光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、がん細胞に集まった薬剤へ近赤外線を照射することで、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。
薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を利用し、照射によって活性酸素を発生させることで、がん細胞を内側から攻撃することを目的としています。
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- 再発・転移があり、治療の選択肢を探している方
- 標準治療との併用を検討されている方
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- ご高齢などの理由で治療方針にお悩みの方
- 緩和ケアを勧められ、他の可能性も検討したい方
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肺がんの検査で「肝臓にも病変がある」と説明されると、病状がどこまで進んでいるのか、治療できるのかと不安になる方は少なくありません。肺がんが肝臓へ広がった状態を肝転移といい、原発性の肝がんとは治療の考え方が異なります。肝転移があっても症状がないことは多く、画像検査で初めて分かる場合があります。治療は肺がんの種類、遺伝子変化、肝臓以外への広がり、肝機能、全身状態などを総合して選びます。この記事では、肺がんの肝転移の特徴、症状と検査、薬物療法を中心とした治療、生活上の注意点を解説します。転移全体については、肺がんの転移と治療の考え方も参考にしてください。
肺がんの肝転移とは

肺がんが肝臓へ転移する仕組み
がん細胞の一部が肺の原発巣から離れ、血管やリンパ管へ入り、血流などを通じて別の臓器へ移動することがあります。移動した細胞が肝臓に定着して増殖したものが肝転移です。肝臓は全身から多くの血液が集まる臓器であるため、さまざまながんが転移する可能性があります。
転移は、生活上の行動によってがんが「こぼれた」ために起こるものではありません。肺がんと診断された時点ですでに見つかる場合もあれば、治療後の経過観察中に見つかる場合もあります。肝転移の数や大きさ、増える速さは患者さんごとに異なります。
原発性肝がんとの違い
原発性肝がんは肝臓の細胞から発生するがんです。一方、肺がんの肝転移を構成するのは肺がんの細胞であり、肝臓へ移動しても肺がんとして扱います。そのため、原発性肝がんに使われる治療をそのまま選ぶのではなく、非小細胞肺がんまたは小細胞肺がんの治療方針を基に考えます。
画像だけでは原発性肝がん、良性病変、別のがんの転移との区別が難しい場合があります。過去の画像との比較や追加検査を行い、必要に応じて肝病変から組織を採取します。診断が確定する前に「肝がん」と決め付けないことが大切です。
肝転移が見つかった場合のステージ
肺がんが肝臓へ転移している場合、TNM分類では遠隔転移に当たり、一般にステージ4と判断されます。肝臓だけに転移がある場合と、複数の臓器に転移がある場合では、遠隔転移の分類や治療の考え方が異なることがあります。
ステージ4は、治療が何もできないことを意味しません。薬物療法によってがんの進行を抑え、症状を和らげながら生活を続けられる場合があります。治療の見通しはステージだけでなく、肺がんの種類、遺伝子変化、治療への反応、全身状態などに左右されます。詳しくは、肺がんステージ4の治療選択肢をご覧ください。
肝転移が起こりやすい肺がん
非小細胞肺がん、小細胞肺がんのいずれも肝臓へ転移する可能性があります。小細胞肺がんは一般に増殖が速く、早い段階から遠隔転移を生じやすい特徴があります。ただし、組織型だけで個人の転移先や経過を予測することはできません。
肝転移の有無は症状だけでは判断できないため、診断時や治療中に胸部から腹部を含むCTなどで広がりを確認します。肝転移がないか心配だからと、定められた予定以外に頻繁な検査を行うことが常に有益とは限りません。検査間隔は病状と治療内容に応じて決めます。
肝転移が予後へ与える影響
肝転移は肺がんが全身へ広がっていることを示すため、一般に治療方針や予後へ影響します。ただし、統計上の生存期間は多くの患者さんの結果をまとめたもので、一人ひとりの経過を正確に予測する数字ではありません。
