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肝臓がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

肝臓がんステージⅣについて

日本では、肝臓がん(主に肝細胞がん、HCC)は罹患者数が多く、深刻ながんのひとつです。
2021年の国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(※1)によると、年間約2万6000人が新たに肝臓がんと診断されています
肝臓がんステージⅣは、がんが肝臓を超えて周辺臓器やリンパ節、肺、骨、腹膜などの遠隔部位に転移した進行性の状態を指します。
この段階では、症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制、症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
肝臓がんの原因やリスク要因には、ウイルス性肝炎(B型、C型)、生活習慣、遺伝的要素などが関与しており、これらが複雑に絡み合って発症に至ります。
以下に、肝臓がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢として光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1: 国立がん研究センター「肝臓がん統計」

ステージⅣ肝臓がんの特徴と原因

ステージⅣの肝臓がんは、TNM分類でT4(周辺臓器への浸潤)またはN1(リンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
肺転移、骨転移、腹膜転移が多く、腹痛、腹部膨満感、黄疸、食欲不振、体重減少、倦怠感、発熱などの症状が現れることがあります。
原因としては、以下の要素が挙げられます。

●ウイルス性肝炎:B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)の慢性感染は肝臓がんの主要なリスク要因です。これらは肝硬変や慢性肝炎を引き起こし、がん化を促進します。
●生活習慣:過度なアルコール摂取、肥満、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD/NASH)がリスクを増大させます。これらは肝臓に慢性的な炎症や脂肪蓄積を引き起こします。
●遺伝的要素:TP53、CTNNB1、AXIN1などの遺伝子変異が関与。家族性肝がんのリスクはまれですが、遺伝性ヘモクロマトーシスやウィルソン病などの代謝性疾患が関与する場合があります。遺伝子検査でリスク評価が可能です。
●その他:糖尿病、喫煙、アフラトキシン(カビ毒)への曝露、腸内細菌叢の乱れも発症に関与する可能性があります。

肝臓がんの標準治療について

ステージⅣの肝臓がんに対する標準治療は、がんの進行を抑え、症状を緩和し、QOLを維持することを目的としています。
主な標準治療は以下の通りです。

●全身化学療法
・ソラフェニブ:マルチキナーゼ阻害剤で、進行性肝細胞がんの第一選択薬。血管新生や腫瘍増殖を抑制するが、皮膚反応や下痢などの副作用がある。
・レンバチニブ:別のマルチキナーゼ阻害剤で、ソラフェニブと同等以上の効果を示す。全身状態が良好(PS0-1)の患者様に適応。高血圧や倦怠感などの副作用がある。
・アテゾリズマブ+ベバシズマブ:免疫チェックポイント阻害剤(PD-L1)とVEGF阻害剤の併用療法。近年、ステージⅣの肝臓がんに対する第一選択として広く使用される。
・レゴラフェニブやカボザンチニブ:ソラフェニブ耐性の場合の第二選択薬。

●局所療法:ステージⅣでも限局的な転移巣に対して、肝動脈化学塞栓療法(TACE)やラジオ波焼灼療法(RFA)が補助的に行われる場合がある。ただし、広範な転移では適応が限られる。
●放射線療法:骨転移や局所の疼痛緩和に使用。定位放射線療法(SBRT)が肺や骨転移に対して選択される場合もある。
●緩和ケア:腹水、黄疸、疼痛、栄養不良などの症状管理に重点。腹水穿刺、栄養サポート、疼痛管理などを含む。ステージⅣでは早期から緩和ケアを併用することでQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の肝臓がんでは効果が限定的な場合があります。
そこで、標準治療以外の選択肢として注目されるのが光免疫療法です。

光免疫療法とは

光免疫療法は、がん細胞に特異的に結合する抗体に光感受性物質を結合させた薬剤を投与し、特定の波長の光を照射することでがん細胞を選択的に破壊する革新的な治療法です。
この治療法は、正常細胞へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃する点で優れています。
特にステージⅣの肝臓がんでは、局所進行がんや一部の転移巣に対して適用可能な場合があります。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:肝臓がん細胞表面の特定の抗原(例:GPC3、AFP、EGFR)に結合する抗体-光感受性物質複合体を静脈内投与。
2.光照射:近赤外光を用いて、薬剤が結合したがん細胞を活性化。光が当たることで活性酸素が発生し、がん細胞を破壊。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。

光免疫療法の利点
●高い選択性:正常組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:局所進行がんや一部の転移巣にも適用可能。
●QOLの向上:従来の化学療法や放射線療法に比べ、身体的負担が少ない。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ肝臓がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは肝臓がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

免疫チェックポイント阻害剤:PD-1/PD-L1阻害剤(例:ニボルマブ、ペムブロリズマブ)は、マイクロサテライト不安定性(MSI-H)や高腫瘍変異負荷(TMB-H)の患者様に有効。肝臓がんではMSI-Hは稀(約1-3%)だが、化学療法抵抗性の症例で効果を発揮する場合がある。
TKI(チロシンキナーゼ阻害剤)の新薬:ドナチニブやアパチニブなど、新たなマルチキナーゼ阻害剤が臨床試験で有望視されている。
GPC3標的療法:グリピカン3(GPC3)は肝細胞がんに高発現する抗原であり、GPC3を標的とした抗体薬やCAR-T細胞療法が臨床試験で進行中。
臨床試験:新たな分子標的薬(例:TGF-β阻害剤)、がんワクチン、オンコリティックウイルス療法、バイスペシフィック抗体などの臨床試験が進行中。ステージⅣの患者様にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

肝臓がんステージⅣは、転移を伴う進行性の疾患であり、ウイルス性肝炎、生活習慣、遺伝的要素がその発症に関与します。
標準治療(化学療法、分子標的薬、局所療法、放射線療法、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に肝臓がん特異的抗原を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの肝臓がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
そして、光免疫療法は標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法でもあります。
肝臓がんは、早期発見と適切な治療選択が重要なため、当院の光免疫療法に関する情報は何でもお気軽にご相談ください。

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