胆管がん(ステージ4)リンパ節転移の概要
胆管がんは、胆汁の通り道である胆管に発生する悪性腫瘍です。
発症部位には肝内胆管、肝門部、遠位胆管などがあり、それぞれに治療方針が異なる場合があります。
ステージ4は、がんが遠隔の臓器やリンパ節へ広がっている状態を指します。
特にリンパ節転移がある場合、全身への拡がりがあると考えられるため、治療方針の検討が複雑になることがあります。
リンパ節転移の特徴と影響
胆管がんがリンパ節に転移すると、局所の制御が難しくなり、他の部位への再発や進行のリスクも考慮する必要が出てきます。
胆管周辺の肝門部リンパ節や腹部大動脈周囲のリンパ節に転移がみられることがあります。
転移が確認された場合は、治療の目的が根治から延命や生活の質の維持に変わることがあります。
そのため、患者様の全身状態やご希望を踏まえたうえで、多職種による治療方針の検討が大切です。
治療選択肢とその概要
胆管がんステージ4でリンパ節転移がある場合には、手術ではなく薬物療法や症状緩和を中心とした治療が行われることがあります。
以下に代表的な治療法を整理いたします。
治療法 | 概要 |
---|---|
化学療法 | がんの進行を抑えることを目的として行われます。 ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法が使用されることが多くあります。 |
放射線療法 | リンパ節や局所への照射が検討されることがあります。 周囲臓器への影響もあるため、慎重な適応判断が求められます。 |
支持療法 | 胆道閉塞や黄疸などの症状を緩和するため、ステント挿入やドレナージなどの処置が行われることがあります。 全身状態を安定させる目的があります。 |
緩和ケア | 身体的苦痛や精神的な不安を軽減するために行われます。 ご本人とご家族の希望を尊重しながら、生活の質の向上を目指します。 |
選択肢としての光免疫療法
標準治療が難しい場合の一部において、光免疫療法という手段が検討出来る可能性があります。
この治療法は、がん細胞に集積する光感受性物質に、近赤外線を照射することでがん細胞を選択的に破壊することを目指すものです。
副作用が比較的少ないとされ、局所への影響も限定的になる可能性があります。
以下より当院の光免疫療法に関する詳細をご確認頂けます。
まとめ
胆管がんステージ4でリンパ節転移がある場合は、標準的な外科治療が難しいことが多く、全身療法が中心となります。
化学療法や症状を緩和する支持療法、緩和ケアなど、患者様の状態や希望に応じた治療が検討されます。
一部のケースでは光免疫療法など、治療の選択肢が紹介されることもありますが、専門施設での十分な相談が必要です。
治療を進めるうえでは、ご本人とご家族が納得できる選択がなされるよう、丁寧な情報提供とサポートが求められます。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。