腎がん(ステージ4)の「副腎転移の特徴と治療の選択肢」

TREATMENT OVERVIEW 治療概要

光感受性物質と光照射による反応を利用した治療

当院の光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、病変部に光を照射することで生じる光化学反応を利用し、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。

病変の位置や深さ、これまでの治療内容、全身状態などによって、治療の検討内容は異なります。当院では画像や検査資料を確認し、患者様の現在のご状況に応じて適応を個別に判断しています。

CONSULTATION CASES

このようなご相談を承っています

  • 再発・転移があり、現在の治療とあわせて別の選択肢も検討したい

  • 手術・薬物療法・放射線治療など、標準治療との組み合わせを相談したい

  • 副作用や体力面に不安があり、今後の治療方針を整理したい

  • ご高齢や持病、全身状態を踏まえて治療の可能性を相談したい

  • 緩和ケアを含む説明を受け、ほかの選択肢についても情報を得たい

  • 患者様ご本人に代わり、ご家族や身近な方から相談したい

治療の適応について

光免疫療法は、すべての患者様に適応となる治療ではありません。現在受けている治療や治療スケジュールも確認しながら、患者様のご状況に応じて検討します。

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腎臓がんは進行すると、肺、骨、リンパ節、肝臓、脳などへ転移することがあり、副腎に病変が見つかる場合もあります。副腎は腎臓のすぐ上にあるため、腎臓の腫瘍が連続して副腎へ広がる場合と、血液の流れを通じて離れた副腎へ転移する場合を区別する必要があります。

また、画像検査で副腎に腫瘤が見つかっても、すべてが腎臓がんの転移とは限りません。本記事では、腎細胞がんを中心に、副腎病変の考え方、症状、検査、標準治療、当院で行う治療の位置づけを解説します。

腎臓がんの副腎転移とは

一般に「腎臓がん」と呼ばれるものの多くは、尿をつくる腎実質から発生する腎細胞がんです。一方、腎盂から発生する腎盂がんの多くは尿路上皮がんであり、腎細胞がんとは標準治療が異なります。

副腎は左右の腎臓の上にあり、コルチゾール、アルドステロン、カテコールアミンなど、血圧や代謝、体がストレスへ対応するために必要なホルモンを分泌しています。

同側副腎への直接浸潤と副腎転移は区別する

副腎への広がり方 病期の考え方
連続した直接浸潤 腎臓の腫瘍が周囲の組織を越え、同じ側の副腎へ連続して広がっている状態です。T4に該当し、遠隔転移がなくてもステージ4として扱われます。
離れた副腎への転移 腎臓の腫瘍と副腎病変が連続しておらず、血液などの流れを通じて副腎へ広がった状態です。遠隔転移としてM1に該当します。
反対側の副腎への転移 原発巣と反対側の副腎に腎細胞がんが転移した状態で、遠隔転移に該当します。

画像上、腎臓の腫瘍と副腎病変が連続しているか、間に正常組織があるかによって病期の考え方が変わります。手術記録や過去の画像との比較も重要です。

腎細胞がんは組織型によって治療が異なる

主な組織型 特徴
淡明細胞型腎細胞がん 腎細胞がんで最も多い組織型です。免疫チェックポイント阻害薬や血管新生を抑える分子標的薬を組み合わせた治療が中心です。
乳頭状腎細胞がん 淡明細胞型とは生物学的な特徴が異なり、薬の選び方が変わることがあります。
嫌色素性腎細胞がん 比較的まれな組織型で、病理診断と病状に応じた治療が必要です。
そのほかの組織型 集合管がん、転座型腎細胞がんなどがあり、専門施設での病理診断や遺伝子検査を検討する場合があります。

