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直腸がん(ステージⅣ)の「肝転移の特徴と光免疫療法を含めた治療選択肢」

直腸がん(ステージⅣ)肝転移とは

直腸がんは、大腸がんの一種で、直腸(大腸の末端部)に発生する悪性腫瘍です。
ステージⅣとは、がんが原発巣から離れた臓器やリンパ節に遠隔転移した状態を指し、TNM分類ではM1(遠隔転移陽性)に該当します。
直腸がんの遠隔転移で最も頻度が高いのは、肝臓(約50~60%)、次に肺、骨、脳となります。
肝転移は、門脈経由でがん細胞が肝臓に到達することで発生し、ステージⅣの患者の約20~25%が初診時に肝転移を伴うとされています。
この段階では、根治(完治)が困難な場合も多く、治療の主な目標は生存期間の延長とQOL(生活の質)の維持・向上となります。
患者様の全身状態(PS)、転移の範囲、がんの特徴を基に、個別化された治療計画が立案されます。

肝転移の特徴と治療の難しさ

肝臓は、血流が豊富で、大腸からの門脈血が直接流入するため、がん細胞が定着しやすい環境にあります。
直腸がんの肝転移は、単発(1~2個)から多発(多数の転移巣)まで様々であり、転移巣の数、大きさ、位置が治療方針に影響します。
主な特徴と課題は以下となります。

●高い転移頻度:直腸がんのステージⅣ患者の50%以上で肝転移が確認され、初診時に同期性転移または異時性転移(治療後に発生)がみられる。
●外科的切除の可能性:単発または少数の転移巣で、肝機能が保たれ、重要な血管・胆管から離れている場合、肝部分切除が検討されます。
●切除不能の課題:多発転移、門脈や肝静脈近傍の腫瘍、肝予備能の低下、他の臓器(肺、骨)への同時転移、患者様の全身状態不良(PS 2以上)は手術が困難となる。化学療法や局所療法で縮小後、切除可能となるケースは少ない。
●症状と合併症:肝転移による黄疸、腹痛、肝機能障害はQOLを低下させ、治療の忍容性を制限する。

肝転移の管理には、腫瘍縮小、症状緩和、肝機能維持を目的とした多角的アプローチが必要となります。

標準治療の内容と限界

直腸がんステージⅣの標準治療は、全身化学療法が中心となり、分子標的薬や免疫療法を組み合わせることで生存期間とQOLの向上が図られます。
主な治療法とその限界は以下となります。

●化学療法:
 ・FOLFOX:奏効率約50%、PFS(無増悪生存期間)約9ヶ月。神経毒性が主な副作用となる。
 ・FOLFIRI:奏効率約50%、PFS約8.5ヶ月。消化器症状(下痢、悪心)、好中球減少が課題。
 ・FOLFOXIRI:奏効率約65%、PFS 12.1ヶ月、OS(全生存期間)31ヵ月と優れているが、毒性(下痢、骨髄抑制)が強く、PS 0~1の患者に限定される。

化学療法は腫瘍縮小や進行抑制に有効ですが、完全奏効はまれであり、薬剤耐性による再増悪が課題となります。
副作用(倦怠感、消化器症状、神経障害)はQOLを低下させ、治療継続が困難な場合があります。

●分子標的薬:
 ・抗VEGF薬(ベバシズマブ、ラムシルマブ):血管新生を抑制し、FOLFOXやFOLFIRIとの併用でPFSを延長。肝転移の壊死を促進し、切除率を向上させる。
 ・抗EGFR薬(セツキシマブ、パニツムマブ):RAS野生型の左側結腸・直腸がんに有効。皮膚毒性(発疹)が主な副作用。

