末期舌がんと光免疫療法の可能性
舌がんの概要
舌がんは、口腔がんの一種で、舌の表面や側面、裏面などの細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍です。
主に扁平上皮がんが大半を占め、初期段階では治療成功率が高いものの、発見が遅れると進行しやすくなります。
発症の原因は完全には解明されていませんが、喫煙、過度な飲酒、ヒトパピローマウイルス（HPV）感染、慢性的な刺激（鋭い歯や義歯による）、口腔衛生不良などがリスク因子として知られています。
日本では年間5千人以上が舌がんと診断され、死亡者数は約2千人と推定されています。
この記事では、末期（ステージⅣ）の舌がんと、光免疫療法の可能性について解説します。
手遅れと言われる舌がんとは
「手遅れ」と言われる舌がんとは、末期状態であるステージⅣを指し、がんが舌を超えて首のリンパ節や遠隔臓器（肺、肝臓、骨など）に転移した状態です。
ステージⅣでは、局所的な高度浸潤や広範囲な転移が特徴で、特に頸部リンパ節への転移が顕著です。
症状としては、舌の激しい痛み、飲食や嚥下の困難、味覚障害、発話障害（ろれつが回らない）、呼吸困難、口臭、顔面の腫れや変形が現れます。
また、転移に伴い、肺転移による咳や呼吸困難、骨転移による骨痛なども現れることがあります。
舌がんは、種類や生活習慣などの要因にも影響されますが、進行が比較的速く、末期では予後が厳しくなる傾向があります。
末期の舌がんの治療について
末期の舌がんの治療は、患者様の全身状態や転移の程度に基づいて計画されます。
主な治療法は、化学療法と放射線療法の併用が行われ、がんの進行抑制や症状緩和を目指します。
手術は、局所症状（出血や閉塞）の緩和や診断目的で限定的に行われる場合がありますが、広範な切除は機能障害（話す・食べる能力の喪失）を引き起こすため、慎重に判断されます。
また、支持療法と緩和ケアが重要な役割を果たし、痛みや栄養不良、精神的な負担を軽減します。
末期の舌がんにおける治療の課題
末期の舌がんの治療には、上記のようなものが代表的ですが、いくつかの課題も存在します。
最大の課題は、根治が困難であることであり、転移が広がった状態ではがんを完全に取り除くのはほぼ不可能となります。
手術は、舌や周辺組織の広範な切除が必要となり、重大な機能障害やQOL（生活の質）の低下を招くリスクがあります。
また、化学療法や放射線療法の副作用（口腔粘膜炎、味覚障害、倦怠感）が重く、患者様の体力次第で耐えられない場合も多いです。
そして、標準治療による延命効果も限定的であり、数ヵ月程度に留まることが現実的といえます。
「手遅れ」と診断された場合の光免疫療法の適用
「手遅れ」と言われる末期舌がんでも、当院の光免疫療法が適用可能な場合があります。
特に、遠隔転移を伴うケースや、従来の治療が困難な患者様に対して、状態に応じた適応が期待できます。
舌がんが末期状態まで進行し、化学療法や手術が適用できない場合でも、光免疫療法は新たな選択肢となり得る可能性があります。
QOLを維持しながら治療を受けられたい方は、当院まで一度ご相談ください。
光免疫療法のメカニズム
光免疫療法とは、特定の光感受性薬剤を投与し、がん細胞に集積させた後、特定の波長のレーザー光を照射してがん細胞を破壊する治療法です。
薬剤はがん細胞に選択的に結合し、光で活性化することで正常細胞への影響を最小限に抑えます。
この特性から、副作用が少なく、治療負担が軽いといったメリットがあり、末期の舌がん治療に新たな希望をもたらします。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認いただけます。
光免疫療法は末期がん治療と緩和ケアの融合治療
光免疫療法は、末期舌がん患者様の緩和ケアを考慮した治療法でもあります。
がん細胞を直接攻撃しながら、痛み、腫れ、飲食困難などの症状軽減にも寄与し、治療と緩和ケアの両立が可能となります。
病巣に選択的に作用するため、健康な組織へのダメージを抑え、QOLの維持や向上が期待できます。
まとめと今後の展望
末期の舌がん（ステージⅣ）は、手術、放射線療法、化学療法、支持療法を組み合わせた治療が行われますが、根治の難しさや副作用の重さが課題となります。
光免疫療法は、ステージに影響されにくく、副作用が少ないという特徴があり、標準治療では限界を迎えた患者様にも適用可能な場合があります。
当院では光免疫療法の実績を積んでおり、従来の治療以外の選択肢を求める方へ、一度ご相談をお勧めします。
医療技術の進歩により、末期舌がん患者様がより良い生活を維持できるよう、治療の可能性を広げていくことを目指しています。
【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。