副腎の腫瘤がすべて転移とは限らない

副腎には、副腎腺腫などの良性腫瘍が偶然見つかることがあります。腎臓がんと同時に副腎腫瘤が見つかっても、直ちに転移と決めることはできません。

考えられる病変 特徴
腎細胞がんの副腎転移 腎細胞がんの進行や再発に伴って発生します。血流が豊富な病変として描出される場合があります。
副腎腺腫 良性の副腎腫瘍です。ホルモンを分泌するものと、分泌しないものがあります。
褐色細胞腫 カテコールアミンを分泌し、発作的な血圧上昇、動悸、頭痛、発汗などを起こすことがあります。
副腎皮質がん 副腎そのものから発生する悪性腫瘍で、腎細胞がんの転移とは治療方法が異なります。
副腎出血・嚢胞 出血や液体を含む嚢胞が、画像上は腫瘤のように見えることがあります。

副腎転移で見られる症状

片側の副腎に転移があっても、反対側の副腎が機能していればホルモン分泌が保たれるため、自覚症状がないことも少なくありません。腎臓がんの経過観察で行ったCTなどで発見される場合があります。

症状・変化 考えられる原因
脇腹や背中の痛み 腎臓の原発巣や副腎病変が大きくなり、周囲の組織や神経を圧迫すると痛みが出ることがあります。
突然の強い腹痛・背部痛 血流が豊富な腫瘍からの出血が考えられます。冷や汗や血圧低下を伴う場合は緊急の診察が必要です。
強い倦怠感 貧血、腎機能低下、高カルシウム血症、感染症、治療の副作用、副腎不全など複数の原因が考えられます。
食欲低下・体重減少 がんの進行、薬物療法の副作用、栄養状態の低下などによって起こります。
低血圧・立ちくらみ 両側の副腎が広く障害され、コルチゾールやアルドステロンが不足している可能性があります。
低ナトリウム血症・高カリウム血症 血液検査で見つかる異常で、副腎不全や腎機能低下との区別が必要です。

腎臓がんによる緊急症状にも注意する

症状 考えられる状態
血の塊を伴う大量の血尿 腎臓の腫瘍や尿路から出血している可能性があります。血の塊によって尿が出なくなることもあります。
尿量が急に減った 脱水、腎機能の悪化、尿路閉塞などが考えられます。
急な息苦しさや胸痛 肺転移、胸水、血栓症、感染症などの確認が必要です。
強い骨の痛み、急に歩けなくなった 骨転移による病的骨折や脊髄圧迫の可能性があります。
頭痛、けいれん、手足の麻痺 脳転移や脳出血などが考えられ、緊急の画像検査が必要です。

副腎クリーゼが疑われる症状

両側の副腎が広く障害されると、まれに副腎クリーゼと呼ばれる緊急状態になることがあります。

  • 立てないほどの強い脱力やふらつき
  • 意識がぼんやりする、呼びかけへの反応が鈍い
  • 激しい嘔吐や下痢が続く
  • 血圧が低下し、冷や汗や失神が見られる
  • 感染症や発熱をきっかけに急激に体調が悪化した

このような症状がある場合は、当院の治療相談より救急診療を優先してください。副腎皮質ホルモンの補充を受けている方は、自己判断で服用を中断しないことが重要です。

副腎転移を調べる検査

検査では、副腎病変が腎細胞がんの直接浸潤または転移である可能性、ホルモンを分泌する副腎腫瘍ではないか、全身のどこまで病変が広がっているかを確認します。

検査 確認する内容
造影CT検査 腎臓の原発巣と副腎病変が連続しているか、副腎腫瘤の大きさや血流、肺・肝臓・リンパ節への転移を確認します。
MRI検査 腎静脈や下大静脈への腫瘍の広がり、副腎腺腫に特徴的な脂肪成分などを評価します。
骨シンチグラフィ・骨MRI 症状や血液検査などから骨転移が疑われる場合に行います。
脳MRI検査 頭痛、けいれん、麻痺などがある場合に、脳転移の有無を確認します。
血液・尿検査 腎機能、肝機能、血球数、カルシウム、電解質、尿タンパク、血尿などを調べます。
副腎ホルモン検査 コルチゾール、ACTH、電解質などを調べます。必要に応じてカテコールアミンも確認します。
病理検査 画像だけでは診断できず、結果によって治療方針が変わる場合に生検を検討します。

