5分で納得!!放射線、粒子線、 陽子線、重粒子線ってどんながん治療?

放射線、粒子線、 陽子線、重粒子線ってどんながん治療?

がんの治療を調べている際に、放射線治療をはじめに粒子線治療、陽子線治療、重粒子線治療といった治療が関連して出てくると思いますが、具体的にどのように違うのかと聞かれるとなかなか理解することが難しいと思います。

簡単に言ってしまうと、陽子と重粒子は粒子にまとめられ、粒子線は放射線の一種で以下のような図で表すことができます。

放射線、粒子線、 陽子線、重粒子線分類

そのため大まかに言ってしまうとこれらはいずれも放射線治療と一括りになってしまいますが、実際の治療において放射線治療と陽子線治療、重粒子線治療では違いがあります。

今回は、大まかに放射線治療、粒子線治療、陽子線治療、重粒子線治療の4つの治療法について簡単に理解して頂けるように解説していきたいと思います。

がんの放射線治療について

放射線治療については、多くの方がご存じかと思われますが、簡単に説明させて頂きます。
放射線治療は、外科治療と薬物療法と同じくがんの標準治療の1つです。

外科療法と同様に局所に対して行われる治療法ですが、外科療法と異なりがんの浸潤している部位を摘出することなく、放射線を患部へ照射することによって治療が可能であり、胸部のX線撮影と同じく放射線を照射した際に、熱や痛みは感じることなく治療が受けられることも特徴です。
放射線治療は、がんの根治または緩和時には予防を目的として行われ、また標準治療や光免疫療法のような治療と併用して行われることもあります。

放射線は物理的性質として電磁波と粒子に分類されており、がん治療のような医療で用いる際には人工的に放射線をつくっています。
放射線治療は、がん細胞における遺伝子DNAに傷がつきやすく修復力が弱い性質に着目して、医療用の高エネルギーの放射線によって細胞内のDNAを切断することでがん細胞にダメージを与えます。

がんの粒子線治療について

がんの粒子線治療は治療法として陽子線治療と重粒子治療に加えて別の治療であるという方も少なくありませんが、粒子線治療は「陽子線治療」と「重粒子治療」の総称を指しており、粒子線治療は放射線治療に含まれます。
粒子線治療は粒子性放射線を照射することで治療が行われ、ブラックピークから病変に対して高線量を集中させることが可能であるためがん細胞への殺傷能力が高いことが特徴です。
放射線治療ではこのブラックピークが利用されておらず、放射線治療を行なった際に感受性が低いがん細胞への有効性が見込めることも特徴です。
また一つ難しい点を挙げると粒子を加速させるためにはサイクロトロンを要することから設置する際に大きな規模が求められますが、技術の進歩とともに小型化していき、現在では医療用に使いやすくしたサイクロトロンが用いられています。

がんの陽子線治療について

がんの陽子線治療は、粒子線治療の一種です。
また陽子線治療はサイクロトロンで陽子を加速させたビームを体外照射することで病変を攻撃していく治療のことを指します。
陽子線は重粒子線と照射する際の元素の種類が異なっているだけで、原理としては同じです。
陽子線治療で用いられている「陽子」は水素の原子核から電子を1個失った状態の一価の陽イオン(プロトン)の状態です。

がんの重粒子線治療について

がんの重粒子線治療は、粒子線治療の一種です。
重粒子線治療もまたサイクロトロンで陽子を加速させたビームを体外照射することで病変を攻撃していく治療のことを指します。
重粒子線もまた陽子線と照射する際の元素の種類が異なっているだけで、原理としては同じです。
重粒子線治療で用いられている「重粒子」はプロトンの12倍重いとされる炭素粒子(炭素イオン線)を用いて治療が行われています。

重粒子線の詳しい説明はこちらをご覧になって下さい。

陽子線治療と重粒子治療って何?

上記の説明ですと、粒子線治療(「陽子線治療」と「重粒子治療」)と通常の放射線治療の違いについてはご理解頂けたかと思いますが、「陽子線治療」と「重粒子治療」について、照射される元素の違いがあることは分かってもそれがどのような違いを生んでいるのかが分かりづらいと思います。
最後に、「陽子線治療」と「重粒子治療」の簡単な違いに触れておきたいと思います。
陽子線治療と重粒子治療の違いに大きな違いはありませんが、各治療の長所は以下の通りです。

陽子線治療の長所としては、陽子線は様々な角度の照射が可能かつ病変のy軸方向(一般的な空間座標に対するy軸)に対して適度な高線量の照射が可能なこと、そして副作用がある程度予想できることが挙げられます。

一方、重粒子治療長所としては、ブラックピーク時の生物効果(細胞致死作用)が大きいつまり細胞を攻撃するパワーが強いという性質があり、また病変のx軸方向(一般的な空間座標に対するx軸)に対して適度な高線量の照射が可能なことが挙げられます。

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