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皮膚がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

皮膚がんステージⅣについて

日本では、皮膚がんは比較的稀ながんですが、進行性の場合は治療が難しく、深刻な疾患の一つです。
2021年の国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(※1)によると、年間約2万5千人が新たに皮膚がんと診断されています
皮膚がんには、基底細胞がん、扁平上皮がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などがあり、特に悪性黒色腫は転移リスクが高いことで知られています。
皮膚がんステージⅣは、がんが皮膚を超えてリンパ節、肺、肝臓、骨、脳などの遠隔部位に転移した進行性の状態を指します。
この段階では、症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制、症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
皮膚がんの原因やリスク要因には、紫外線(UV)曝露、遺伝的要素、免疫抑制状態などが関与しており、これらが複雑に絡み合って発症に至ります。
以下に、皮膚がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢として光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1: 国立がん研究センター「皮膚がん統計」

ステージⅣ皮膚がんの特徴と原因

ステージⅣの皮膚がんは、TNM分類でT4(周辺組織への浸潤)またはN1-3(リンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
肺転移、肝転移、骨転移、脳転移が多く、皮膚の潰瘍、しこり、出血、疼痛、腫脹、リンパ節の腫れ、体重減少、倦怠感などの症状が現れることがあります。
原因としては、以下の要素が挙げられます。

●生活習慣と環境要因:紫外線(UVA/UVB)への長期曝露は、基底細胞がん、扁平上皮がん、悪性黒色腫の主要なリスク要因です。特に日焼けや日光浴の習慣はリスクを増大させます。屋外作業者や紫外線対策不足の方に発症が多い傾向があります。
●遺伝的要素:BRAF、NRAS、KITなどの遺伝子変異が悪性黒色腫に関与します。家族性メラノーマや遺伝性疾患(例:色素性乾皮症、家族性メラノーマ症候群)は発症リスクを高めます。また、CDKN2AやMC1R遺伝子変異も関与します。
●その他:免疫抑制状態(例:臓器移植後の免疫抑制薬使用、HIV感染)、慢性皮膚炎、放射線曝露、化学物質(ヒ素など)への曝露もリスク要因です。白人や色素の薄い肌の人に発症率が高い傾向があります。

皮膚がんの標準治療について

ステージⅣの皮膚がんに対する標準治療は、がんの進行を抑え、症状を緩和し、QOLを維持することを目的としています。
主な標準治療は以下の通りです。

●全身化学療法
・ダカルバジン(DTIC):悪性黒色腫の標準化学療法だが、効果は限定的。吐き気や骨髄抑制が主な副作用。
・テモゾロミド:脳転移を伴う悪性黒色腫に使用される。経口投与が可能な点が利点。
・パクリタキセル+カルボプラチン:進行性皮膚がんや化学療法抵抗性の場合に併用される。

●分子標的薬
・ベムラフェニブ、ダブラフェニブ:BRAF変異陽性の悪性黒色腫に有効。皮膚毒性や発熱が副作用。
・トラメチニブ:MEK阻害剤で、BRAF阻害剤と併用し効果を高める。
・イマチニブ:KIT変異陽性の悪性黒色腫に使用される。

●免疫チェックポイント阻害剤
・ニボルマブ+イピリムマブ:PD-1阻害剤とCTLA-4阻害剤の併用で、悪性黒色腫に高い効果を示す。免疫関連副作用(皮膚炎、腸炎、肝炎など)に注意が必要。
・ペムブロリズマブ:PD-L1発現陽性の皮膚がんに有効。単剤または併用で使用される。

●放射線療法:骨転移や脳転移による疼痛や神経症状の緩和に使用。定位放射線療法(SBRT)は限局的転移巣に適用される。
●外科療法:ステージⅣでは限局的転移巣や原発巣の切除が稀に検討される。リンパ節郭清も行われる場合がある。
●緩和ケア:皮膚潰瘍、疼痛、栄養不良への対応が重要。創傷管理や疼痛管理によりQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の皮膚がんでは効果が限定的な場合があります。
そこで、標準治療以外の選択肢として注目されるのが光免疫療法です。

光免疫療法とは

光免疫療法は、がん細胞に特異的に結合する抗体に光感受性物質を結合させた薬剤を投与し、特定の波長の光を照射することでがん細胞を選択的に破壊する革新的な治療法です。
この治療法には、正常細胞へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃するという特徴があります。
特にステージⅣの皮膚がんでは、皮膚表面や浅い転移巣、局所進行がんに対して適用可能な場合があります。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:皮膚がん細胞表面の特定の抗原(例:EGFR、PD-L1、Melan-A)に結合する抗体-光感受性物質複合体を静脈内投与。
2.光照射:近赤外光を皮膚表面や内視鏡を用いて照射し、薬剤が結合したがん細胞を活性化。光により活性酸素が発生し、がん細胞を破壊。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。

光免疫療法の利点
●高い選択性:正常組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:皮膚表面や浅い転移巣に特に有効で、局所進行がんにも適用可能。
●QOLの向上:従来の化学療法や放射線療法に比べ、身体的負担が少ない。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ皮膚がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは皮膚がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

免疫チェックポイント阻害剤:ニボルマブやペムブロリズマブ単剤療法は、マイクロサテライト不安定性(MSI-H)や高腫瘍変異負荷(TMB-H)の患者様に有効。悪性黒色腫ではTMB-Hが比較的多く、効果が期待される。
遺伝子療法:BRAFやKITを標的としたCAR-T細胞療法や、オンコリティックウイルス療法(例:T-VEC)が悪性黒色腫で臨床試験中。
サイトカイン療法:インターロイキン-2(IL-2)やインターフェロン-αは、免疫応答を高め、悪性黒色腫の治療に使用される場合がある。
臨床試験:新たな分子標的薬(例:PI3K阻害剤)、がんワクチン、バイスペシフィック抗体などが臨床試験で有望視されている。ステージⅣの患者様にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

皮膚がんステージⅣは、転移を伴う進行性の疾患であり、紫外線曝露、遺伝的要素、免疫抑制状態がその発症に関与します。
標準治療(化学療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、放射線療法、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に皮膚がん特異的抗原を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの皮膚がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
そして、光免疫療法は標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法でもあります。
皮膚がんは早期発見と適切な治療選択が重要なため、当院の光免疫療法を適用可能かどうかはお気軽にご相談ください。

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