光免疫療法は、光に反応する薬剤を点滴で投与し、がん細胞に集まった薬剤へ近赤外線を照射することで、がん細胞へのアプローチを目指す治療法です。
薬剤ががん細胞に集まりやすい性質を利用し、照射によって活性酸素を発生させることで、がん細胞を内側から攻撃することを目的としています。
東京がんクリニックでは、以下のようなお悩みをお持ちの方からのご相談も承っております。
- 再発・転移があり、治療の選択肢を探している方
- 標準治療との併用を検討されている方
- 抗がん剤治療の休薬中に相談先を探している方
- ご高齢などの理由で治療方針にお悩みの方
- 緩和ケアを勧められ、他の可能性も検討したい方
- ステージに関わらず、今後の治療について相談したい方
がん治療の選択肢の一つとして、光免疫療法についてもご相談ください。
以下のバナーをクリックすると、東京がんクリニックの光免疫療法ページをご覧いただけます。
直腸がんの治療後、胸部CTで「肺に影がある」と伝えられると、肺転移なのか、治療できるのかと不安になる方は少なくありません。直腸がんの肺転移はステージ4に分類されますが、病変が肺に限られ、安全に取り切れると判断されれば、手術などの局所治療を検討できることがあります。一方、肺の小さな結節がすべて転移とは限らず、原発性肺がんや良性病変との見分けが必要です。本記事では、症状、検査、切除可能性の考え方、治療選択肢、当院に寄せられるご相談を解説します。
直腸がんの肺転移とは

直腸から離れた肺へ転移する仕組み
肺転移とは、直腸に発生したがん細胞が血液やリンパ液の流れに入り、肺に到達して増殖した状態です。肺にできた病変であっても、細胞の性質は肺がんではなく直腸がんです。そのため、薬物療法を行う場合は原発性肺がんの薬ではなく、基本的に直腸がんに対する薬を選びます。
直腸から戻る血液の一部は肝臓を経由せず肺へ向かうため、直腸がんでは肺に転移が現れることがあります。肝転移と同時に見つかる場合も、直腸の手術から数年後に肺だけで見つかる場合もあります。再発の場所や時期には個人差があり、遅い時期に見つかったからといって、それだけで治療ができないとは限りません。
肺転移があるとステージ4に分類される
肺は直腸から離れた臓器であるため、肺転移が確認されればステージ4です。ただし、ステージ4という言葉だけで治療方針や見通しが一律に決まるわけではありません。肺転移の個数、位置、大きさ、増え方、片肺か両肺か、ほかの臓器にも転移があるか、直腸の病変が制御されているかによって、治療の目的と選択肢は大きく異なります。
直腸がんの再発・転移全体の考え方は「直腸がんの再発・転移」、ステージ4の治療方針は「直腸がんステージ4」でも詳しく説明しています。
肺転移と原発性肺がんは治療が異なる
直腸がんの既往がある方の肺結節でも、直腸がんの転移とは限りません。新たに発生した原発性肺がん、炎症後の瘢痕、非結核性抗酸菌症などの感染症、良性腫瘍の場合があります。画像の形や増大速度、喫煙歴、過去のCTとの比較などから可能性を絞りますが、画像だけでは確定できないこともあります。
転移と原発性肺がんでは手術の範囲や薬物療法が異なります。結論を急がず、必要に応じて呼吸器外科、呼吸器内科、放射線診断科、消化器がんを担当する医師が画像を共有して判断することが大切です。
小さい肺転移は症状がないことが多い
肺転移は、病変が小さい段階では自覚症状がないことが多く、直腸がん治療後の定期的な胸部CTで初めて見つかります。症状がないから転移ではない、症状があるから進行している、と単純には判断できません。検査の間隔は治療後の年数や再発リスク、これまでの経過によって決めます。
咳・息切れ・血痰などが現れることもある
| 症状 | 確認したい点 |
|---|---|
| 長く続く咳 | 始まった時期、痰、発熱、感染症の有無 |
| 息切れ・息苦しさ | 安静時か動作時か、急に悪化したか |
| 胸の痛み | 呼吸で変化するか、痛む場所と強さ |
| 血痰 | 量、回数、鮮血か、抗凝固薬の使用 |
これらは肺転移に特有の症状ではなく、肺炎、気管支炎、血栓症、心疾患、薬の副作用でも起こります。突然の強い息苦しさ、多量の血痰、胸痛、意識がぼんやりする状態がある場合は、予約日を待たず救急受診を検討してください。
胸水を伴うと呼吸が苦しくなる場合がある
