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咽頭がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

咽頭がんステージⅣについて

日本では、咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんを含む)は比較的稀ながんですが、進行性の場合は治療が難しく、深刻な疾患の一つです。
2021年の国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(※1)によると、上咽頭がんは年間約750人、中咽頭がんは年間約2,300人、下咽頭がんは年間約2,000人が新たに咽頭がんと診断されています
咽頭がんは、咽頭の粘膜に発生する悪性腫瘍で、扁平上皮がんが最も一般的です。特に進行性の場合は予後が不良なことが知られています。

咽頭がんステージⅣは、がんが咽頭や周辺組織を超えて遠隔臓器(肺、肝臓、骨、遠隔リンパ節など)に転移した進行性の状態、または局所的に高度な浸潤(T4)を示す状態を指します。
この段階では、咽頭痛、嚥下困難、声のかすれ、頸部リンパ節腫脹、呼吸困難、体重減少、倦怠感などの症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制、症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
咽頭がんの原因やリスク要因には、喫煙、飲酒、ウイルス感染、遺伝的要素などが関与しており、これらが複雑に絡み合って発症に至ります。
以下に、咽頭がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢として光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1: 国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」(全国がん登録の咽頭がん統計)

ステージⅣ咽頭がんの特徴と原因

ステージⅣの咽頭がんは、TNM分類でT4(周辺臓器への高度な浸潤)またはN2/N3(広範なリンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
肺転移、肝臓転移、骨転移、遠隔リンパ節転移が多く、咽頭痛、嚥下困難、耳痛、頸部腫瘤、呼吸困難、体重減少などの症状が現れることがあります。
原因としては、以下の要素が挙げられます。

●生活習慣と環境要因:喫煙と過度なアルコール摂取は主要なリスク因子であり、相乗効果でリスクを高めます。職業上の化学物質(アスベスト、木材粉塵)への曝露も関連します。
●ウイルス感染:ヒトパピローマウイルス(HPV、特にHPV-16)は中咽頭がんの主要な原因です。エプスタイン・バールウイルス(EBV)は上咽頭がんに強く関連します。
●遺伝的要素:TP53、EGFR、PIK3CAなどの遺伝子変異が進行性咽頭がんで見られます。家族歴も一部の症例でリスク因子となる場合があります。
●その他:慢性炎症、口腔衛生不良、栄養不足(特にビタミン欠乏)もリスクを高めるとされています。

咽頭がんの標準治療について

ステージⅣの咽頭がんに対する標準治療は、がんの進行を抑え、症状を緩和し、QOLを維持することを目的としています。
主な標準治療は以下の通りです。

●全身化学療法
・シスプラチン+5-FU:咽頭がんの標準化学療法で、初回治療として広く使用されます。腎障害、悪心、骨髄抑制が主な副作用。
・シスプラチン+パクリタキセル:シスプラチン耐性や副作用軽減のために選択される。
・ドセタキセル単剤または併用:進行性や再発性咽頭がんに使用される。末梢神経障害や脱毛に注意が必要。

●分子標的薬
・セツキシマブ:EGFR阻害剤で、放射線療法や化学療法と併用される。皮膚発疹や低マグネシウム血症が主な副作用。
・ペムブロリズマブ:PD-L1発現陽性や高腫瘍変異負荷(TMB-H)の症例に有効。免疫関連副作用(肺炎、皮膚炎)に注意。
・ニボルマブ:プラチナ製剤抵抗性の再発性咽頭がんに適応。

●免疫チェックポイント阻害剤
・ペムブロリズマブ:PD-L1発現陽性やマイクロサテライト不安定性(MSI-H)の咽頭がんに有効。進行性症例での効果が期待される。
・ニボルマブ:化学療法抵抗性の進行性咽頭がんに使用される。

●放射線療法:局所進行がんや遠隔転移による症状(疼痛、呼吸困難)の緩和に使用。強度変調放射線療法(IMRT)や定位放射線療法(SBRT)が適用される場合がある。
●外科療法:ステージⅣでは腫瘍減量手術やリンパ節郭清が可能な場合に限定的に行われ、化学療法や放射線療法の効果を高める。遠隔転移巣の切除は症例に応じて検討。
●緩和ケア:嚥下困難、呼吸困難、疼痛への対応が重要。気管切開、栄養チューブ、疼痛管理によりQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の咽頭がんでは効果が限定的な場合があります。
そこで、標準治療以外の選択肢として注目されるのが光免疫療法です。

光免疫療法とは

光免疫療法は、光感受性物質(薬剤)を点滴で体内に投与した後、レーザー光をがん細胞に照射することで、がん細胞を選択的に破壊する治療法です。
この治療法は、正常細胞へのダメージを抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃するという特徴があります。
特にステージⅣの咽頭がんでは、局所進行がん、表在性転移巣、頸部リンパ節転移に対して適用可能な場合があります。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:光感受性を持つ薬剤を点滴投与します。EPR効果によって薬剤をがん細胞に集中的に届けます。
2.光照射:特定の波長のレーザーを体表面や内視鏡を用いて照射し、薬剤が集積したがん細胞を活性化。光により活性酸素が発生し、がん細胞を破壊。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。

光免疫療法の利点
●高い選択性:正常な咽頭組織や周辺組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:局所進行がんや頸部リンパ節転移に特に有効で、表在性の転移巣にも適用可能。
●QOLの向上:従来の化学療法や放射線療法に比べ、身体的負担が少ない。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ咽頭がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは咽頭がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

免疫チェックポイント阻害剤:ペムブロリズマブやニボルマブ単剤療法は、MSI-HやTMB-Hの患者様に有効。咽頭がんではHPV関連がんやPD-L1高発現症例で効果が期待される。
遺伝子療法:EGFRやPIK3CA変異を標的としたCAR-T細胞療法やオンコリティックウイルス療法が臨床試験で検討中。
サイトカイン療法:インターフェロン-αやインターロイキン-2(IL-2)は、免疫応答を高め、一部の進行性咽頭がんで検討される。
臨床試験:新たな分子標的薬(例:EGFR阻害剤、PI3K阻害剤)、がんワクチン、バイスペシフィック抗体などが臨床試験で有望視されている。ステージⅣの患者様にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

咽頭がんステージⅣは、遠隔転移または高度な局所浸潤を伴う進行性の疾患であり、喫煙、飲酒、HPV/EBV感染、遺伝的要素(TP53、EGFR変異など)がその発症に関与します。
標準治療(化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、放射線療法、外科療法、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に咽頭がんのがん細胞を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの咽頭がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
そして、光免疫療法は標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法でもあります。
咽頭がんは早期発見と適切な治療選択が重要なため、当院の光免疫療法を適用可能かどうかはお気軽にご相談ください。

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