近年は遺伝子変化に対応する分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など、進行肺がんの治療選択肢が増えています。肝転移の数だけで判断せず、全身の病変量、肝機能、治療への反応、日常生活の状態を継続的に評価することが重要です。
肺がんの肝転移でみられる症状と検査

肝転移があっても症状がない場合
肝臓には機能の余力があり、小さな転移や数の少ない転移では自覚症状がないことが珍しくありません。肺がんの病期を決める検査や、治療効果を確認するCTで偶然見つかることがあります。症状がないから転移がないとは限らず、症状がない状態で見つかったから急に悪化するとも限りません。
一方、だるさや食欲低下は、肝転移以外にも肺がんそのもの、薬の副作用、感染症、貧血など多くの原因で起こります。新しい症状が現れた場合は自己判断せず、いつからどの程度続いているかを医療者へ伝えてください。
右上腹部の痛みや張り
肝転移が大きくなったり数が増えたりすると、右の肋骨の下に重い感じ、張り、鈍い痛みが出ることがあります。肝臓を包む膜が引き伸ばされることなどが原因です。背中や右肩に痛みを感じる場合もあります。
痛みの強さと転移の大きさは必ずしも一致しません。胆石、胃腸の病気、筋肉痛などでも似た症状が起こります。急に強い痛みが出た、冷や汗やめまいを伴う場合は、出血など緊急性のある状態も考えられるため、速やかに医療機関へ連絡します。
食欲不振や体重減少
肝転移が進行すると、食欲不振、吐き気、少量で満腹になる感じ、体重減少、強い疲労感がみられることがあります。しかし、薬物療法の副作用、便秘、口内炎、味覚変化、不安や気分の落ち込みなども食事量に影響します。
体重が減ってから無理に食べるのではなく、早めに医師、看護師、管理栄養士へ相談しましょう。食べやすい物を少量ずつ取る、症状を抑える薬を調整するなど、原因に応じた対応を考えます。特定の食品や健康食品だけで肝転移を治療することはできません。
黄疸や腹水がみられる場合
肝機能の低下や胆汁の通り道の圧迫が進むと、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、尿が濃くなる、便の色が薄くなる、皮膚がかゆくなるといった変化が起こることがあります。おなかに水がたまる腹水では、腹囲の増加、張り、息苦しさ、食べにくさがみられます。
黄疸や腹水は、肝転移以外にも薬剤性肝障害、胆管の閉塞、感染症、低栄養などで起こります。原因によって対応が異なるため、早めの検査が必要です。急な腹部膨満や息苦しさ、意識の変化があるときは、すぐに医療機関へ相談してください。
肝機能低下による体調変化
肝臓の働きが低下すると、むくみ、出血しやすさ、強い眠気、意識がぼんやりするなどの症状が現れる場合があります。ただし、肝転移があるだけで直ちに肝不全になるわけではありません。病変の広がりや元の肝臓の状態によって影響は異なります。
肝炎や脂肪肝、飲酒歴、過去の治療による肝障害がある場合は、治療前から肝機能を詳しく評価します。市販薬や健康食品でも肝障害を起こすことがあるため、使用している物を医療者へ伝えてください。
血液検査で確認する項目
血液検査では、AST、ALT、ALP、γ-GTP、ビリルビン、アルブミンなどを調べ、肝細胞の障害、胆汁の流れ、肝臓が作るタンパク質の状態を確認します。血小板や血液の固まりやすさ、腎機能なども治療選択に必要です。
数値が正常でも小さな肝転移を否定できず、異常があっても肝転移が原因とは限りません。腫瘍マーカーも単独で診断や効果判定をする検査ではありません。画像、症状、治療経過と合わせて判断します。
CT・MRI・PET検査の役割
造影CTは、肝転移の数、大きさ、分布、肝臓以外への広がりをまとめて確認する中心的な検査です。MRIは、小さな病変の確認や性質の評価、局所治療の計画に役立つことがあります。造影剤を使用できるかは腎機能やアレルギー歴などを踏まえて判断します。
PET-CTは、全身の病変を確認する目的で使われる場合がありますが、すべての病変が明瞭に写るとは限りません。超音波検査も肝臓の観察や生検の補助に用いられます。どの検査が必要かは、すでに得られている画像と治療目的によって異なります。
肝臓の病変が転移か判断しにくい場合
肝嚢胞や血管腫などの良性病変は比較的よくみられ、肺がん患者さんの肝病変がすべて転移とは限りません。過去の画像と比べて変化がない場合や、特徴的な画像所見がある場合は、経過観察で判断できることもあります。
診断によって治療方針が大きく変わるときは、超音波やCTで位置を確認しながら針を刺して組織を採取する肝生検を検討します。出血や感染などの危険もあるため、画像だけで十分に判断できる場合には行わないことがあります。