肺の表面を覆う胸膜に病変が及ぶなどして胸水が増えると、肺が広がりにくくなり、息切れや胸の圧迫感が現れることがあります。胸水の原因はがんだけではないため、画像、血液検査、必要に応じた胸水検査を組み合わせます。詳しくは「直腸がんステージ4の胸水」をご覧ください。
肺転移を調べる検査と切除可能性の判断

胸部CTで個数・位置・大きさを確認する
肺転移の評価で中心となるのは薄い断面で撮影する胸部CTです。結節の個数、大きさ、形、肺の表面や気管支・血管との位置関係、両肺にあるかを確認します。過去のCTと並べ、同じ場所の影がどの程度の速さで変化したかを見ることも重要です。手術を検討するときは、取り切れるかだけでなく、切除後に十分な肺機能を保てるかも評価します。
PET-CTは全身の病変を探す補助検査
PET-CTは、肺以外の転移や再発を調べる際に役立つことがあります。ただし、小さな肺結節はPET-CTで集積が見えない場合があり、炎症でも集積するため、PET-CTだけで転移の有無を確定することはできません。造影CTや肝MRIなどを追加し、全身の病変を総合的に確認することがあります。
腫瘍マーカーと血液検査の役割
CEAやCA19-9などの腫瘍マーカーは、経時的な変化が再発を疑う手がかりになることがあります。しかし、肺転移があっても正常値の方がおり、良性疾患や喫煙などで上昇する場合もあります。数値だけで診断や治療効果を決めず、画像所見、症状、診察結果と合わせて判断します。血液検査では肝臓・腎臓・骨髄の機能も調べ、造影検査や薬物療法を安全に行えるか確認します。
原発性肺がんや良性結節との鑑別
肺結節の輪郭、内部の性状、胸膜との関係、増大の仕方は鑑別の参考になります。とはいえ、典型的でない病変もあります。数ミリの小さな結節では、すぐに針生検をしても正確な組織を採れないことがあり、一定期間後にCTを再撮影して変化を確認する方が安全で有用な場合があります。
組織検査が必要になる場合
診断によって治療が大きく変わり、かつ安全に検体を採取できる場合は、気管支鏡検査、CTガイド下針生検、手術による切除生検を検討します。一方、出血や気胸などの合併症リスクがあり、場所や大きさによって診断率も変わります。画像と経過から肺転移の可能性が高く、切除が治療と診断を兼ねる場合には、事前の針生検を行わず手術することもあります。
肺以外の転移も同時に評価する
局所治療の適否を考えるには、肺だけでなく肝臓、リンパ節、腹膜、骨などを確認します。直腸がんでは肝転移を伴うことがあり、治療の順番を多職種で検討します。「直腸がんステージ4の肝転移」「直腸がんのリンパ節転移」「直腸がんステージ4の骨転移」も参考にしてください。
切除可能性は個数だけでは決まらない
| 評価項目 | 確認する内容 | 判断への影響 |
|---|---|---|
| 直腸の病変 | 制御済み、または制御可能か | 局所治療の前提を確認 |
| 肺転移の分布 | 数、両側性、血管との位置関係 | 完全切除と温存範囲を検討 |
| 肺外病変 | 肝臓などの病変を制御できるか | 全身治療や順序を検討 |
| 全身・肺機能 | 呼吸機能、持病、手術耐容性 | 安全に局所治療できるか判断 |
一般に、原発巣が制御されているか制御可能で、肺外病変がないか制御可能であり、肺病変を完全切除でき、切除後の呼吸機能が保てることが重要です。複数個や両側にあっても切除できる場合がある一方、1個でも肺の中心部で重要な血管や気管支に近いと広い切除が必要になることがあります。画像を呼吸器外科医が直接確認することが欠かせません。
直腸がんの肺転移に対する治療

手術で完全切除を目指せる場合
病変が肺に限局するなど一定の条件を満たす場合、長期的な病勢制御を目指して肺切除を検討します。手術が適しているかは、再発までの期間、腫瘍マーカー、病変の個数や増大速度、リンパ節転移の疑い、これまでの治療歴も含めて判断します。手術の効果と、肺機能低下や合併症のリスクを比較し、本人の希望も確認します。
部分切除・区域切除・肺葉切除の違い
肺の表面に近い小さな病変では、周囲に十分な余裕をつけて病変をくさび状に切除する部分切除が選ばれることがあります。肺の一部を解剖学的な単位で切除する区域切除、1つの肺葉を切除する肺葉切除が必要なこともあります。直腸がん肺転移では、再度の肺転移に備えて正常肺をできるだけ残す考え方が重視されますが、確実な切除との両立が必要です。
多発・両側病変でも手術を検討できることがある
