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舌がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

舌がんステージⅣについて

日本では、舌がんは口腔がんの一種として比較的稀ながんですが、進行性の場合は治療が難しく、深刻な疾患の一つです。
がん情報サービス舌がん患者数(がん統計)(※1)によると、2019年では年間約5,700人が新たに舌がんと診断されており、口腔・咽頭がんの一部を占めます
舌がんは主に扁平上皮がんとして発生し、特にステージⅣでは転移リスクが高いことで知られています。
舌がんステージⅣは、がんが舌を超えてリンパ節、肺、肝臓、骨、脳などの遠隔部位に転移した進行性の状態を指します。
この段階では、発話や嚥下困難、疼痛、口腔内出血などの症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制、症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
舌がんの原因やリスク要因には、喫煙、過度な飲酒、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染、口腔衛生不良などが関与しており、これらが複雑に絡み合って発症に至ります。
以下に、舌がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢として光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1: がん情報サービス舌がん患者数(がん統計)

ステージⅣ舌がんの特徴と原因

ステージⅣの舌がんは、TNM分類でT4(周辺組織への浸潤)またはN1-3(リンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
頸部リンパ節転移、肺転移、肝転移、骨転移、脳転移が多く、舌の潰瘍、しこり、出血、疼痛、発話・嚥下困難、頸部リンパ節の腫れ、体重減少、倦怠感などの症状が現れることがあります。
原因としては、以下の要素が挙げられます。

●生活習慣と環境要因:喫煙(タバコ、葉巻)、過度な飲酒は舌がんの主要なリスク要因です。タバコに含まれる発がん物質やアルコールの代謝産物(アセトアルデヒド)が口腔粘膜を刺激し、がん化を促進します。また、口腔衛生不良(歯周病、虫歯、合わない義歯による慢性的刺激)もリスクを高めます。
●ウイルス感染:ヒトパピローマウイルス(HPV、特にHPV-16)の感染は、口腔・咽頭がんのリスク要因として近年注目されています。HPV関連舌がんは非喫煙者や若年層でも増加傾向にあります。
●遺伝的要素:EGFR、TP53、PIK3CAなどの遺伝子変異が舌がんに関与します。遺伝性疾患は発症リスクを高めることがあります。
●その他:免疫抑制状態(例:臓器移植後の免疫抑制薬使用、HIV感染)、慢性的な口腔粘膜の刺激(例:熱い飲食物、香辛料)、ベテルナッツの噛み癖(アジア地域で多い)もリスク要因です。

舌がんの標準治療について

ステージⅣの舌がんに対する標準治療は、がんの進行を抑え、症状を緩和し、発話や嚥下機能の維持を含むQOLを維持することを目的としています。
主な標準治療は以下の通りです。

●全身化学療法
・シスプラチン+5-FU:舌がんを含む頭頸部扁平上皮がんの標準化学療法。高い効果が期待されるが、腎毒性や吐き気、骨髄抑制が主な副作用。
・セツキシマブ:EGFR阻害剤で、化学療法と併用し進行性舌がんに使用。皮膚毒性が主な副作用。
・ドセタキセル:化学療法抵抗性の場合や併用療法として使用される。

●分子標的薬
・セツキシマブ:EGFR過剰発現の舌がんに有効。単剤または化学療法との併用で使用。
・パニツムマブ:EGFR標的薬として、セツキシマブと同様の効果が期待される。

●免疫チェックポイント阻害剤
・ニボルマブ:PD-1阻害剤で、化学療法抵抗性の進行性舌がんに有効。免疫関連副作用(皮膚炎、肺炎、肝炎など)に注意が必要。
・ペムブロリズマブ:PD-L1発現陽性の舌がんに有効。単剤または併用で使用される。

●放射線療法:頸部リンパ節転移や骨転移による疼痛緩和に使用。強度変調放射線療法(IMRT)や定位放射線療法(SBRT)は、正常組織へのダメージを抑えつつ効果を発揮。
●外科療法:ステージⅣでは限局的転移巣や原発巣の切除が検討される場合がある。舌部分切除や全摘術、頸部リンパ節郭清が行われるが、発話・嚥下機能への影響が大きい。
●緩和ケア:嚥下困難、疼痛、栄養不良への対応が重要。言語療法、栄養指導、疼痛管理によりQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の舌がんでは効果が限定的な場合があります。
そこで、標準治療以外の選択肢として注目されるのが光免疫療法です。

光免疫療法とは

光免疫療法は、がん細胞に特異的に結合する抗体に光感受性物質を結合させた薬剤を投与し、特定の波長の光を照射することでがん細胞を選択的に破壊する革新的な治療法です。
この治療法には、正常細胞へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃するという特徴があります。
特にステージⅣの舌がんでは、口腔内の原発巣や頸部リンパ節転移、浅い転移巣に対して適用可能な場合があります。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:舌がん細胞表面の特定の抗原(例:EGFR、PD-L1)に結合する抗体-光感受性物質複合体を静脈内投与。
2.光照射:近赤外光を口腔内や内視鏡を用いて照射し、薬剤が結合したがん細胞を活性化。光により活性酸素が発生し、がん細胞を破壊。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。

光免疫療法の利点
●高い選択性:正常な口腔粘膜や周辺組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:舌表面や頸部リンパ節の転移巣、局所進行がんに特に有効。
●QOLの向上:従来の化学療法や放射線療法に比べ、発話・嚥下機能への影響が少なく、身体的負担が軽い。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ舌がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは舌がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

免疫チェックポイント阻害剤:ニボルマブやペムブロリズマブ単剤療法は、マイクロサテライト不安定性(MSI-H)や高腫瘍変異負荷(TMB-H)の患者様に有効。HPV関連舌がんではTMB-Hが比較的多く、効果が期待される。
遺伝子療法:EGFRやPIK3CAを標的としたCAR-T細胞療法や、オンコリティックウイルス療法が臨床試験中。舌がんの分子特性に応じた個別化治療の可能性が模索されている。
サイトカイン療法:インターロイキン-2(IL-2)やインターフェロン-αは、免疫応答を高め、進行性舌がんの治療に使用される場合がある。
臨床試験:新たな分子標的薬(例:mTOR阻害剤)、がんワクチン、バイスペシフィック抗体などが臨床試験で有望視されている。ステージⅣの患者様にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

舌がんステージⅣは、転移を伴う進行性の疾患であり、喫煙、飲酒、HPV感染、口腔衛生不良がその発症に関与します。
標準治療(化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、放射線療法、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に舌がん特異的抗原を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの舌がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
そして、光免疫療法は標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法でもあります。
舌がんは早期発見と適切な治療選択が重要なため、当院の光免疫療法を適用可能かどうかはお気軽にご相談ください。

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