肺がん完治に向けた治療選択肢と新たな希望
肺がんは日本国内でも死亡率の高いがんの一つです。
近年は検診の普及により早期発見される例も増えつつあり、適切な治療を受けることで完治が見込めるケースもあります。
完治を目指すためには、がんの性質や進行度、そして患者様一人ひとりの体力・希望に合わせた治療選択が欠かせません。
1. 完治が目指せる肺がんとは
肺がんには「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」があり、完治が期待できるのは主に非小細胞肺がんの早期に限られます。
ステージⅠ〜Ⅱで発見され、手術可能な状態であれば、根治を目的とした外科治療が行われます。
小細胞肺がんの場合でも、限局型かつ早期治療を行えば、長期生存が期待されることもありますが、全体的には進行が早く、完治は難しいとされています。
2. 標準治療とその限界
現在の標準治療では、以下のような選択肢が主に用いられます。
治療法 | 対象となる状態 | 概要 |
---|---|---|
手術 | 早期の非小細胞肺がん | 腫瘍を外科的に切除し、根治を目指す |
放射線療法 | 手術が難しい例や局所制御目的 | がん細胞を局所的に破壊する |
化学療法 | 進行がん・再発例 | 全身的に作用するが副作用が強い |
分子標的薬 | 特定の遺伝子変異を持つ患者様 | がん細胞の成長経路を狙い撃つ |
免疫チェックポイント阻害薬 | PD-L1陽性などの条件下 | 免疫を活性化してがんを攻撃する |
しかしながら、これらの治療法はすべての患者様に適用できるわけではなく、副作用や身体的負担のために継続が難しいケースもあります。
また、がんが再発した場合や転移を伴う場合、治療の選択肢が限られることも少なくありません。
3. 新たな選択肢としての局所治療
上記のように標準治療には限界がある中で、再発・進行がんでも治療の可能性を広げる方法として注目されているのが「局所治療」の強化です。
中でも、身体全体ではなく、病変部だけにアプローチする方法は、患者様の体への負担を軽減できるという点で支持を集めています。
例えば、定位放射線治療や局所化学療法などがその一例です。
そして、これらに並ぶ局所療法のひとつが「光免疫療法」です。
4. 光免疫療法とは何か
光免疫療法は、がん細胞に選択的に集まる薬剤を投与し、その部位に特定の波長の近赤外光を照射することでがん細胞を選択的に破壊する治療法です。
この治療は正常な細胞をできる限り傷つけずにがん細胞のみに作用することを目的としており、副作用が比較的少ないのが特徴です。
局所的に光が届く範囲に病変があることが前提となりますが、以下のようなメリットがあります。
利点 | 解説 |
---|---|
選択的にがん細胞を攻撃 | 光感受性物質ががん細胞のみに集積し、照射によって破壊 |
正常組織への影響が少ない | ピンポイントで照射するため、副作用が少ない |
身体への負担が軽い | 局所療法であり、体力が低下している患者様でも導入可能 |
5. 肺がんにおける光免疫療法の位置づけ
肺がんにおいては、特に以下のような患者様に光免疫療法が検討されます。
対象例 | 理由 |
---|---|
標準治療が難しい方 | 年齢・全身状態などから従来の治療が困難 |
局所再発がある方 | 照射可能な位置に再発巣が存在 |
副作用を避けたい方 | QOLを重視し、穏やかな治療を望む |
治療導入には医師による評価が必要ですが、光免疫療法はこれまで治療が難しいとされていた患者様にも、新たな希望をもたらす可能性があります。
進行がんや再発を抱える中でも、患者様らしい毎日をあきらめないために—。
私たちはその想いに寄り添いながら、一人ひとりに適した治療方法を丁寧にご提案しております。
治療に関してご不安やご質問がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
今できる最善の一歩をご一緒に探していきましょう。
光免疫療法の詳細については、以下よりご確認いただけます。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。