光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、がん細胞に集まった薬剤へ近赤外線を照射することで、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。
薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を利用し、照射によって活性酸素を発生させることで、がん細胞を内側から攻撃することを目的としています。
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大腸がんの検査で「リンパ節への転移が疑われる」と説明されると、ステージ4ではないか、手術では治せないのではないかと不安になる方もいるでしょう。しかし、原発巣の近くにある所属リンパ節への転移は主にステージ3に関係し、離れた遠隔リンパ節への転移とは意味が異なります。また、画像検査でリンパ節が大きく見えても、炎症による腫れのことがあり、最終的には手術後の病理検査で転移が確定する場合もあります。本記事では、大腸がんのリンパ節転移の特徴、症状と検査、治療選択肢、相談時に確認したいポイントを解説します。関連する情報として、ステージ4や骨転移もあわせて確認してください。
大腸がんのリンパ節転移とは

リンパ節の役割
リンパ節は、全身に張り巡らされたリンパ管の途中にある小さな器官です。リンパ液に含まれる細菌や異物を捉え、免疫反応に関わります。大腸の周囲にも多くのリンパ節があり、腸管を栄養する血管に沿って分布しています。感染や炎症でも腫れるため、リンパ節が大きいことだけでがんの転移とは断定できません。
大腸がんがリンパ節へ転移する仕組み
大腸がんが腸壁の深い層へ広がると、がん細胞が細いリンパ管に入り、リンパ液の流れに乗って近くのリンパ節へ到達することがあります。さらに進むと、より離れたリンパ節へ広がる可能性があります。ただし、腫瘍の深さとリンパ節転移は完全には一致せず、比較的浅いがんでも病理学的な特徴によって転移リスクが生じます。
所属リンパ節転移と遠隔リンパ節転移の違い
大腸がんの原発巣から一定の範囲にあり、標準手術で郭清対象となるリンパ節を所属リンパ節と呼びます。一方、傍大動脈リンパ節や鎖骨上リンパ節など、原発巣から離れたリンパ節は遠隔リンパ節として扱われる場合があります。どちらに該当するかは原発部位によって異なり、治療方針とステージに大きく関係します。
リンパ節転移があっても必ずステージ4とは限らない
所属リンパ節への転移があり、肝臓や肺などへの遠隔転移がない大腸がんは、一般にステージ3に分類されます。遠隔リンパ節への転移は遠隔転移としてステージ4に分類されます。そのため、「リンパ節転移あり」という言葉だけではステージを判断できません。転移が疑われるリンパ節の名称と位置を確認することが重要です。
リンパ節転移の個数とステージの関係
所属リンパ節転移は、転移した個数や腫瘍のまとまりなどによってNカテゴリーが分けられ、原発巣の深さを表すTカテゴリーと組み合わせてステージ3の中でも細かく分類されます。画像で見える個数ではなく、手術で切除されたリンパ節を病理医が顕微鏡で調べた結果が基本です。個数は再発リスクや術後治療の検討材料になります。
結腸がんと直腸がんで転移範囲が異なる
結腸と直腸では、リンパ液が流れる方向や手術で郭清する範囲が異なります。結腸がんでは腫瘍を栄養する血管に沿ったリンパ節を、直腸がんでは直腸間膜内のリンパ節などを原発巣とともに切除します。原発部位によって同じ位置のリンパ節でも扱いが変わるため、個別の解剖に基づく判断が必要です。
直腸がんの側方リンパ節転移とは
下部直腸のリンパ流は、腸管に沿う方向だけでなく、骨盤の左右へ向かう経路があります。この領域のリンパ節を側方リンパ節と呼びます。腫瘍の位置や深さ、画像所見などに応じて側方リンパ節郭清が検討されます。排尿機能や性機能に関わる神経が近いため、治療効果と合併症の両面を確認します。
