膀胱がん(ステージ4)リンパ節転移とは
膀胱がんがステージ4に分類される場合、周囲の臓器や遠隔のリンパ節への転移が認められている状態と考えられます。
特にリンパ節転移は、がんが血管やリンパ管を通じて全身に拡がっていく過程の一つとされています。
膀胱がんは早期であれば内視鏡治療や膀注療法が行われますが、ステージ4では全身的な治療が検討されます。
リンパ節転移による影響
リンパ節転移があっても、初期には症状が出にくいことがあります。
しかし、がんの進行に伴い、リンパ節の腫れが周囲の臓器や神経に影響を及ぼすことがあります。
特に骨盤内リンパ節の腫大は、下肢のむくみ、排尿障害、神経痛などを引き起こすことがあります。
治療の基本的な選択肢
膀胱がんステージ4での治療は、完治を目指すよりも延命と生活の質を維持する方針で検討されることが多いです。
体力や他疾患の有無によって、治療の選択が左右されることもあります。
治療法 | 内容 |
---|---|
化学療法 | シスプラチンなどを含むレジメンが使われることがありますが、腎機能などの条件により調整が必要です。 |
免疫療法 | 免疫チェックポイント阻害薬が使用されるケースがあり、身体の免疫反応を利用してがん細胞の抑制を目指します。 |
放射線療法 | 痛みの軽減や出血の抑制などを目的に、局所的に使用されることがあります。 |
支持療法 | 全身状態の維持や症状の緩和に向けたケアで、栄養や精神面のサポートも含まれます。 |
標準治療が難しい場合の選択
年齢や合併症の影響で、抗がん剤の使用が難しい患者様もいらっしゃいます。
また、病状の進行が早い場合や、副作用が強く出る場合には、標準治療を継続することが難しくなることもあります。
このような場合には、緩和ケアや補助的治療を中心に、治療方針が再検討されることがあります。
光免疫療法という選択肢
標準治療の実施が難しい場合には、光免疫療法が一つの選択肢として検討されることがあります。
この治療では、がん細胞に集まりやすい性質を持つ光感受性物質を使用し、がんの存在する部位に特定の波長の光を照射することで、がん細胞の破壊を目指します。
照射時の痛みは少ないとされており、周囲の正常な組織への影響も抑えられるよう工夫されています。
当院で行っている光免疫療法の詳細につきましては、以下よりご覧いただけます。
生活支援と緩和の取り組み
治療の進行に伴い、生活の質が低下することもあるため、医療と生活支援を一体として考えることが重要です。
支援内容 | 目的 |
---|---|
緩和ケア | 痛みや不快感を和らげ、心身の負担を減らすことを目指します。 |
在宅支援 | 通院が難しい方に対し、自宅での医療を提供しながら療養生活を支える体制です。 |
心理的支援 | 不安や抑うつへの対応を含め、精神的なケアを取り入れることで前向きな日常生活を支援します。 |
まとめ
膀胱がんステージ4でリンパ節転移がある場合、標準治療が難しいとされることがありますが、 その中でも患者様ごとの状況に応じた治療の可能性を探ることは大切です。
化学療法や免疫療法に加え、補助的な療法や生活支援の導入によって、少しでも穏やかな療養ができるよう配慮が求められます。
光免疫療法も一部では検討されることがあり、医療者との相談を重ねながら、ご自身にとって納得できる選択を模索することが大切です。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。