肺がんの肝転移に対する治療

薬物療法を中心に検討する理由
肝転移がある肺がんでは、画像に見える肝病変だけでなく、全身に存在する可能性があるがん細胞を治療する必要があります。そのため、ステージ4では薬物療法が治療の中心です。肝転移だけを取り除いても、ほかの場所の病変を制御できなければ病気全体への効果は限られます。
治療の目的は、がんを小さくする、進行を遅らせる、症状を和らげる、生活の質を保つことなどです。治療前に「何を目指す治療か」「効果はどの検査で確認するか」「副作用が強い場合にどう変更するか」を確認します。
肺がんの種類や遺伝子変化に応じた薬物療法
非小細胞肺がんでは、EGFR、ALK、ROS1、BRAF、MET、RET、NTRK、KRAS、HER2など、治療選択につながる遺伝子変化を調べます。対応する変化が見つかれば、分子標的薬が候補になります。検査できる遺伝子や承認薬は更新されるため、検査結果を具体的に確認しましょう。
小細胞肺がんでは、進展型の場合、細胞障害性抗がん薬と免疫チェックポイント阻害薬の併用などを全身状態に応じて検討します。肝転移があることだけで薬を決めるのではなく、組織型、過去の治療、臓器機能、併存症を踏まえます。
免疫チェックポイント阻害薬
免疫チェックポイント阻害薬は、がんが免疫の攻撃から逃れる仕組みを抑える薬です。非小細胞肺がんではPD-L1の発現、遺伝子変化、組織型、全身状態などを基に、単独または抗がん薬との併用を検討します。小細胞肺がんでも一部の治療で用いられます。
免疫が正常な臓器を攻撃する副作用が起こる可能性があり、肺、肝臓、腸、甲状腺などに炎症を生じることがあります。肝機能の数値が悪化した場合、肝転移の進行だけでなく免疫関連副作用やほかの薬の影響も調べます。自己判断で治療を中断せず、早めに連絡してください。
抗がん剤治療
細胞障害性抗がん薬は、分裂が活発ながん細胞の増殖を抑えます。組織型や全身状態に合わせ、プラチナ製剤を含む複数薬の併用、単剤治療、免疫チェックポイント阻害薬との併用などを選びます。初回治療後に病気が進行した場合も、これまでの効果と副作用を基に次の治療を検討します。
主な副作用には、血球減少、感染症、吐き気、食欲低下、疲労、しびれなどがあります。肝機能が低下していると、薬の種類や量を調整する場合があります。具体的な流れは、肺がんに対する抗がん剤治療も参考にしてください。
限られた肝転移に対する局所治療
転移が少数に限られ、肺の原発巣やほかの病変が制御されている状態は、オリゴ転移と呼ばれることがあります。一部の患者さんでは、全身治療に加えて肝転移への局所治療を検討する場合があります。ただし、「数が少ないから必ず局所治療がよい」とは限りません。
病変の個数と大きさ、肝臓内の位置、ほかの転移、薬物療法への反応、再発までの期間、全身状態を、多職種のカンファレンスなどで評価します。肺がんの肝転移に対する局所治療の根拠は、大腸がんの肝転移ほど確立していない点にも注意が必要です。
手術が検討される場合
肺がんの肝転移に対する肝切除は一般的な標準治療ではありません。肝臓以外に病変がなく、原発巣が制御され、転移を安全に切除でき、手術に耐えられるなど、非常に限られた条件で検討されることがあります。
切除できる技術的条件だけでなく、手術によって病気全体を長く制御できる見込みがあるかが重要です。手術を提案された場合は、薬物療法のみとの比較、再発の可能性、残せる肝臓の量、合併症、術後治療を確認します。
放射線治療や焼灼療法の位置づけ
定位放射線治療は、病変へ放射線を集中させる方法です。ラジオ波焼灼療法やマイクロ波凝固療法は、針を病変へ入れて熱で治療します。いずれも、病変の数、大きさ、血管や胆管との位置関係、正常な肝臓への影響によって実施できるかが変わります。
これらは肺がんの肝転移に一律に行う標準治療ではなく、全身治療を補う局所治療として個別に検討されます。局所の制御が期待できても、全身の再発を防げるとは限りません。治療後も画像検査と薬物療法を含む全身管理が必要です。
肝機能や全身状態を踏まえた治療選択
治療を選ぶ際は、肝転移の状態だけでなく、肝機能、腎機能、呼吸機能、持病、日常生活をどの程度自分で行えるかを確認します。利益より副作用の負担が大きいと考えられる場合は、薬の量や組み合わせを変える、治療を休む、症状緩和を中心にする選択もあります。
年齢だけで治療の可否は決まりません。本人が大切にしたい生活、通院の負担、家族の支援も含めて相談します。治療しない選択を含め、どの方針でも苦痛を和らげる医療は続けられます。
肺がんの肝転移と向き合うために確認したいこと

治療効果を確認する方法