大腸がんのリンパ節転移でみられる症状と検査

リンパ節転移だけでは症状がないことも多い
原発巣の近くにある小さなリンパ節転移は、それ自体で症状を起こさないことが多く、CTやMRI、手術後の病理検査で見つかります。血便、便通の変化、腹痛などがある場合も、多くは大腸の原発巣による症状です。症状がないからリンパ節転移がないとは判断できません。
腹部や骨盤内のリンパ節が大きくなった場合
腹部や骨盤内のリンパ節が大きくなると、周囲の腸管、尿管、血管、神経などを圧迫することがあります。腹部の張り、便通障害、尿の流れの障害などが現れる場合がありますが、ある程度大きくなるまで症状が出ないこともあります。症状の原因は画像検査と診察で確認します。
首や鎖骨周辺のリンパ節が腫れる場合
まれに大腸がんが首や鎖骨上のリンパ節へ転移し、しこりとして触れることがあります。痛みがない場合もありますが、感染症や別のがん、血液の病気などでもリンパ節は腫れます。数週間続く、徐々に大きくなる、硬く動きにくいなどの変化があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。
腹痛・腰痛・足のむくみが現れる場合
後腹膜や骨盤内のリンパ節が大きくなり、神経や血管、リンパ管を圧迫すると、腹痛、腰痛、下肢のむくみなどが現れることがあります。片脚だけ急に腫れる、痛む、息苦しさがある場合は血栓症の可能性もあり、速やかな評価が必要です。鎮痛やむくみへの対処と同時に原因を調べます。
CT検査・MRI検査による評価
CT検査では、リンパ節の大きさ、形、分布とともに、原発巣や肝臓・肺などへの転移を確認します。直腸がんではMRI検査が、直腸壁への広がりや骨盤内リンパ節、周囲臓器との関係を詳しく評価するために役立ちます。画像上の大きさだけでは小さな転移を見逃したり、炎症性の腫れを転移と疑ったりする限界があります。
PET検査が検討される場合
PET検査は、糖代謝が活発な部位を全身的に調べる検査で、再発部位の確認や手術適応の検討など、必要な場合に追加されます。小さな病変や活動性の低い病変は映らないことがあり、炎症でも集積します。すべての患者に必須の検査ではなく、CTやMRIを置き換えるものでもありません。
画像だけでは転移を断定できない
リンパ節が大きくても炎症による反応のことがあり、反対に小さくてもがん細胞が含まれることがあります。そのため、画像診断では「転移の疑い」として臨床ステージを決め、手術可能な場合は病理検査で確定します。遠隔リンパ節だけが腫れており診断によって治療が変わる場合には、針生検などを検討することがあります。
手術後の病理検査で確定する場合
手術で原発巣とともに切除したリンパ節を薄く切り、顕微鏡でがん細胞の有無を調べます。調べたリンパ節の総数、転移陽性数、切除断端、脈管侵襲などをまとめて病理ステージを決定します。術前の画像で転移なしと考えられていても、病理検査で微小な転移が見つかることがあります。
血液検査と腫瘍マーカー
CEAやCA19-9などの腫瘍マーカーは、治療前後の変化や再発を調べる参考になります。しかし、リンパ節転移があっても正常なことがあり、炎症や喫煙などで上昇する場合もあります。血液検査だけでは転移の場所や確定診断はできないため、画像検査、病理検査、症状と合わせて評価します。
大腸がんのリンパ節転移に対する治療

治療方針を決めるために確認すること
治療方針は、原発巣の位置と深さ、所属または遠隔リンパ節か、転移の範囲、肝臓や肺などへの転移、切除可能性、遺伝子・バイオマーカー、全身状態を踏まえて決めます。所属リンパ節転移を伴う切除可能大腸がんと、遠隔リンパ節再発では治療目的が異なるため、まず病気の広がりを正確に整理します。
所属リンパ節を切除するリンパ節郭清
リンパ節転移が疑われる切除可能な大腸がんでは、原発巣を含む腸管と、その領域のリンパ節をひとまとまりに切除するリンパ節郭清を行います。目に見える腫れたリンパ節だけを取るのではなく、リンパ流と血管の走行に沿った範囲を系統的に切除します。郭清範囲は腫瘍の深さや位置に応じて決まります。
