前立腺がんの治療法をステージ別に解説|光免疫療法など現代医療も紹介

前立腺がんとは

前立腺がんは、男性の前立腺に発生する悪性腫瘍で、高齢になるほど発症率が高まる傾向があります。
PSA(前立腺特異抗原)検査の普及により、早い段階で見つかるケースも増えています。
進行の速度がゆるやかなことも多く、患者様お一人おひとりの年齢や体力、ご希望に合わせた治療方針が大切です。

ステージ別の治療方針

ステージ1・2:前立腺内にとどまる早期がん

この段階ではがんが前立腺の中にとどまっており、自覚症状がなく、検査で偶然見つかることもあります。
治療による負担と効果をよく比較しながら、将来を見据えた選択が行われます。

治療法 内容
経過観察 がんの進行が緩やかでリスクが低い場合、積極的な治療を行わず、定期的な検査で様子を見ます。
前立腺全摘除術 がんの根治を目指して前立腺を摘出します。ロボット支援による手術も行われています。
放射線療法 外部から照射する方法や、小さな放射性物質を前立腺に埋め込む方法があります。

ステージ3:周囲に広がる局所進行がん

がんが前立腺の外側に広がり、精嚢など周囲の組織に及ぶ段階です。
局所での制御とともに、全身への広がりを抑える治療が必要になります。

治療法 内容
放射線療法+ホルモン療法 放射線でがんの進行を抑えながら、ホルモン療法で男性ホルモンの影響を抑えていきます。
前立腺全摘除術 一部の条件下では、手術による摘出が検討されることもあります。

ステージ4:他の部位に転移したがん

骨やリンパ節などに転移が見られる状態であり、がんを完全に取り除くことは難しい段階です。
この場合は、進行を抑えながら生活の質を保つことを重視した治療が中心になります。

治療法 内容
ホルモン療法 男性ホルモンの働きを抑えて、がんの進行を抑えることを目指します。
化学療法 ホルモン療法が効かなくなった場合に、抗がん剤による治療が検討されます。
緩和的放射線 転移による痛みや麻痺などの症状をやわらげるために放射線を照射します。

治療が限られてきたと感じた方へ ― 光免疫療法という選択

光免疫療法は、がん細胞に集まりやすい薬剤を投与し、そこに特定の波長の光を当てることで、がん細胞だけを選んで攻撃する新しい治療法です。
正常な細胞をできるだけ傷つけず、がん細胞のみを破壊する点が大きな特長です。
前立腺がんにおいては、体内で光が到達可能な局所病変や、他の治療が難しい部位への転移などに対し、身体への負担が少ない治療選択肢として検討されることがあります。
「もう治療の選択肢が少ない」と感じている方にも、光免疫療法が新たな可能性になるかもしれません。
当院で行っている光免疫療法について、詳しくはこちらをご覧ください。

治療を選ぶ際に大切なこと

前立腺がんの治療は、単に病期だけで決まるものではありません。
患者様の年齢、体力、生活の質、そして「どう生きたいか」というお気持ちも含めて、治療方針を考えることが重要です。

判断のポイント 内容
年齢・体力 高齢の方や持病がある方は、負担の少ない治療が選ばれることもあります。
生活の質(QOL) 排尿や性機能など、日常生活への影響についても丁寧に考慮する必要があります。
副作用への備え 治療によって起こりうる副作用と、それに対する対策をあらかじめ知っておくことが大切です。
患者様のご希望 「根治を目指すのか」「進行を抑えるのか」など、ご本人の思いが何より大切にされます。

まとめ

前立腺がんは比較的進行が穏やかながんではありますが、だからこそ「どのように治療するか」が人生に大きく関わってきます。
病期に応じた治療を基本としながらも、患者様一人ひとりの思いに寄り添った選択が求められます。
特に再発や進行がんの場合、「他に方法はないのか」と感じることもあるかもしれません。
そんなときに、身体的負担の少ない光免疫療法など、新たな治療選択肢があることを知っていただければと思います。
ぜひ、信頼できる医師とよく相談しながら、自分らしい治療法を一緒に見つけていきましょう。

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