がん治療における「緩和ケア」
緩和ケアというと終末期に行われるケアであると思われている方は少なくないかもしれませが、実際は終末期だけではなく、早期からがんに対する治療と並行して必要に応じて行われるケアとなっています。
つまり、緩和ケアはがん患者さんの肉体的・精神的苦痛を取りのぞき、患者さんとご家族にとって、自分らしい生活を送れるようにするためのケアです。
また緩和ケアは「専門病棟で行われるもの」と思う方もいると思いますが、実際には一般病棟や在宅ケアとしても受けられます。(勿論、専門病棟もあります。)
我々が一般的にがん医療に携わるすべての医療者によって提供されるものを「基本的緩和ケア」と言い、特別なトレーニングを受けた専門家が対応するものを「専門的緩和ケア」と言います。
がん治療における「緩和ケアの役割」
今までのがん医療は、がんにおける治療そのものが重視されていましたが、近年、療養過程にも注目されるようになりました。
患者様の辛さに寄り添い、また患者様の尊厳(自分らしさ)を大切にすることも治療として重要であると考えられたのです。
因みに、この辛さというのは、単純な痛みではなく、全人的苦痛(トータルペイン)と呼ばれる4つの苦痛(身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペイン)を示しております。
これらを少しでも軽減させ、療養の質を高めることが緩和ケアの役割です。
緩和ケアとホスピスの違い
ホスピスは簡単に言ってしまえば、ターミナルケアが行われる施設のことを指します。
そしてターミナルケア死を目前にした人のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指すケアを指します。
確かに緩和ケアはターミナルケアに含まれます。
それ故に、緩和ケアは終末期に行われるケアであると思われる方がいらっしゃいますが、実は違います。
ターミナルケアはあくまで緩和ケアの一部なのです。
緩和ケアはがんの進行度に依りません。
緩和ケアの大切さ
「病は気から」という諺があるように、精神的負担が大きければ、患者様もそのご家族も大変苦しい想いをしてしまいます。
QOLを高めて、病気の過程に良い影響を与えることで、実際にがんを克服した方もいらっしゃいます。
がんは延命出来ることは勿論、治せる病気でもあります。
前向きに向き合うため、余計な苦しみを増やさないためにも緩和ケアはとても大切です。
※緩和ケアは、2002年にWHOで以下のように定義されています。
「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に同定し、適切な評価と治療によって、苦痛の予防と緩和を行うことで、QOL(Quality of Life:生活の質) を改善するアプローチである。」
光免疫療法はがんんの緩和ケアにも適している
癌の光免疫療法は標準治療と併用して行う事が可能であり、その利用方法は多岐に渡ります。その一つとして緩和ケアとしてご利用される患者様の少なくありません。例えば大腸の癌腫瘍により排便のコントロールが困難な患者様へ光免疫療法を行う事で、がん腫瘍が縮小し、排便がスムーズになったという実績もございます。そのため、当院ではがん闘病中に少しでも患者様の苦しみを取り除く事が出来る方法として、光免疫t療法を緩和ケアにも使用しております。
現在がん治療をお考えの方、またはがんの緩和ケアをご検討されているい方は、ご相談ください。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。