1. 大腸がんのステージ4とは
大腸がんは、がん細胞が腸の粘膜に発生し、進行するにつれて周囲の組織や遠隔臓器へと広がっていきます。
がんの進行度合いはステージ（病期）で分類され、ステージ4は最も進行した状態を指します。
この段階では、大腸以外の臓器や骨などに転移が認められ、根治が難しい状況となります。
2. 骨転移の特徴と症状
骨転移とは、大腸がんのがん細胞が血流やリンパを通じて骨に到達し、増殖する状態です。
大腸がんでは肝臓や肺への転移が多くみられますが、進行すると骨への転移も発生することがあります。
骨転移が起こると、以下のような症状が現れることがあります：
| 症状 | 説明 |
|---|---|
| 骨の痛み | 特に腰や背中に痛みが生じることが多い。 |
| 骨折しやすくなる（病的骨折） | 骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなる。 |
| 運動機能の低下 | 骨の損傷により歩行困難や筋力低下が起こる。 |
| 高カルシウム血症 | 倦怠感、食欲低下、意識障害などの症状が現れる。 |
| 神経症状 | 脊髄に転移すると、手足のしびれや麻痺が生じる。 |
これらの症状はQOL（生活の質）を大きく損なうため、適切な管理が重要になります。
3. 骨転移の診断方法
骨転移の診断には、以下の検査が用いられます：
| 診断方法 | 説明 |
|---|---|
| 骨シンチグラフィ | 骨への転移を早期に発見できる核医学検査。 |
| CT・MRI | 転移の詳細な位置や影響を確認するための画像検査。 |
| PET-CT | がん細胞の活動性を把握し、転移の有無を評価。 |
| 血液検査 | 腫瘍マーカー、ALP・カルシウム値を測定し、骨転移の可能性を評価。 |
これらの検査を組み合わせることで、骨転移の有無や進行度を評価します。
4. 骨転移に対する標準的な治療法
大腸がんが骨に転移した場合、完治を目指すのは困難ですが、痛みの緩和や生活の質の維持を目的とした治療が行われます。
| 治療方法 | 説明 |
|---|---|
| 薬物療法 |
化学療法（抗がん剤）：FOLFOX（フルオロウラシル＋オキサリプラチン）、FOLFIRI（フルオロウラシル＋イリノテカン）などのレジメンが使われることがあります。ただし、骨転移に対する直接的な効果は限定的です。 分子標的薬：ベバシズマブ（アバスチン）、セツキシマブ（アービタックス）などが使用されることがあります。 骨吸収抑制薬：ゾレドロン酸（ゾメタ）、デノスマブ（ランマーク）といった薬剤は、骨の破壊を抑え、痛みを軽減する目的で使用されます。 |
| 放射線療法 | 局所的な骨転移がある場合、放射線治療を行うことで痛みを和らげたり、骨折のリスクを低減したりすることが可能です。 |
| 整形外科的治療 | 骨折のリスクが高い場合や、脊髄圧迫症候群が発生している場合は、手術（骨セメント充填術など）が検討されます。 |
| 緩和ケア | 疼痛管理（オピオイド系鎮痛薬の使用など）や、生活の質を保つためのリハビリテーションが重要になります。 |
光免疫療法の選択肢
光免疫療法は、がん治療の選択肢としてなり得る治療法の一つです。
大腸がんの骨転移に対して標準治療が難しい場合、補助的な治療として考えられます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 光免疫療法の仕組み | 光免疫療法は、がん細胞に選択的に集積する光感受性物質（薬剤）を投与し、その後、特定の波長の光を照射することで、がん細胞を破壊する治療法です。正常な細胞への影響が少なく、比較的副作用が少ないことが特徴とされています。 |
| 骨転移への応用 | 骨転移がある場合、直接光を照射することが難しいケースもありますが、近赤外光を用いた治療や、腫瘍部位への適応を工夫することで、治療の可能性が広がります。 |
| メリット |
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| 注意点 |
|
| 医療機関への相談 | 光免疫療法に関して詳しく知りたい方は、医療機関に相談することをおすすめします。 |
まとめ
大腸がん（ステージ4）の骨転移は、痛みや骨折リスクを伴うため、早期の診断と適切な治療が必要です。
標準治療には化学療法、放射線治療、骨吸収抑制薬、手術などがありますが、症状や病状によって適した治療法を選択することが重要です。
光免疫療法は、標準治療が難しい場合に選択肢の一つとなる可能性がありますが、適応を慎重に検討する必要があります。
治療の選択については、専門医と十分に相談し、患者の状態に合わせた最適な治療を選ぶことが重要です。
【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。