内視鏡治療後に追加手術が必要となる場合
早期大腸がんを内視鏡で切除した後、病理検査で深い粘膜下層浸潤、脈管侵襲、特定の組織型、簇出などリンパ節転移リスクが確認されると、リンパ節郭清を伴う追加手術が検討されます。追加手術を行うかは、転移リスクだけでなく、年齢、持病、手術リスク、本人の希望も踏まえて相談します。
ステージ3で行われる術後補助化学療法
リンパ節転移を伴うステージ3大腸がんでは、手術後に残っている可能性のある微小ながん細胞を抑え、再発リスクを下げる目的で補助化学療法を行うことが一般的です。薬の組み合わせや期間は再発リスク、年齢、腎機能、神経障害などを考慮して選びます。期待できる利益と副作用を確認しましょう。
直腸がんの側方リンパ節郭清
下部直腸がんで側方リンパ節転移のリスクがある場合、直腸間膜の切除に加えて側方リンパ節郭清が検討されます。施設や病状により、術前の化学放射線療法などを組み合わせることもあります。骨盤内の自律神経を温存する工夫が行われますが、排尿障害や性機能障害などの可能性を事前に確認します。
放射線治療が検討される場合
直腸がんの骨盤内リンパ節や、手術が難しい限局したリンパ節再発に対し、放射線治療が検討されることがあります。治療目的は根治、再発リスク低減、痛みなどの症状緩和で異なります。過去に同じ部位へ放射線を照射している場合や、腸管など重要臓器が近い場合は、照射可能性を慎重に判断します。
遠隔リンパ節転移に対する薬物療法
傍大動脈や鎖骨上など遠隔リンパ節へ転移し、広い範囲に病変がある場合は、全身薬物療法が治療の中心です。細胞障害性抗がん薬、分子標的薬、条件を満たす場合の免疫チェックポイント阻害薬を用い、病状を抑えることや症状を和らげることを目指します。治療効果と副作用を定期的に評価します。
遺伝子・バイオマーカーに応じた薬剤選択
切除不能進行・再発大腸がんでは、RAS、BRAF、MSI・MMR、HER2などの結果が薬剤選択に関係します。原発巣の左右、これまでの治療、臓器機能も合わせてレジメンを決めます。検査結果が陽性でも薬の適応条件を満たさない場合があり、効果が保証されるものでもありません。
限局したリンパ節再発への局所治療
再発が一つまたは限られたリンパ節領域にとどまり、他の病変が制御されている場合は、手術や放射線治療などの局所治療を検討できることがあります。主要血管や神経との位置関係、過去の手術・照射歴によって難易度は変わります。局所治療だけでなく、薬物療法との組み合わせも含めて専門チームで判断します。
治療後の経過観察と再発への対応
治療後は、診察、血液検査、腫瘍マーカー、CTなどを定期的に行い、局所再発や肝・肺などへの転移を確認します。検査間隔はステージ、治療内容、経過年数によって異なります。再発しても、病変の範囲によって再切除、放射線治療、薬物療法などを検討できるため、予定された受診を続けることが大切です。
大腸がんのリンパ節転移について相談するときのポイント

所属リンパ節か遠隔リンパ節か確認する
最初に、転移が疑われるリンパ節の正式な名称と位置、所属リンパ節か遠隔リンパ節かを確認します。同じ「リンパ節転移」でも、ステージ3として根治手術を目指す場合と、遠隔転移として全身治療を中心に考える場合があります。画像を示してもらうと、病気の広がりを理解しやすくなります。
臨床ステージと病理ステージの違いを確認する
治療前のCTやMRI、診察などで推定するものが臨床ステージ、手術で切除した組織を顕微鏡で調べて決めるものが病理ステージです。術前と術後でステージが変わることは珍しくありません。「転移の疑い」なのか「病理検査で確認済み」なのかを区別して説明を受けましょう。
転移リンパ節の個数と位置を確認する
病理報告書では、調べたリンパ節の総数と転移陽性数を確認します。画像診断の場合は、疑わしいリンパ節がどの領域に何個あり、治療によって変化しているかを確認します。個数だけでなく、複数の領域へ広がっているか、血管や神経などへ接しているかも治療方針に関係します。
手術で切除する範囲を確認する
