乳がんとは
乳房の皮膚の下に母乳をつくる乳腺の組織があり、この乳腺で構成されており大部分を占めています。
乳腺は乳頭を中心に約20の乳腺葉で形成されており、乳腺葉は、母乳をつくる「小葉」と、小葉で生成された母乳を乳頭まで運ぶ細い枝状の「乳管」とでつくられています。
乳がんとは、乳腺に生じる悪性腫瘍を指します。
がん細胞が乳管や小葉内に生じている状態を『非浸潤がん』、一方、がん細胞が増殖して、乳管や小葉の外にひろがった状態を『浸潤がん』と呼んでいます。
細かく言うと、乳がんの大半が乳管の上皮細胞にできる乳管がんです。
一方で、稀にみられるのが小葉にできる小葉がんです。乳管がん、小葉がんは、乳がん組織を顕微鏡で検査すると区別できます。
他に管状がんや腺様囊胞がん、粘液がんといった珍しい種類の乳がんもありますが、あまり多くみらません。
乳房の中でも乳房の上部の腋側にできるがんが全体の約4~5割を占めるとされています。(腋の下も含まれます。)
乳がんの発生源は1ヶ所に留まらず、2ヶ所以上になることもあります。
殆どの場合、早期がん(=非浸潤がん)は治るといわれていますが、早期の乳がんでは自覚症状があまり感じられません。
時間が経つにつれてがん細胞が増殖し、やがて浸潤がんとなり、気が付いたときには血管やリンパ管へと広がっているケースが見受けられます。
乳がんと診断された場合には、リンパ節や脳・骨・肺等、遠方の臓器にがん細胞が移り、新しいがんを発生する遠隔転移をしていることもあります。
遠隔転移をしたがんは他の臓器で生じても乳がんの特徴を持ち、その臓器にもともと生じるがんとは性質が異なります。
乳がんの種類や性質で、広がりやすさや転移しやすさは大きく異なります。
乳がんの原因
乳房が発がんする直接的な要因は、現状では解明されていませんが、乳がんの発がん要因は、生活習慣、エストロゲンの長期暴露、更に家族歴に大別できます。
ここでは、乳がんの危険因子について解説していきます。
(1)生活習慣
乳がんの発がん因子としては、飲酒、喫煙がまず挙げられます。
他にも閉経後の肥満や運動不足も挙げられます。
(2)エストロゲンの長期暴露
乳がんの発がん因子としては、主にエストロゲンの長期暴露が挙げられます。
子宮体がんの原因と同様に未経産なことに加えて高齢出産や授乳歴がないことなどが挙げられる。
更に、長期にわたるエストロゲンとプロゲステロンの併用療法が要因になることが挙げられます。
(3)家族歴、既往歴
近親者に乳がんに罹患した歴がある人物がいるか(乳がんにかかりやすい家系なのか)を調べておく必要があり、遺伝による発がんリスクがあります。
また、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)にみられるBRCA1またはBRCA2遺伝子の病的な変異も発がんリスクに挙げられます。
他に、良性乳腺疾患や糖尿病、高線量の既往歴も関係しているといえるでしょう。
乳がんの症状
乳がんの初期にみられる症状と進行期にみられる症状、更に転移の際等にみられる症状について解説していきます。
(1)初期の症状
乳がんは、他臓器のがんと同様に、発症が早期の段階では、無症状また自覚症状が殆どないことが多いです。
(2)進行期の症状
乳がんは、早期では自覚症状に乏しく、判別が難しいとされていますが、病期の進行とともに症状が現れます。
乳がんの症状で1番多くみられるのが乳房のしこりです。乳腺のしこりは他の病気でも見られ、約9割は良性とされますが、乳がんのしこりは基本的に硬く、あまり動かないのが特徴です。
ただし、しこりはまわりの組織を巻き込んでいることが多いので、全体的には柔らかく感じることもあります。
また、痛みを感じることは、多いのですが、痛みから乳がんを発見できたケースもあります。
次に乳がんが考えられるのは、乳頭や乳輪に湿疹をが出たり、乳頭から血性分泌液が出たりといった症状が見られる場合です。
がんの進行につれて乳房に軽いへこみを生じることもあります。
皮膚の赤みや腫れ、熱っぽさといった症状も要注意です。
(3)転移時の症状
乳がんが腋下のリンパ節に転移すると、腋の下の腫れやしこり、しこりから生じる神経の圧迫から痺れなどを生じることもあります。
また、乳がんの転移から腰痛を引き起こすこともあります。
上記の症状が一つでもみられる場合は勿論、各症状が長期間続いていると感じる場合には、早期に医療機関を受診するようにしてください。
当院での乳がんの治療法について
乳がん情報記事監修者
Article supervisor
当該乳がんに関するページは院長 小林賢次監修にて作成しております。
氏名:小林賢次
経歴
- 1991年3月 京都大学法学部卒業
- 2000年3月 富山医科薬科大学医学部医学科卒業
- 2000年5月 同愛記念病院 臨床検査科
- 2002年5月 NTT東日本関東病院病理診断部
- 2011年6月 新八重洲クリニック 院長
- 2019年1月~ 東京がんクリニック開院
出身大学
- 京都大学法学部卒業
- 富山医科薬科大学医学部医学科卒業
当院へのご相談の流れ
Consultation process for our clinic
ご予約
現在乳がんでお悩みの方は、まずはお問い合わせ下さい。
お急ぎの場合はお電話でのお問い合わせがスムーズです。
メールでのお問い合わせに関しては、当院医療コーディネーターよりお返事させていただきます。
ご来院
当院は完全予約制となっており、患者様一人一人のプライバシーに配慮しております。
ご来院が遅れてしまいますと、治療が受けられない事もございますので、5分前にはご来院の程宜しくお願い致します。
受付
初回来院の際は、乳がんに関しての問診票を記入していただきます。現在の体調や症状、悩みなどどのような事でもご記入下さい。
例
・乳腺のしこり
・乳房の痛み
・乳頭や乳輪に湿疹
・乳頭から血性分泌液
・乳房に軽いへこみ
・皮膚の赤みや腫れ、熱っぽさ
・腰痛
など
インフォームドコンセント
問診票を確認後、医療コーディネーター、医師によって、インフォームドコンセントを行い、今後の治療の流れ、ご料金のご説明などを行います。
当院の説明だけでは不安な場合は「セカンドオピニオン」もご検討頂けます。
同意書の記入
治療方針、治療費用に関してご納得、ご理解が頂けた場合、次は同意書へサインをしていただきます。
サインをされた後でも御不明な点や不安に感じる事はお気軽にご相談下さい。
今後の甲状腺がん治療計画について
乳がん治療の経過や今後の計画を患者様と医師、医療コーディネーターにて相談し、決定します。
日常生活になるべく支障が出ないように、最適な計画を立案していきます。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。