薬物療法の開始後は、症状、診察、血液検査、CTなどを組み合わせて効果と副作用を確認します。画像では、肝転移だけでなく肺の原発巣、リンパ節、ほかの転移も同じ時期に評価します。腫瘍マーカーの変化だけで治療の継続や中止を決めるわけではありません。
画像上の大きさが変わらなくても、増大を抑えられていることが治療効果になる場合があります。反対に、一部の病変だけが大きくなることもあります。何をもって効果ありと判断するか、次の画像検査はいつかを確認しましょう。
肝機能を守るために気を付けたいこと
飲酒は肝臓へ負担をかけ、治療薬との相互作用が問題になることがあります。飲んでよい量を主治医へ確認してください。市販の鎮痛薬、漢方薬、サプリメント、健康食品も、肝障害や薬との相互作用を起こす可能性があります。
「肝臓によい」と宣伝される物を自己判断で始めず、商品名と成分を医療者へ伝えます。食事は厳しい制限を一律に行うのではなく、肝機能、腹水、食欲、体重変化に応じて管理栄養士と調整しましょう。
症状を和らげる緩和ケア
緩和ケアは終末期だけの医療ではなく、診断時から抗がん治療と並行して受けられます。痛み、吐き気、食欲不振、だるさ、腹部の張り、息苦しさ、不眠、不安などを評価し、薬や生活上の工夫で負担を減らします。
腹水が強い場合は、原因を調べたうえで利尿薬や排液などを検討することがあります。黄疸の原因が胆管の狭窄であれば、胆汁の流れを確保する処置が候補になる場合もあります。症状を我慢せず、早い段階で相談することが治療継続にもつながります。
急いで医療機関へ相談したい症状
急に強くなる腹痛、吐血や黒い便、意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が悪い、急な息苦しさ、38度以上の発熱、強い悪寒がある場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。皮膚や白目が急に黄色くなった、尿量が減った、腹部が急に張った場合も早めの相談が必要です。
薬物療法中の発熱は、白血球減少に伴う重い感染症の可能性があります。夜間や休日の連絡先、救急受診の基準を治療開始前に確認しておきます。症状が強い場合は、自分で運転せず救急要請も検討してください。
主治医へ確認したい質問
「肝臓の病変は肺がんの転移で確定しているか」「肝臓以外にも転移があるか」「組織型と遺伝子検査、PD-L1の結果は何か」「提案された治療の目的と選んだ理由は何か」を確認します。効果が得られなかった場合の次の選択肢も聞いておくと、見通しを持ちやすくなります。
局所治療を希望する場合は、自分が対象になる根拠、全身治療との順番、期待できる利益、再発の可能性、合併症を質問します。説明を録音したい場合は事前に許可を取り、家族や信頼できる人と一緒に聞く方法もあります。
セカンドオピニオンを検討する場合
治療方針に迷う、局所治療の適応を詳しく知りたい、臨床試験を探したい場合は、肺がんを専門とする医師のセカンドオピニオンを利用できます。転院を前提とするものではなく、現在の検査結果と治療案について別の意見を聞く場です。
主治医に紹介状、病理結果、画像データ、血液検査、遺伝子検査、治療歴を準備してもらいます。受診を待つ間に病状が進む可能性もあるため、標準治療をいつまで待てるかを主治医と確認してください。
肺がんの肝転移についてのまとめ
- 肺がんの肝転移は、肺がん細胞が肝臓へ移動して増えたもので、原発性肝がんとは異なります。
- 肝転移がある場合は一般にステージ4ですが、薬物療法などの治療を検討できます。
- 初期には症状がないことが多く、CTなどの画像検査で見つかる場合があります。
- 右上腹部の痛み、食欲低下、黄疸、腹水などが現れた場合は原因を調べる必要があります。
- 治療は肺がんの組織型、遺伝子変化、PD-L1、全身の広がり、肝機能、全身状態を基に選びます。
- ステージ4では全身へ作用する薬物療法が中心となります。
- 手術、放射線治療、焼灼療法は、転移が限られるなど一部の状況で個別に検討されます。
- 緩和ケアは抗がん治療と並行して受けられ、症状や不安を早く相談することが大切です。
肺がんの肝転移は、病変の数だけでは治療方針を決められません。肺がんそのものの性質と全身の状態を整理し、全身治療と局所治療の利益と負担を比較する必要があります。分からない点を質問として書き出し、主治医や必要に応じて別の専門医と相談しながら、納得できる方針を選びましょう。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。