複数または両肺の病変でも、すべて取り切れて十分な肺機能を残せると判断されれば、同時または時期を分けた手術を検討することがあります。ただし、画像で見える病変以外にも微小転移がある可能性が高いと考えられるときは、先に薬物療法を行い、病勢の動きを確認する場合があります。
薬物療法で全身の病変を抑える
切除できない肺転移、肺外にも病変がある場合、再発リスクが高い場合には、薬物療法が治療の中心となります。フッ化ピリミジン系薬、オキサリプラチン、イリノテカンなどを組み合わせ、RAS・BRAFなどの遺伝子変化、MSI検査、HER2などのバイオマーカー、これまでの治療、副作用、体力を踏まえて分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を選ぶことがあります。
治療の目的は、病変を小さくすること、増大を抑えること、症状を和らげることです。画像で縮小しても自己判断で中断せず、しびれ、下痢、皮膚症状、血圧上昇などの副作用を早めに伝えながら治療強度を調整します。
薬物療法後に局所治療へ移る場合
当初は切除困難でも、薬物療法で病変が縮小し、ほかの新しい転移が現れず、完全切除が可能になれば手術へ移ることがあります。これをコンバージョン治療と呼びます。反対に、縮小したように見えても広い肺切除が必要であったり、肺外病変を制御できなかったりすれば、薬物療法を継続する方がよい場合があります。治療途中でも局所治療の可能性を定期的に再評価することが重要です。
体幹部定位放射線治療
体幹部定位放射線治療は、限られた肺病変に対して複数方向から放射線を集中させる方法です。手術が難しい方や手術を希望しない方で検討されることがあります。病変の大きさや気管支との位置関係によって適否が異なり、放射線肺炎、咳、息切れなどの副作用に注意が必要です。手術との優劣は個々の条件で異なるため、放射線治療医と呼吸器外科医の両方から説明を受けると選択しやすくなります。
ラジオ波焼灼療法などの局所療法
画像で確認しながら針を病変に進め、熱で治療するラジオ波焼灼療法などが検討されることがあります。全身状態や病変の位置・数によっては選択肢になりますが、気胸、出血、周囲臓器への影響などのリスクがあります。実施できる施設が限られ、すべての病変に適するわけではないため、経験のある専門医による評価が必要です。
治療後も胸部CTで経過を追う
手術や放射線治療で画像上の病変がなくなっても、再発する可能性は残ります。胸部CT、腹部画像、腫瘍マーカーなどで肺と全身を定期的に確認します。検査間隔は治療内容、再発リスク、治療後の期間で変わります。新しい結節が見つかった場合も、再切除、放射線治療、薬物療法などを再度検討できることがあります。
直腸がんの肺転移について当院に寄せられるご相談

当院には、「肺に影があると言われたが転移か確定していない」「手術はできないと言われたが別の局所治療はないか」「抗がん剤を先に行う理由を理解したい」といった相談が寄せられます。肺転移の方針は、最新のCTだけでなく、以前の画像との変化、直腸がんの病理結果、これまでの治療、肺外病変、呼吸機能を並べて初めて具体化できます。ここでは、相談の多い場面ごとに確認点を説明します。
「肺転移を手術できますか」
手術可否を判断する際は、病変の数だけでなく、すべてを十分な切除範囲で取り切れるか、切除後の肺機能が保てるか、原発巣と肺外病変が制御可能かを確認します。「1個だから必ず手術」「複数だから必ず手術不可」ではありません。胸部CTの薄い断面画像を呼吸器外科医が確認し、必要に応じて呼吸機能検査を行います。
「多発・両側でも局所治療はできますか」
両肺に複数の病変があっても、病変が小さく肺の外側にあり、肺を十分残せるなら手術を検討できる場合があります。一方、病変数が短期間に増えているときは、画像に映らない微小転移も考え、先に全身治療を行うことがあります。手術、定位放射線治療、薬物療法を組み合わせられるかを多職種で検討します。
「転移か原発性肺がんか分かりません」
この相談では、肺結節の形や場所、増大速度、直腸がんの組織型、喫煙歴、腫瘍マーカーを確認します。診断結果で治療法が変わる場合は組織検査を検討しますが、小ささや位置によっては生検の利益より気胸などの不利益が上回ります。短期間のCT追跡、切除生検、気管支鏡・針生検のどれが合理的かを整理します。
「数ミリの結節を経過観察して大丈夫ですか」