分子標的薬は化学療法の効果を増強しますが、RAS/BRAF変異やMSI-Hの有無で適応が異なります。

●免疫療法:MSI-H/dMMR(微小衛星不安定性高/ミスマッチ修復欠損)の患者様にペンブロリズマブ(キイトルーダ)が有効。

限界:
・化学療法や分子標的薬は、肝転移の多発例や肝予備能低下例で効果が不十分な場合がある。完全切除に至る割合は10~30%に限られます。
・副作用(神経毒性、皮膚障害、骨髄抑制)は、高齢者やPS 2以上の患者様で忍容性が低く、治療中断リスクが高くなる。
・薬剤耐性や腫瘍の分子異質性が再増悪を招いてしまい、長期生存(5年以上)は10%未満となる。

そのため、標準治療は個別化が求められ、遺伝子の特性、原発腫瘍の位置、患者様の全身状態に基づく選択が重要となります。

切除不能な肝転移への対処法

切除不能な肝転移(多発、血管近傍、肝機能低下、他の転移併存)には、化学療法に加え、局所療法や支持療法が検討されます。

●局所療法:
 ・肝動脈化学塞栓療法(TACE):抗がん剤を肝動脈に注入し、塞栓物質で血流を遮断します。腫瘍縮小率30~50%、症状緩和に有効。
 ・ラジオ波焼灼術(RFA):高周波で腫瘍を焼灼し、2~3cm以下の単発転移に有効。局所制御率80~90%だが、多発転移や血管近傍では困難となる。
 ・選択的内部放射線療法:イットリウム-90マイクロスフェアを肝動脈に注入し、放射線で腫瘍を攻撃する。肝機能障害リスクあり。
 ・定位放射線療法(SBRT):高精度放射線で転移巣を標的とする。局所制御率70~90%、多発転移にも適用可能。

●支持療法:
 ・疼痛管理、黄疸対策、栄養サポートはQOL向上に必須となる。
 ・早期緩和ケアの導入は、生存期間を1~3ヶ月延長し、精神的負担を軽減する。

限界:
・局所療法は転移巣の数や位置、肝機能に依存し、全身転移には効果が限定的である。
・費用や合併症(肝不全、胆管炎)が課題。
・多発転移やPS 2以上の患者では、化学療法の併用が必須だが、副作用管理が複雑となる。

切除不能例では、化学療法で縮小を図り、切除可能化を目指す戦略が10~30%で成功しますが、成功率は転移の範囲に依存します。

選択肢としての光免疫療法

光免疫療法は、がん細胞に集まりやすい特殊な薬剤を投与し、そこに特定の波長の光を照射することでがん細胞だけを攻撃する治療法です。
正常な組織への影響を抑えながら、直腸がんのがん細胞を標的にできる点が特長です。
全身状態が不安定な患者様でも、局所的な照射が可能な場合には、比較的体への負担が少ない治療として検討されることがあります。
ただし、直腸がんにおいては、光の照射が可能な病変かどうか、また照射機器が届く位置にあるかといった条件を慎重に確認する必要があります。
病変の位置や深さによっては、治療が難しいケースもあるため、適用可否については医師による詳細な判断が求められます。
以下より、当院の光免疫療法の詳細についてご確認いただけます。

治療選択の際に大切なこと

直腸がんステージⅣ、特に肝転移を伴う場合、治療方針は以下の要素を総合的に考慮して決定されます。

●全身状態:PS(0~4)、併存疾患(糖尿病、心疾患)、肝機能、栄養状態。
●がんの特性:転移の数・大きさ・位置、RAS/BRAF変異、MSI-H/dMMRの有無、原発腫瘍の位置。
●治療反応:化学療法や分子標的薬の奏効期間、副作用の程度、画像評価での縮小率。
●患者様の希望:QOL重視(副作用軽減、在宅治療)、生存期間を優先。

標準治療(FOLFOX、FOLFIRI、分子標的薬)は生存期間を延長しますが、副作用や耐性により限界があります。
標準治療に加え、光免疫療法のような治療選択肢も含めて、複数の手段を組み合わせることで、生活の質の向上や生存期間の延長が期待できる可能性があります。
当院の光免疫療法は、標準治療と併用可能なため、直腸がん(大腸がん)治療を受けられている方でも一度ご相談ください。

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