乳がんの手術に関する詳細ガイド
乳がんの分類と治療法
乳がんの状態は、病期(ステージ)、サブタイプなどによって分類されます。
これらの分類によって患者様の病気の状態を確定し、それに基づいて治療方法が選択されます。
患者様の病気は、術前検査によって判定され、しこりの大きさや転移の有無によって、0期~Ⅳ期に分類されます。
一般的に、0期~ⅢA期では手術を優先的に行うことが多いです。
乳がんの手術の目的
乳がんの手術の主な目的は、乳がんのある部分とその周辺の組織、また転移している場合は腋窩リンパ節など、局所のがんを取り除くことです。
また、手術で取り除いた組織を検査することで、がんの性質を診断し、その情報を基にして術後の治療法を決めていきます。
病期が初期段階では、手術を行うことで、再発リスクも少なく予後も良好にすることが可能です。
乳がんの手術の術式(種類)
乳がんの手術にはいくつかの種類があります。
乳房に対する手術と腋窩(腋の下)リンパ節に対する手術と大きく二つに分かれます。
1.乳房に対する手術
- 乳房温存術: 乳房部分切除とも呼ばれ、腫瘍が小さい初期段階の乳がんに対して行うことが一般的です。がん細胞ととその周辺のみ切除する手術で、乳房の形を保つことができます。再発や転移を防ぐために、術後に放射線治療を行うことが必要となります。
- 乳房切除術: しこりが大きくなっている、がんが広範囲に広がっている、遺伝性乳がんであるといった場合、一般的に乳房切除術が行われます。乳房全体を取り除く手術で、再発リスクを抑えることができます。術後に乳房再建術を受けることも可能です。
2.リンパ節に対する手術
- 腋窩リンパ節郭清: 術前の検査によって、腋の下のリンパ節に転移が認められた場合、腋窩リンパ節郭清が行われます。腋窩リンパ節郭清後に、腕の浮腫み(リンパ浮腫)、腕が挙がりにくいといった後遺症が発生する可能性があります。
- センチネルリンパ節生検: 術前の検査によって、リンパ節に転移を認めなかった初期段階の乳がんの方に行います。手術中にセンチネルリンパ節生検を行ってがん細胞がなければ、腋窩リンパ節郭清の省略が可能です。転移が有る場合は、基本的に腋窩リンパ節郭清を行います。
手術前の準備
手術前には、健康状態の確認や、必要な検査を受けることがあります。
手術の方法やリスク、期待される結果について、医師から詳しい説明を受けることが大切です。
患者様の希望や体調に応じて、適切な手術方法が選択されます。
また、手術日のスケジュールや入院に関する手続きも進められます。
手術前の食事や薬剤の摂取に関する指示も受け取ることがあります。
手術後のケア
手術後は、傷口のケアや痛みの管理が必要です。
傷口の感染を防ぐためのアドバイスや、薬剤の処方が行われることがあります。
乳房の形や感覚が変わることがあるため、心のサポートやカウンセリングも提供されることがあります。
手術後の経過や回復状況に応じて、定期的な診察が行われます。
また、放射線治療や薬物療法のスケジュールについても説明されることがあります。
リハビリテーション
手術後のリハビリテーションは、身体の機能を回復させるために重要です。
適切なエクササイズやストレッチを行うことで、身体の柔軟性や筋力を向上させることができます。
リハビリテーションの専門家と協力して、個別のプログラムが作成されることがあります。
乳房再建手術を受けた患者様の場合、特定のエクササイズが推奨されることがあります。
リハビリテーションは、日常生活の質を向上させるためにも大切です。
まとめ
乳がんの治療は、初期治療として、がん細胞を取り除く手術を行うことが一般的です。
がんの病期やサブタイプ、患者様の希望などを基に手術の術式を決定します。
手術の種類や手術前後のケア、リハビリテーションについての知識は、患者様の不安を軽減しより良い治療結果を得るために重要となります。
医師や医療スタッフとのコミュニケーションを大切にし、適切な情報を得ることで、安心して治療を受けることができます。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。