ステージⅡ乳がんの包括的解説「症状、治療法、予後まで」

乳がんのステージ分類について

乳がんは、腫瘍の大きさ(T)、リンパ節への転移の有無(N)、遠隔転移の有無(M)という3つの要素を基に、0期~Ⅳ期までに分類されます。
この分類方法をTNM分類と呼び、乳がんのステージⅡについては、ⅡA期とⅡB期に細分化されます。
乳がんの治療方法は、ステージ、ホルモン受容体の有無、HER2タンパクの状態、患者様健康状態などによって、複数の治療法を組み合わせることが検討されます。
以下に、ステージ毎の定義や治療法などを解説します。

ステージⅡAの定義

がんの大きさ

①腫瘍の大きさが2~5cm以下
②腫瘍の大きさが2cm以下

腋窩リンパ節への転移

①腋窩リンパ節への転移無し
②腋窩リンパ節への転移有り

他の臓器への遠隔転移

①他の臓器への転移無し
②他の臓器への転移無し

ステージⅡB

がんの大きさ

①腫瘍の大きさが5cm以上
②腫瘍の大きさが2~5cm以下

腋窩リンパ節への転移

①腋窩リンパ節への転移無し
②腋窩リンパ節への転移有り

他の臓器への遠隔転移

①他の臓器への転移無し
②他の臓器への転移無し

症状

乳がんのステージⅡでは、ⅡA期とⅡB期で現れる症状に大きな違いがありません。
2cmを超える腫瘍(しこり)は、自己検診でも発見できるため、定期的なチェックが重要となります。

しこりや硬さ

乳房内に発生するしこりは、 乳がんの初期症状として最も一般的なものであり、2cm以上に成長すると触診や自己検診で感じることができます。
乳がんのしこりは、根を張ったように固く動かないもので、通常痛みは伴いません。

皮膚の変化

乳頭や乳房ががただれたり、湿疹ができたら乳がんの可能性があります。
また、皮膚が赤くなったり、潰瘍が出来た場合も乳がんの疑いがあります。

乳頭からの分泌物

乳頭から血が混じった分泌物や、粘り気のあるものが分泌された場合は乳がんの可能性があります。

乳房の形状の変化

乳がんが進行すると、乳房の大きさが左右で非対称になったり、乳房にくぼみできることがあります。
また、いつもと違う形の乳房に変形した場合も注意が必要です。

乳がんの診断

乳房の検査

視診・触診

医師がしこりの有無や乳房の変形や分泌物の異常などを視診と触診で確認します。
これだけで確定診断はされず、必ずマンモグラフィーと併せて行わます。

マンモグラフィー

乳がんのスクリーニングや診断に広く使用されるX線撮影法で、乳房内の異常やしこりを検出します。
石灰化を発見するのにも有効な検査であり、40歳以上の女性は定期的に受けることが推奨されています。

超音波検査(エコー検査)

マンモグラフィの結果を補完し、特にしこりの性状やがんの性質を詳細に評価するために行われます。
若い女性などの乳腺密度が高い人に対して特に有効な検査となります。

MRI(磁気共鳴画像法)

乳がんの進行度をより詳細に評価するために使用される画像診断法の一つです。
特に乳がんの大きな腫瘍やリンパ節の状態を把握するのに有用です。

細胞診・組織診

穿刺吸引細胞診

穿刺吸引細胞診は細胞診の一つで、乳房に直接細い針を刺して、注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で観察します。
患者様への体の負担が少ないですが、診断の確定が難しいことがあります。

針生検(組織診)

針生検では組織診の一つであり、細胞診よりも太い針を乳房に刺し、その中に組織を入れて採取します。
細胞診と比べてより正確な診断が可能となります。

リンパ節の状態の確認

センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節生検は、腋窩リンパ節への転移の有無をより正確に診断できます。
腋窩リンパ節への転移が認められない場合、必要のない腋窩リンパ節郭清(リンパ節手術)を省略することができます。

治療法

手術

乳房温存術

がんが小さく局所的である場合、乳房の一部を切除し、乳がん組織とその周りを取り除きつつ、残りの乳房を保存する手術です。
乳がんの大きさや位置、患者の希望により適応されます。
乳房温存術後は、再発リスクを抑えるために放射線療法も必ず行います。

乳房切除術

乳がんを含む乳房全体を摘出する手術で、乳頭や乳輪も一緒に取り除かれます。
乳がんが広範囲に及んでいる場合や再発リスクが高い場合に選択されることがあります。

腋窩リンパ節郭清

腋窩リンパ節郭清は、リンパ節を脂肪を含めて切除する手術となります。
目的としては、腋窩リンパ節への転移の有無やその転移個数を調べるという診断、乳がんの再発を防ぐという治療が挙げられます。

放射線療法

乳房放射線療法

乳房温存術後は、残存しているかもしれないがん細胞を排除し、再発リスクを減少させるために乳房全体または一部に放射線を照射します。
乳房切除術後でも、再発リスクがあると判断された場合には行うこともあります。
外部線源からの放射線を用い、通常は毎日数週間にわたって行われます。
しこりが大きい場合、小さくするために手術前に放射線療法を行うこともあります。

リンパ節領域の放射線療法

腋窩リンパ節に転移が認められる場合、鎖骨上窩(リンパ節領域)にも放射線を照射してがん細胞を排除することが推奨されます。

化学療法

手術前の化学療法

がんのサイズを縮小し、手術の適応範囲を拡げたり、手術後の再発リスクを低減させるために、手術前に化学療法が行われることがあります。

手術後の化学療法

手術後に残存したがん細胞を排除し、再発を予防するために行われます。
抗がん薬(アンスラサイクリン系抗がん剤など)が投与されます。

ホルモン療法

ホルモン陽性の乳がん

目的: ホルモン受容体陽性の場合、ホルモン療法が考慮され、エストロゲンの量を減らすことでがんの成長を抑制します。
薬物: タモキシフェン、アナストロゾール、レトロゾールなどの薬物が使用される。

光免疫療法

光免疫療法は、がん細胞に選択的に集積させた後、特定の光を照射する事によって、がん細胞を攻撃します。
がん細胞を選択的に攻撃するため、正常細胞への影響が少なく、副作用が低減できる利点があります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。

予後

一般的な予後: ステージⅡの乳がんは一般的に良好な予後が期待されます。5年生存率は90%以上とされており、完治を目指せる病気です。
治療の効果: 手術や放射線療法、化学療法、ホルモン療法の効果によって予後が大きく左右されますが、初期段階であれば良好な予後となることがほとんどです。
ステージやその他の情報によって治療計画が立てられ、専門の医療チームが患者に最適なケアを提供します。
患者は医師とのコミュニケーションを重視し、治療の進捗と副作用について正確な情報を得ることが重要です。

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