数ミリの結節は、画像だけで性質を決めにくく、生検も難しいことがあります。過去画像に同じ影がないか、何か月でどの程度変化したか、ほかの再発所見がないかを確認し、適切な間隔で再撮影することがあります。経過観察は放置ではなく、診断精度と検査リスクの釣り合いを考えた計画的な評価です。次回CTの時期と、咳や血痰など受診を早める症状を明確にしておきます。
「抗がん剤の後に手術できますか」
薬物療法後の画像で、すべての病変を切除できる状態になったか、新しい転移が出ていないか、手術に耐えられる体力があるかを再評価します。薬が効いたことだけで手術が決まるわけではありません。また、病変が小さくなりすぎると手術時に位置を確認しにくいこともあるため、薬物療法を始める前から呼吸器外科を含めて治療順序を検討する意義があります。
「手術と定位放射線治療のどちらがよいですか」
手術は病変を取り出して病理診断ができる一方、麻酔や肺切除による負担があります。定位放射線治療は切開を伴いませんが、病理診断はできず、病変の場所によって副作用リスクが変わります。年齢だけで決めず、呼吸機能、持病、病変の位置、再発時に残したい選択肢、通院の負担、本人の価値観を比較します。
「肝転移もある場合はどちらを先に治療しますか」
肝臓と肺の両方に病変があっても、双方を制御できる見込みがあれば局所治療を組み合わせる場合があります。どちらを先に治療するかは、増大速度、切除の難しさ、症状、肝機能、全身治療への反応で異なります。同時手術か二期的手術か、先に薬物療法を行うかを、消化器外科、呼吸器外科、腫瘍内科が共同で検討します。
「肺手術後に抗がん剤は必要ですか」
肺転移を完全切除した後の薬物療法は、再発リスク、これまでに受けた薬、手術までの経過、副作用、本人の希望を踏まえて検討します。すべての方に同じ利益が確立しているわけではないため、期待できる効果としびれなどの負担を具体的に確認します。「念のため」という言葉だけで決めず、治療する場合と経過観察する場合の根拠を聞くことが大切です。
「肺を手術した後に再発しました」
再発した場所が肺だけか、ほかの臓器にもあるかを確認します。肺機能が保たれ、再び完全切除できる場合は再手術を検討することがあります。定位放射線治療や薬物療法が適する場合もあります。前回手術から再発までの期間、病変の増え方、前回の病理結果を含めて、今回の治療目標を整理します。
「どの症状なら急いで受診すべきですか」
突然または急速に悪化する息苦しさ、多量の血痰、強い胸痛、唇が紫色になる、意識がぼんやりする、高熱を伴う呼吸症状は、肺転移以外にも肺塞栓や重い感染症などの可能性があります。診療時間外でも救急要請を含めて早急に受診してください。少量の血痰や続く咳も、量や回数を記録して早めに治療施設へ連絡します。
セカンドオピニオンで用意したい資料
| 資料 | 確認できる内容 |
|---|---|
| 直近と過去のCT画像 | 結節の増大速度、個数、位置の変化 |
| 病理診断書 | 直腸がんの組織型、肺病変の病理 |
| 手術記録・退院要約 | 原発巣の治療範囲と術後経過 |
| 薬物療法の記録 | 薬剤名、回数、効果、副作用 |
| 血液検査・遺伝子検査 | 腫瘍マーカー推移と薬の選択材料 |
画像は報告書だけでなく、可能であればDICOM形式の実画像を用意してください。相談したいことを「診断の確かさ」「手術で取り切れるか」「手術以外の局所治療」「薬物療法の順番」のように書き出すと、限られた時間で具体的な回答を得やすくなります。
まとめ
- 肺転移があっても治療選択肢は一律ではない
- 小さな肺転移は症状がないことが多い
- 肺結節は原発性肺がんとの鑑別も必要
- 切除可能性は個数だけでは決められない
- 肺外病変と呼吸機能を同時に評価する
- 薬物療法後に局所治療へ移る場合がある
- 急な息苦しさや多量の血痰は救急受診する
直腸がんの肺転移はステージ4に分類されますが、肺に限局し完全切除が見込める場合は手術を検討でき、状況により定位放射線治療や薬物療法なども選択肢になります。大切なのは、肺結節が本当に転移かを見極め、過去のCTとの変化、肺外病変、呼吸機能を含めて判断することです。治療法を一つに急いで決めず、消化器がんと呼吸器の専門家が連携し、治療の目的、期待できる効果、負担を比較して納得できる方針を選びましょう。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。



