年間9万人以上が罹患する乳がん
乳がんは、乳頭から放射状に張り巡らされている乳腺に発生するがんです。
年齢別には30代から増加し始め、40代~70代にかけて多いのが特徴となります。
また、乳がんの罹患者数は年々増加傾向にあり、日本人女性が罹患するがんの第1位となっています。
年間9万人以上の日本人女性が罹患しており、死亡者は1万5千人以上と少なくありません。
乳がんは、早期に発見・治療を行えば生存率も非常に高いため、進行する前に対処することが非常に重要となります。
手遅れと言われる乳がん
乳がんは、しこりの大きさ、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無によってステージ0期~Ⅳ期に分類されます。
ステージⅣが最も進行している状態であり、しこりの大きさに関わらず他の臓器への遠隔転移が認められる場合と定められています。
また、末期がんとは、厚生労働省が「治癒を目指した治療に反応せず、進行性かつ治癒困難又は治癒不能と考えられる状態と医師が総合的に判断した場合」と定義しています。
手遅れと言われる乳がんは、末期がんの中でも特にがん細胞が全身に広がっている状態ですので、必然的にステージⅣとなります。
乳がんで遠隔転移しやすい臓器は、骨、肺、肝臓、脳などが挙げられ、それらの部位で強い痛みや違和感が発生することもあります。
そして、この段階まで進行すると、治療の選択肢や効果が限定されることが多いです。
手遅れと診断された場合、緩和ケアや生活の質の向上を目的とした治療が中心となります。
末期の乳がんに対する治療法
末期の乳がんに対する治療は、薬物療法を中心として行われます。
全身に広がっている全てのがんを手術で切除することは困難なため、全身のがんの進行を遅らせるために抗がん剤やホルモン剤を使用します。
また、転移している臓器の機能が低下して様々な症状を引き起こすことがあるため、それらを抑えるための放射線療法や手術が追加で行われることもあります。
しかし、これらの治療によって副作用や合併症を引き起こすリスクもあるため、細かく患者様の経過観察をする必要があります。
そして、他の臓器への転移が広範囲に及んでいる場合、これらの治療法だけではがんの進行を抑えることが難しい場合があります。
光免疫療法とは
この治療法は、特定の波長の光を利用して、がん細胞を特定し、破壊する方法です。
光免疫療法は、手遅れと言われた乳がん治療の選択肢としても、患者様の状態に応じて適応できる可能性があります。
また、他の治療法が効果を示さない場合や、薬剤に対する耐性が出てきた場合に、光免疫療法が選択できる事もあります。
光免疫療法の利点は、健康な細胞へのダメージを抑えながら、がん細胞を選択的に破壊することができる点です。
末期がん治療と緩和ケアの融合
光免疫療法は、特定の波長の光を活用して光感受性薬剤を活性化し、がん細胞を選択的に破壊することが可能です。
そのため、末期の乳がんに患者様の緩和ケアも考慮に入れた新たな治療の選択肢となる可能性があります。
がん細胞を直接狙って攻撃をしながら、痛みや腫れといった患者様の辛い症状の軽減にも寄与します。
病巣への直接的な作用により、健康な組織への影響を抑えることができ、治療と緩和ケアの双方にメリットを有します。
光免疫療法による予後の改善
光免疫療法の利点は、がん細胞を狙って攻撃しつつ、慢性的な痛みや他の症状を軽減することにあります。
この治療法により、患者様はより快適で活動的な生活を継続することが可能になり、日常生活の向上を目指せます。
また、ご家族との大切な時間をより充実したものにし、全体的な生活の質を高める手段の一つとなります。
治療の選択肢
光免疫療法は他の治療と併用できる治療方法です。
末期の乳がん患者様に対しても、薬物療法などと組み合わせる集学的治療が検討できます。
治療法の選択については、患者様の病状だけでなく本人の意思も尊重されますので、家族や医師、看護師とのコミュニケーションが非常に重要となります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。