子宮頸部上皮内腫瘍とは
子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia, CIN)は、子宮頸部の細胞が異常増殖する前がん状態です。
この異常は、HPV感染に起因することが多く、時間の経過とともに子宮頸がんへと進行する可能性があります。
CINは通常、3つの段階(CIN1, CIN2, CIN3)に分類され、CIN3は高度異形成とも呼ばれます。
原因とリスク因子
HPVは、子宮頸部上皮内腫瘍の最も一般的な原因です。
特定の高リスク型HPV(例えば、HPV16およびHPV18)は、子宮頸がんの発症に密接に関連しています。
その他のリスク因子には、早い年齢での性交開始、多数の性パートナー、喫煙、免疫抑制状態などが含まれます。
診断方法
子宮頸部上皮内腫瘍の診断には、細胞診(パパニコロウ検査)とHPV DNA検査が広く用いられています。
これらの検査により、子宮頸部の細胞の異常やHPVの存在を検出することが可能です。
高解像度のコルポスコピー検査も、異常な細胞の特定や生検のために使用されます。
治療法と管理
子宮頸部上皮内腫瘍の治療は、病状の重さによって異なります。
軽度のCIN(CIN1)は、しばしば自然に退行するため、経過観察が一般的です。
CIN2やCIN3の場合、円錐切除術やLEEP(ループ電気手術処置)などの外科的手法が推奨されます。
レーザー治療や冷凍療法も、特定の状況下で適用されることがあります。
光免疫療法の概要
光免疫療法は、特定の波長の光を用いて腫瘍細胞に集積する薬剤を活性化し、活性酸素によって腫瘍細胞を選択的に破壊する治療方法です。
この治療は、標準治療に抵抗性のある子宮頸部上皮内腫瘍や、手術が困難な症例に対しても適応できる可能性があります。
当院の光免疫療法に関する詳細は、以下よりご確認いただけます。
予防とスクリーニング
子宮頸がんを予防するためには、HPVワクチンの接種が一般的です。
HPVワクチンは、特定のHPV型に対する免疫を提供し、子宮頸がんのリスクを低減します。
定期的な子宮頸がんスクリーニングも、異常細胞の早期発見に重要です。
生活習慣と子宮頸部上皮内腫瘍
喫煙や不健康な生活習慣は、子宮頸部上皮内腫瘍のリスクを高めることが知られています。
バランスの取れた食事、定期的な運動、禁煙は、子宮頸部上皮内腫瘍のリスクを減らすのに役立ちます。
【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。