末期の子宮頸がんと光免疫療法について
子宮頸がんの概要
子宮頸がんは、子宮の下部（頸部）に発生する悪性腫瘍で、主にヒトパピローマウイルス（HPV）感染が原因となります。
子宮頸がんの発症は、HPV感染後、数年から数十年の長い時間を経て進行することが一般的です。
日本では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんと診断され、約2800人が亡くなっています。
初期の段階では症状がほとんど現れないため、検診で発見されるケースが多いです。
がんが進行すると、月経外出血、性交後出血、おりものの変化といった症状が現れてきます。
この記事では、末期の子宮頸がんに関する情報や治療法としての光免疫療法について解説します。
末期の子宮頸がんの進行と特徴
末期の子宮頸がん（ステージⅣ）は、子宮頸部を超えて遠隔転移した状態、または膀胱・直腸などの隣接臓器に高度に浸潤した状態を指します。
初診時の約5～10%がステージⅣだといわれており、治療後の進行によって更に増加します。
子宮頸がんは、前がん病変（CIN）から浸潤がんまで約5～10年かかりますが、ステージⅣでは進行が速く、数ヶ月で悪化することが多いです。
進行するに連れて症状は重篤化し、局所症状として、異常出血（月経外や性交後）の持続や悪臭を伴う血の混じったおりものが現れます。
その他にも、骨盤痛や腰痛、血尿・血便、便秘、体重減少、倦怠感なども引き起こされることがあります。
遠隔転移による症状では、肺転移による咳や呼吸困難、骨転移による骨痛や骨折、肝転移による黄疸などが現れます。
そして、子宮頸がんステージⅣの5年相対生存率は約15～25%であり、治療の有無や患者様の状態によって大きく変動します。
末期の子宮頸がんの治療と課題
子宮頸がんの末期（ステージⅣ）は、がんが遠隔転移（ⅣB）または膀胱・直腸に浸潤（ⅣA）した状態となります。
ここまで進行すると根治が困難なため、治療は延命と症状緩和が主な目的となります。
化学放射線療法は、子宮頸がんステージⅣAや限定的なⅣBで局所制御と症状緩和を目的に適用されます。
ステージⅣBでは、全身治療として化学療法が中心となります。
放射線療法は、ステージⅣAや限定的なⅣBで、局所症状（血尿、疼痛）の緩和と骨盤内制御を目的に適用されます。
また、支持療法と緩和ケアによって、血尿、疼痛、閉塞などの症状を管理し、身体的苦痛や精神的苦痛を軽減させ、QOLを維持します。
しかし、末期の子宮頸がん治療の課題や限界として、根治の困難さ、患者様の体力低下による治療耐性の限界、転移の多発や進行の速さ、治療の選択肢の不足などが挙げられます。
光免疫療法の原理と効果
光免疫療法とは、特定の薬剤と光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
まず、光に反応する薬剤を体内に投与します。
その後、特定の波長の光をがん細胞に照射することで、薬剤が活性化し、がん細胞を破壊します。
この治療法の大きな特徴は、健康な細胞へのダメージが少ないことです。
また、治療後の痛みや腫れが少ないため、患者様の身体的負担も軽減されます。
末期の子宮頸がんにおける光免疫療法の適用と効果
末期の子宮頸がんに対しても、光免疫療法は一つの選択肢となる可能性があります。
体力的に化学療法や化学放射線療法の適用が難しい場合や、これらの治療に耐性を持つがん細胞に対しても対応可能なことがあります。
また、光免疫療法は標準治療との併用も可能であり、組み合わせることで相乗効果が望めます。
そのため、現在、末期の子宮頸がんの治療中の患者様で、他の治療法も検討されている方は、当院までお気軽にご相談ください。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
光免疫療法「末期がん治療と緩和ケアの融合」
光免疫療法は、緩和ケアを考えられている末期がん患者様にも適応できる可能性がある治療法です。
がんを直接攻撃しながら、痛みや腫れなどの症状を軽減するため、緩和ケアとしての役割も果たします。
光感受性薬剤を用いてがん細胞を標的にし、特定の波長の光を照射することでがんを破壊します。
周囲の健康な組織への影響を抑え、治療と緩和ケアの双方の効果を目指します。
まとめ
末期の子宮頸がんは、化学放射線療法や化学療法、支持療法などによって生存期間の延長と症状の緩和を目指します。
しかし、根治の難しさ、体力低下による治療の限界、進行の速さ、治療の選択肢の不足といった治療の課題や限界があります。
光免疫療法は、このような課題を少しでも解決する一つの選択肢となる可能性があります。
末期の子宮頸がん治療は、患者様の状態に応じて選択し、全身治療や緩和ケアとの連携が重要となります。
標準治療と併用可能な治療法のため、現在、子宮頸がん治療中の方でも一度ご相談ください。
| よく見られてる記事一覧 |
|---|
| 子宮頸がん(ステージ4)の「胸水の特徴と治療の選択肢」 |
| 子宮頸がん(ステージ4)の「骨転移の特徴と治療の選択肢」 |
| 子宮頸がん(ステージ4)の「腹膜播種の特徴と治療の選択肢」 |
| 子宮頸がん(ステージ4)の「腹水の特徴と治療の選択肢」 |
【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。
