手術だけでは完治しない卵巣がん
卵巣がんの治療では、早期がんでも進行がんでも基本的に手術が行われます。
手術によって可能な限り腫瘍を切除しますが、卵巣がんは発見時には進行している場合が多いため、手術だけで完治するのは稀です。
そのため、原則として手術後に化学療法(抗がん剤治療)を行う必要があります。
がんが広範囲で手術をするのが難しい場合は、手術前に化学療法を行って、がんを小さくすることもあります。
卵巣がんの組織型
組織型とは、がんのタイプのことを指し、組織型の違いによって進行速度や抗がん剤治療の有効性が異なります。
卵巣がんは進行がんで見つかることが多いですが、抗がん剤が効きやすいがんのため、組織型の診断は治療法の選択に重要となります。
卵巣がんの組織型は、以下の4つがあります。
●漿液性がん(約38%):進行して見つかることが多く、抗がん剤が効きやすい。
●粘液性がん(約10%):早期に見つかることが多く、抗がん剤が効きにくい。
●類内膜がん(約17%):早期に見つかることが多く、抗がん剤が効きやすい。
●明細胞がん(約23%):早期に見つかることが多く、抗がん剤が効きにくい。
最も多いのは漿液性がんで、進行が早く、悪性度の高い高異型度(ハイグレード)のがんのタイプとなります。
また、抗がん剤が効きやすいのは、漿液性がんや類内膜がんです。
ステージⅠでも行う化学療法
卵巣がんは、進行度によってステージⅠ~Ⅳに大きく分類されます。
ステージⅠの中で、悪性度の低いグレード1と判定された卵巣がんは、がんが卵巣内に留まっている状態です。
そのため、がんを手術によって切除すれば再発リスクが低いとみなられ、その後の化学療法は行いません。
しかし、ステージⅠでもグレード2や3の悪性度が高いがんであれば、再発リスクを考慮して術後に化学療法が行われます。
また、明細胞がんはグレードの判定が難しいため、術後に化学療法が行われることがあります。
術前に化学療法を行うステージⅢ~Ⅳ
卵巣がんのステージⅢはがんが腹膜にまで転移している状態であり、ステージⅣは肝臓や肺などの臓器に遠隔転移している状態であり、これらは進行がんと呼ばれます。
進行がんであっても、基本的には初回治療で手術を行い、がんを可能な限り切除します。
しかし、がんが広範囲に拡散・転移をしていて切除が困難な場合や、血栓症などの別の病気がある場合、患者様の健康状態が良くない場合などは、術前に化学療法が行われます。
術前化学療法によって、体内に拡がっているがん組織を縮小させることで、切除可能になることを目指します。
卵巣がんが再発した場合の治療法
卵巣がんは再発しやすいがんであり、半数以上が再発・転移をするといわれています。
再発した場合の治療法は、初回治療が終了してから再発するまでの期間で判断されます。
初回の化学療法で、がんが消滅してから再発するまでの期間が6ヵ月未満か6ヵ月以上で使用する薬が異なります。
再発後に手術が行われることもありますが、基本は化学療法となります。
●再発までの期間が6ヵ月未満
治療完了から短期間で再発した場合、同じ抗がん剤を使用しても効果があまり期待できないため、異なる薬を使用します。
どの薬を使用するかは、がんの状態によって決定され、分子標的治療薬を併用することもあります。
治療の主な目標は、症状の緩和となります。
●再発までの期間が6ヵ月以上
6ヵ月未満で再発した場合の薬とは異なるものを使用します。
プラチナ製剤を含む複数の細胞障害性抗がん薬を使った治療を中心に検討されます。
また、追加で維持療法を行うこともあります。
光免疫療法の特徴
光免疫療法は、特定の薬剤と特定の波長の光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療法です。
この治療法は、抗がん剤治療とは異なるメカニズムでがん細胞を攻撃するため、抗がん剤に耐性を持つがん細胞にも適応できる可能性があります。
また、光免疫療法は、特定の部位にのみ光を照射することができるため、周囲の正常な組織へのダメージを抑えることができます。
光免疫療法は、卵巣がんに対しても有効な治療法をなる可能性があります。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
まとめ
卵巣がん治療は、手術と化学療法を組み合わせた集学的治療が主な治療法となります。
ステージⅠの早期がんであっても、術後に化学療法を行うことがあります。
また、再発後の治療においては、化学療法が最も多く採用されます。
光免疫療法は、手術や化学療法が有効と判断されない場合でも、適用できる可能性があります。
再発したがんに対しても治療可能なため、卵巣がん治療にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
治療の選択にあたっては、情報や結果をもとに、医師と患者様が共に最善の選択をすることが大切です。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。