副腎生検は必要性と危険性を確認する

腎細胞がんの転移は血流が豊富な場合があり、生検によって出血する可能性があります。また、褐色細胞腫に気付かず生検すると、急激な血圧上昇などを起こす危険があります。

生検を行う前にホルモン検査、血液の固まりやすさ、病変の位置を確認します。画像所見や過去の経過から診断でき、生検結果によって治療方針が変わらない場合には、生検を行わないこともあります。

腎細胞がんの副腎転移に対する標準治療

副腎転移を伴う腎細胞がんでは、薬物療法による全身治療が中心になります。組織型、転移の部位と数、症状、腎機能、全身状態、過去の治療などを踏まえて治療を選択します。

治療 役割 主な注意点
免疫チェックポイント阻害薬同士の併用 転移性腎細胞がんでは、リスク分類や全身状態に応じて、作用点の異なる免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせる治療を検討します。 肺炎、腸炎、肝炎、腎炎、甲状腺・下垂体・副腎の機能低下などに注意します。
免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬の併用 免疫に作用する薬と、腫瘍の血管新生を抑える薬を組み合わせる治療が広く用いられています。 高血圧、下痢、皮膚症状、肝機能障害、尿タンパク、免疫関連の副作用などを確認します。
分子標的薬 過去の治療内容、組織型、副作用、臓器機能に応じて、血管新生やがんの増殖に関わる分子を標的とする薬を使用します。 高血圧、手足の皮膚症状、下痢、食欲低下、甲状腺機能低下などに注意します。
腎摘除術 原発巣による出血や痛みがある場合、または転移の広がりや薬物療法への反応など一定の条件を満たす場合に検討します。 転移があるすべての患者様に最初から腎摘除術を行うわけではありません。手術後の腎機能も考慮します。
副腎への局所治療 副腎だけ、または限られた数の転移で、ほかの病変が制御されている場合に、手術や定位放射線治療などを検討することがあります。 全身のがん細胞には作用しないため、薬物療法との順序を検討します。
緩和ケア・支持療法 痛み、血尿、倦怠感、食欲低下、不安などを和らげ、生活を支えます。 終末期だけの治療ではなく、がん治療と並行して早期から受けることができます。

薬物療法はリスク分類や組織型を踏まえて選ぶ

転移性腎細胞がんでは、貧血、カルシウム値、血小板数や好中球数、全身状態、診断から治療開始までの期間などを用いたリスク分類が治療選択の参考になります。

淡明細胞型か、それ以外の組織型かによっても推奨される薬が異なる場合があります。治療効果は画像上の腫瘍の大きさだけでなく、症状、腎機能、副作用、生活状況を合わせて判断します。

腎摘除術と副腎摘除術の考え方

腎臓がんの手術を行う場合でも、画像や手術所見で副腎への浸潤・転移が疑われなければ、必ず副腎も摘出するわけではありません。副腎を残せるかどうかは、腫瘍の位置や広がりを確認して判断します。

副腎転移が単独で、ほかの病変が長期間制御され、全身状態が良好な場合には、副腎摘出術を検討することがあります。ただし、すべての患者様で生存期間の延長が確立しているわけではありません。

腎機能を保つことも重要

腎摘除術後やもともと腎機能が低下している患者様では、造影検査や薬物療法を行う際に腎機能を確認します。片方の腎臓を摘出していても、残った腎臓が十分に働いていれば日常生活を送れる場合がありますが、脱水や薬の影響によって腎機能が悪化することがあります。

