1. 前立腺がんステージ4とは
前立腺がんは、がんが前立腺の外へ広がった場合、ステージ4と診断されます。特に骨転移を伴う場合は、がん細胞が血流やリンパの流れに乗って骨に浸潤した状態です。
前立腺がんは骨転移を起こしやすく、ステージ4の患者様の多くで骨転移が確認されます。
2. 骨転移の症状と影響
骨転移の主な症状として、以下が挙げられます。
症状 | 説明 |
---|---|
骨の痛み | 特に腰椎、骨盤、大腿骨などに発生しやすい |
骨折のリスク | 骨がもろくなり、わずかな衝撃でも骨折することがある |
神経圧迫症状 | 転移が脊椎に及ぶと、麻痺やしびれを引き起こす |
高カルシウム血症 | 骨の破壊によってカルシウムが血中に流出し、倦怠感や意識障害を起こすことがある |
これらの症状は患者様のQOL(生活の質)に大きく影響を与えます。
3. ステージ4前立腺がんの標準治療
骨転移を伴う前立腺がんの治療は、以下のような選択肢があります。
治療法 | 説明 |
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ホルモン療法(アンドロゲン遮断療法:ADT) |
前立腺がんの進行を抑えるために、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑制する治療。 一般的にはLH-RHアゴニストやアンタゴニスト、抗アンドロゲン薬を使用。 長期的には耐性が生じる可能性があり、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)へ進行することがある。 |
抗がん剤(ドセタキセル、カバジタキセル) |
ホルモン療法が効かなくなった場合に用いられる。 副作用として白血球減少、倦怠感、脱毛、末梢神経障害などがある。 |
放射線治療 |
痛みの緩和や骨折予防を目的として、骨転移部位に照射する。 全身的な進行がんの抑制効果は限定的。 |
放射性医薬品(ラジウム-223) |
骨転移のある患者様に対して、骨に集積しがん細胞を攻撃する放射性医薬品を使用。 痛みの軽減や生存期間の延長が期待できる。 |
新規ホルモン療法(アビラテロン、エンザルタミド) |
去勢抵抗性前立腺がんに対して、アンドロゲンの産生や作用を抑える。 一部の患者様では標準ホルモン療法より高い効果が見られる。 |
4. 光免疫療法の可能性
標準治療が適応できない患者様や、副作用の影響で継続が難しい方に対して、光免疫療法が選択肢となる場合があります。
特徴 | 説明 |
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がん細胞を特異的に攻撃 | 光感受性物質(薬剤)をがん細胞に集積させ、特定の波長の光を照射することでがん細胞を破壊 |
副作用が少ない | 正常な細胞への影響が抑えられるため、従来の抗がん剤や放射線治療と比べて負担が少ない |
局所治療の選択肢として有効 | 転移が限局的である場合や、痛みの軽減を目的として適応されることがある |
5. 当院での光免疫療法の適応
当院では、前立腺がんステージ4で標準治療が困難な患者様に光免疫療法を提供しています。
治療を希望される方は、個別相談を受け付けております。
光免疫療法の詳細についてはこちらをご覧ください。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。