アメリカの最新がん治療の調べ方
日本は世界からみても医療先進国に含まれており、医療資源や医療受信に対するアクセスや料金ハードルの低さ、医療技術においてもその水準は高いことで知られています。
しかし、最新の治療や研究となると先進医療としてはアメリカの方が進んでいるのではないかと考える方もいるでしょう。
これは、人類遺伝学が確立してからアメリカは遺伝子研究において世界をリードしていることからアメリカが「遺伝子治療」の先駆的な存在であることが一つとして考えられます。
例えば、1953年には、アメリカのワトソンと物理学者のクリックによってDNAの構造が二重螺旋であることを発見していることや1990年に世界初の遺伝子治療を実施したことなど挙げればキリがありませんが、遺伝子研究においての研究やそのデータが非常に多いことから先進医療としてアメリカの最新のがん治療を知りたいという方も一定数いらっしゃいます。
また、アメリカのニューヨーク州にあるMount Sinai Hospital(マウントサイナイ病院)はアメリカの中でも有数の遺伝子解析の実績を有しており、Mount Sinai Hospitalをはじめにアメリカ国内の医療機関が発表した基礎研究と臨床データについての発表についてがんを題材にしたニュースを目にする機会が多いことから最新のがん治療や先進医療を調べる際にアメリカのがん治療を調べたいと思う方もいらっしゃると思います。
(当院の光免疫療法も開発したのは小林久隆先生ですが、開発元になっている研究機関はノーベル賞受賞者を160人も輩出しているアメリカ国立衛生研究所(NIH)です。)
また、アメリカ以外の海外の最新のがんの医療について調べてみたいという方もいらっしゃいます。これは、世界の五大医学誌の1つであるLancetの中の「HAQインデックス」の順位で上位の位置にランキングしている国々のがん治療への興味やニュースで取り上げられた際に日本ではまだ行われていない治療法の場合に興味をもったというケースからくることもあります。
今回は、がん治療にあたって海外の治療を受けてみたいと考えている方に向けて、記事を作成しております。
日本のがんの医療水準について
まずは、世界から見た日本の医療レベルについて触れておきたいと思います。
結論からいえば、日本は世界的にみても医療水準は高く、がん治療においても標準治療や免疫療法といった治療に関しても適切な診療によって疾患を防ぐことができる医療技術を提供しているため、患者様の立場からも質の高い医療サービスを受けていると実感しやすいことがいわれています。
日本の医療水準が高いと考えられる理由について具体的に述べていきましょう。
日本は医者不足が問題に挙げられているものの病床数やMRI台数といった医療資源については世界でもトップクラスで、医療設備は充実しているといえます。
また日本では国民皆保険制度によって、医療費の自己負担額が少ないことや医療機関へのアクセスが容易であることも医療水準が高いといわれる理由に挙げられます。
これらのことから2016年のLancetの「HAQインデックス」の順位で、日本は195カ国中12位と高い位置で評価されています。
これらの医療水準でがん治療も行われているので、がんの標準治療については同様のことがいえます。
またオプジーボによる免疫療法や当院で行っている光免疫療法といった治療法はいずれも日本人の医師によって確立されています。
(オプジーボによる免疫療法は本庶佑先生、光免疫療法は小林久隆先生。)
それ故に、日本のがん治療の研究は非常に優秀であるといえます。
がん治療の観点で、日本のがん治療の難しい点として、日本では認可されている治療以外は受けられないため、海外の治療法と比べると種類が少なくなってしまいます。
裏を返せば、日本では症例数の少ないものや治験段階の医療を提供しないこと、言い換えればある程度安全性や効果が保証された治療を行うようにしているといえます。
一方の海外では、勿論全てではないですが治験段階のものや症例数が少ないものでも治療が受けられたりします。
症例数が少ないとはいえ、その治療が効く可能性もあるため、期待できる機会は日本に比べて増えるともいえるかもしれません。
日本でのがん治療でも十分ですが、海外の治療を調べるにあたって重要なことを次節で説明していきたいと思います。
海外の先進医療について詳しく知りたい
まず海外での最新のがん治療を調べるにあたって重要なことは、アメリカ国立衛生研究所(NIH)やアメリカ食品医薬品局(FDA)、Mount Sinai Hospitaのような有名な医療機関といった信頼性の高い機関が発表しているものを参照することが重要です。
次に治療について自分では理解が難しい場合や海外の治療を知りたい場合に、主治医への相談やセカンドオピニオンを利用して相談することも大切です。
また、有名な医療機関ではホームページ内に、お問い合わせ用のフォームや連絡先が記載されているので、積極的に質問してみるのも有効です。
日本のクリニック等でもみられますが、海外においてもあまり知られていないクリニックが出しているホームページを鵜呑みにしてしまうことは非常に危険です。
また国立がんセンター等のがん研究で有名な機関が発表した海外の治療法を調べる際に、関連する単語を用いて英語での検索をかければより詳細な情報が得られることもあります。
【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。