確認すること 内容
血清クレアチニン・eGFR 残っている腎機能を確認し、造影剤や薬の使用を検討します。
尿タンパク 血管新生を抑える薬によって増加することがあるため、定期的に確認します。
血圧 腎機能低下や分子標的薬によって高血圧が起こることがあります。
水分摂取量 脱水は腎機能悪化の原因になりますが、心不全などがある場合は適切な水分量を主治医へ確認します。

当院で行う光を用いた治療について

当院では、自由診療として、ICGを含むリポソーム製剤と光照射を組み合わせる治療を行っています。原則として1クール6回で実施しますが、腎細胞がんの副腎転移があるすべての患者様に適応できるわけではありません。

腎臓の原発巣と副腎転移では、位置、深さ、周囲の臓器との関係が異なります。副腎は腹部の深い位置にあり、腎臓、胃、腸管、膵臓、肝臓、大血管などに囲まれています。体の外からの照射では光が十分に届かない場合があるため、病変ごとに照射の可否を判断します。

適応判断で確認すること 具体的な確認内容
病理診断 腎細胞がんの組織型と、副腎病変が直接浸潤または転移と考えられる根拠を確認します。
病変の位置と深さ 腎臓の原発巣、副腎病変の左右、大きさ、周囲の臓器や血管との位置関係を確認します。
光を届ける経路 病変ごとに光を照射できるか、安全に実施できる経路があるかを検討します。
全身の転移状況 肺、骨、肝臓、脳、リンパ節など、副腎以外の病変も含めて治療の目的を整理します。
腎機能と全身状態 血清クレアチニン、eGFR、尿タンパク、血球数、肝機能、副腎機能などを確認します。
現在の標準治療 免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、放射線治療などの内容とスケジュールを確認します。

当院の治療は、腎細胞がんの標準治療の代わりになるものではなく、治癒や生存期間の延長を保証するものでもありません。主治医による治療や副腎皮質ホルモンの補充を自己判断で中断せず、標準治療との順序や併用について相談したうえで検討してください。

当院へ相談する際に準備したい資料

  • 診療情報提供書や病理検査結果
  • CT、MRIなどの画像データ
  • 腎摘除術や副腎摘除術を受けている場合は手術記録
  • 免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、放射線治療などの治療歴
  • 最近の血清クレアチニン、eGFR、尿タンパクなどの検査結果
  • 現在使用している薬と持病の情報

すべての資料がそろっていなくても相談できます。不足している画像検査などは、必要に応じて当院の提携先医療機関で撮影を手配できる場合があります。まずは手元にある資料をお知らせください。

まとめ

要点 内容
副腎病変の位置づけ 腎臓の腫瘍が同側副腎へ連続して広がる直接浸潤と、離れた副腎への遠隔転移を区別します。
診断 副腎腺腫などの良性病変もあるため、CT、MRI、ホルモン検査、過去の画像との比較などが必要です。
症状 片側の副腎病変では無症状のことが多い一方、両側が広く障害されると副腎不全を起こす可能性があります。
標準治療 転移性腎細胞がんでは、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬による全身治療が中心です。
局所治療 副腎だけ、または限られた数の転移でほかの病変が制御されている場合に、手術や定位放射線治療を検討することがあります。
当院の治療 組織型、病変の位置と深さ、照射経路、腎機能、現在の標準治療などを確認し、適応を個別に判断します。

腎細胞がんの副腎病変では、直接浸潤か遠隔転移か、副腎腺腫などの別の病変ではないかを確認することが大切です。治療は腎臓と副腎だけでなく、全身の転移、組織型、腎機能、これまでの治療効果を総合して検討します。

よく見られている記事一覧

記事名
腎臓がんの転移しやすい部位と治療の考え方
腎臓がん(ステージ4)のリンパ節転移の特徴と治療の選択肢
腎臓がんの骨転移による痛み・骨折リスクと治療の選択肢
腎臓がんの肝転移の症状・検査・治療の選択肢

参考文献・公的情報

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