腸管をどの範囲まで切除し、どのリンパ節領域を郭清するのか、人工肛門の可能性、手術後の排便・排尿・性機能への影響を確認します。拡大郭清を行えば必ず治療成績が上がるとは限らず、合併症とのバランスが必要です。予定術式が変わる条件についても尋ねておきましょう。
術後抗がん剤の目的と期間を確認する
術後補助化学療法は、画像で確認できない微小転移による再発リスクを下げることが目的で、手術で取り残した大きな病変を治療するものではありません。推奨される薬、期間、再発リスクをどの程度下げることが期待されるか、副作用が出た場合の減量や中止基準を確認します。
他臓器への転移も含めて治療計画を立てる
遠隔リンパ節が疑われる場合は、肝臓、肺、腹膜、骨なども評価し、病気全体を治療できる計画を立てます。転移の基本的な考え方は大腸がんの転移で確認できます。肝転移を伴う場合は大腸がんの肝転移、肺転移を伴う場合は大腸がんの肺転移も参考にしてください。
複数の診療科による検討が必要な場合
直腸がんの側方リンパ節、傍大動脈リンパ節、骨盤内再発などでは、大腸外科、腫瘍内科、放射線治療科、泌尿器科など複数分野の連携が必要になる場合があります。手術、薬物療法、放射線治療の順序をカンファレンスで検討できる体制かを確認しましょう。
セカンドオピニオンを利用する
手術の可否や郭清範囲、放射線治療との組み合わせで迷う場合は、大腸がん治療の経験がある施設へセカンドオピニオンを求められます。診療情報提供書、病理報告書、内視鏡報告書、CT・MRIなどの画像データ、治療歴、遺伝子検査結果を準備すると具体的な検討につながります。
日常生活で注意したい症状
腹痛や腰痛の急な悪化、片脚の強いむくみ、尿が出にくい、便やガスが出ない、発熱、息苦しさなどがあれば、予定の診察を待たず医療機関へ連絡します。薬物療法中は感染症や血栓症など別の緊急事態もあります。夜間・休日の連絡先と受診目安をあらかじめ確認してください。
当院に寄せられる相談
当院には、「リンパ節転移があると言われたがステージ3と4のどちらなのか」「画像で腫れているリンパ節は本当に転移なのか」「内視鏡で取り切れたのに追加手術が必要なのか」「側方リンパ節郭清による排尿機能への影響が心配」「傍大動脈リンパ節再発に手術や放射線治療は可能か」「術後抗がん剤を受ける利益と副作用を比較したい」といった相談が寄せられます。相談時には、原発巣の位置が分かる内視鏡報告書、病理診断書、手術記録、CT・MRI・PETの画像データと読影報告書、調べたリンパ節数と転移陽性数、これまでの薬物療法、CEA・CA19-9の推移、RAS・BRAF・MSI/MMRなどの検査結果をご用意ください。当院では、リンパ節の場所を所属・遠隔に分け、臨床診断か病理確定かを確認したうえで、手術による根治可能性、郭清範囲、術後補助化学療法、再発に対する局所治療と全身治療の役割を整理します。現在の治療を自己判断で中断せず、主治医との連携や治療開始時期にも配慮しながら、必要に応じて専門施設での再評価を検討します。
大腸がんのリンパ節転移についてのまとめ
大腸がんのリンパ節転移は、場所によってステージと治療方針が異なります。画像検査には限界があり、手術後の病理検査で初めて確定する場合もあります。所属・遠隔の区別、転移の範囲、他臓器転移を確認し、手術、薬物療法、放射線治療を適切に組み合わせることが大切です。
- 所属リンパ節転移は主にステージ3に関係し、必ずしもステージ4ではありません。
- 遠隔リンパ節への転移は遠隔転移としてステージ4に分類される場合があります。
- リンパ節の大きさだけでは転移を確定できず、病理検査が必要になることがあります。
- 切除可能な大腸がんでは、原発巣と所属リンパ節を系統的に切除します。
- ステージ3では再発リスクを下げるため術後補助化学療法が検討されます。
- リンパ節の位置、他臓器転移、全身状態を踏まえて専門医へ相談しましょう。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。



