査が推奨されます。
この記事では、膀胱がんステージⅣの詳細と光免疫療法を含めた治療法の解説をしていきます。
膀胱がんステージⅣの治療選択肢
膀胱がんステージⅣの治療は、がんの広がり、患者の全身状態(PS)、併存疾患に基づき決定され、生命予長の延長とQOL(生活の質)向上が主な目的となります。
以下が主な治療法となります。
●化学療法:プラチナ製剤ベースのレジメンが標準となる。ステージⅣBでは、がんの進行抑制や症状緩和を目指します。
●免疫療法:免疫チェックポイント阻害剤(例:ペンブロリズマブ〈キイトルーダ〉)が、進行性尿路上皮がんに有効。PD-L1発現が高い場合や、化学療法後の二次治療、またはシスプラチン不適応患者の一次治療として使用されます。
●抗体薬物複合体(ADC):抗体の性質を利用して効率的にがん細胞を攻撃。膀胱がんでは、細胞障害性抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬が効かなくなった転移がんに対して行う。
●放射線療法:骨転移による疼痛や局所症状の緩和を目的に使用される。根治目的での単独使用はまれ。
●手術:ステージⅣAでは、化学療法後に根治的膀胱全摘術(尿路変向術を伴う)が検討される場合があるが、ステージⅣBでは緩和目的に限定されることが多い。
●緩和ケア:疼痛、尿路閉塞、全身症状の管理に重点を置き、早期からの導入が推奨される。
治療選択には、がんの分子特性(PD-L1発現、遺伝子変異)、患者様の希望、治療耐性に応じた個別化が重要となります。
光免疫療法とその効果
光免疫療法は特定の薬剤をがん細胞に集積させ、それを特定の波長の光で活性化することで、がん細胞を破壊する方法です。
この方法は、他の治療と併用することで、より相乗効果が期待されています。
光免疫療法は、副作用が少なく、患者様の体調への負担も少ないとされています。
しかし、この治療法が適しているかどうかは、専門医との相談が必要です。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
膀胱がんの各ステージの特徴と治療方法
膀胱がんは、進行度に応じてステージ0からステージⅣまでの5つのステージに分類されます(ステージ0は非浸潤性がん)。
以下は、各ステージの特徴と主な治療方法を示す表となります。
光免疫療法は、すべてのステージの治療選択肢として利用可能であることを明記しています。
ステージ | 特徴 | 主な治療方法 |
---|---|---|
0 | がん細胞が膀胱の最内層(尿路上皮)に留まり、筋層に浸潤していない(非浸潤性)。上皮内がん(CIS)など。 | 経尿道膀胱腫瘍切除術(TURBT)、BCG膀胱内注入療法、化学療法、光免疫療法 |
Ⅰ | がん細胞が膀胱の内側表層(粘膜下層)に浸潤しているが、筋層には達していない。 | TURBT、BCG膀胱内注入療法、経尿道的レーザー治療、光免疫療法 |
Ⅱ | がん細胞が膀胱の筋層に浸潤しているが、膀胱外には広がっていない。 | 根治的膀胱全摘術、化学療法、膀胱温存療法(放射線+化学療法)、光免疫療法 |
Ⅲ | がん細胞が膀胱壁を越えて周辺組織(脂肪層、隣接臓器)に浸潤、または局所リンパ節に転移。 | 根治的膀胱全摘術化学療法、放射線療法、免疫療法、光免疫療法 |
Ⅳ | がん細胞が膀胱壁を突破し、遠隔リンパ節や臓器(肺、肝臓、骨など)に転移(ⅣA:局所進行、ⅣB:遠隔転移)。 | 化学療法、免疫療法、放射線療法、手術、光免疫療法 |
生活のアドバイスとサポート
膀胱がんステージⅣを診断された患者様は、生活の質の維持や改善を目指すことが大切です。
適切な食事や適度な運動、ストレスの管理など、日常生活の中での工夫が求められます。
また、家族や友人、医療チームとの連携を強化することで、治療の進行や生活のサポートを受けることができます。
定期的な健康チェックや薬剤の管理も、治療の成功に寄与します。
患者様自身の意識や取り組みが、予後の改善に繋がると言われています。
まとめ
膀胱がんステージⅣは、がんが膀胱を超えて遠隔転移を伴う進行期であり、根治が困難な場合が多いですが、化学療法、免疫療法、抗体薬物複合体などの進歩により、生存期間の延長とQOL向上が期待できます。
当院の光免疫療法は、膀胱がんステージⅣに対しても、有効な治療法の一つとなる可能性があります。
標準治療と併用可能なため、膀胱がん治療を受けられている方でも、お気軽にご相談ください。
当院では、患者様一人ひとりに寄り添ったケアを目指します。
関西(大阪)で「膀胱がんステージ4」のがん治療をお考えの方はこちらから光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
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