膵体尾部がんとは
膵体尾部がんは、膵臓の体部および尾部に発生する腫瘍です。
膵臓は消化酵素とホルモンを分泌する重要な器官で、その体部と尾部は膵臓の後方に位置します。
このがんは進行が早く、発見が遅れがちな特徴があります。
発症率は全膵がんの中でも比較的低いものの、その予後は非常に不良です。
このがんの特性上、早期発見が難しく、多くの場合、進行がんとして診断されます。
原因とリスクファクター
膵体尾部がんの原因は完全には明らかになっていませんが、いくつかのリスクファクターが関連していると考えられています。
喫煙、慢性膵炎、遺伝的要素、肥満、糖尿病などがリスクを高める可能性があります。
これらの要因は膵臓の細胞に損傷を与え、がん化を促進することがあります。
加齢も膵がんのリスクを高める要因の一つです。
また、高脂肪・高糖質の食生活や運動不足も、リスクを増加させると考えられています。
症状と診断
膵体尾部がんの症状は非特異的で、初期段階では自覚症状が少ないことが一般的です。
黄疸、体重減少、腹痛、食欲不振などが挙げられます。
診断にはCTスキャン、MRI、内視鏡的超音波検査(EUS)などの画像検査や、組織の生検が用いられます。
血液検査により腫瘍マーカーのレベルも調べられ、診断の補助とされます。
症状が進行してからの診断となることが多いため、早期発見が非常に重要です。
治療方法
膵体尾部がんの治療には外科手術、化学療法、放射線療法などがあります。
外科手術は腫瘍が小さく、他の器官に広がっていない場合に適用されます。
化学療法や放射線療法は、腫瘍の進行を抑制または縮小させる目的で用いられます。
近年では、標的治療薬や免疫療法も膵がん治療に取り入れられつつあります。
治療の選択は、がんの進行度、患者様の全身状態、合併症の有無などに基づいて決定されます。
光免疫療法
光免疫療法は、光に反応する特定の薬剤を腫瘍に集積させ、光を照射することで腫瘍細胞を選択的に破壊する治療法です。
がん細胞を選択的に攻撃するため、正常細胞への影響が少なく、副作用が低減できる利点があります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
予後と生活の質
膵体尾部がんの予後はその進行度や治療反応により異なります。
早期発見と適切な治療が重要で、生存率の向上が期待されています。
患者様の生活の質を維持するためにも、緩和ケアやサポートシステムの活用が推奨されます。
痛み管理や栄養サポートなどの緩和ケアは、患者様の苦痛を軽減し、治療の効果を高めることができます。
患者様およびご家族への心理的サポートも、治療過程で重要な要素です。
【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。