咽頭がんステージⅣの詳細な解説と治療法
咽頭がんとは
咽頭がんは、咽頭(鼻咽頭、中咽頭、下咽頭)の粘膜細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍であり、扁平上皮がんが大半を占めます。
主なリスク因子としては、喫煙、過度な飲酒、ヒトパピローマウイルス(HPV、特に中咽頭がん)、アスベスト曝露が挙げられます。
日本では、年間約4千人が咽頭がんと診断され、男性に多い傾向があります。
初期症状には、喉の痛みや違和感、嚥下時の痛み、声のかすれ、耳痛、首のしこりなどがありますが、症状が軽く気がつきにくいため、進行した状態で発見されることが多いです。
そのため、早期発見のために、耳鼻咽喉科での定期検診が推奨されます。
咽頭がんステージⅣとは
咽頭がんステージⅣは、がんが最も進行した段階で、TNM分類に基づき遠隔転移または高度な局所浸潤が確認された状態です。
具体的には、がんが咽頭を超えて隣接臓器(気管、食道、甲状腺、脊椎)に浸潤し、肺、肝臓、骨、脳などの遠隔臓器に転移している状態です。
転移先では、肺が最も一般的(約40~50%)であり、骨、肝臓が続きます。
ステージⅣは、ⅣA(高度な局所浸潤または頸部リンパ節転移)、ⅣB(さらに進行した浸潤)、ⅣC(遠隔転移)に細分化されます。
この段階まで進行すると、治療による根治が困難となり、生存期間の延長とQOL(生活の質)維持が主な目的となります。
咽頭がんステージⅣの症状と診断
ステージⅣの症状は、持続的な喉の痛み、嚥下困難、声のかすれ、首の腫瘤、呼吸困難、体重減少、倦怠感が典型的です。
転移に伴い、肺転移による呼吸困難や咳、骨転移による骨痛、脳転移による頭痛や神経障害、肝転移による黄疸といった症状が現れることもあります。
また、全身状態の悪化(悪液質)も進行します。
診断は、内視鏡検査で原発巣を確認し、生検で組織型を特定します。
次に、CT、MRI、PET-CTで転移の範囲を評価し、血液検査で進行度をモニタリングします。
治療方法
咽頭がんステージⅣの治療は、がんの進行と患者の状態に応じて計画され、根治が難しいため、生存期間の延長とQOLの維持を目指します。
主な治療法は、以下の通りとなります。
●化学療法: がん細胞の増殖を抑え、進行を遅らせる。
●放射線療法: 腫瘍や転移巣の縮小と症状緩和が目的。
●分子標的治療: がんの特性を攻撃し、成長を制御。
●免疫療法: 免疫を活性化し、長期的な効果を追求。
●手術: 限定的に適用され、症状改善や局所制御を図る。
●支持療法・緩和ケア: 痛みや呼吸困難の軽減、全身状態の維持を目的とし、早期導入が推奨。
咽頭がんステージⅣにおける課題や限界
咽頭がんステージⅣの治療は生存期間の延長とQOLの維持を目指しますが、多くの課題も存在します。
化学療法は進行を遅らせますが、根治は難しく、副作用で体力が低下します。
放射線療法は症状を緩和しますが、全身転移には対応できず、局所効果に限られます。
分子標的治療は一部の患者に有効ですが、耐性が問題として挙げられます。
免疫療法は長期効果が期待できますが、適応は限られ、副作用も懸念されます。
手術は症状改善に役立ちますが、広範な浸潤や転移では適用が難しく、身体への負担が大きいです。
支持療法・緩和ケアはQOLを支えますが、がんの進行を止められません。
全体として、転移の制御が難しく、治療効果が限定的であり、患者の全身状態に依存する点が課題や限界といえます。
光免疫療法とそのメカニズム
光免疫療法は、薬剤と特定の波長の光を組み合わせてがん細胞を攻撃する治療方法です。
まず、患者様に特定の薬剤を投与します。この薬剤は、がん細胞へ選択的に集積します。
その後、特定の波長の光を照射することで、薬剤が活性化し、がん細胞を破壊する作用を発揮します。
化学療法や放射線療法との併用で相乗効果が期待でき、ステージに影響され難く、全身のがんへ適用できる可能性があります。
また、光免疫療法は外科手術や放射線療法とは異なり、治療後のダウンタイムが短いという利点も持っています。
以下より当院の光免疫療法の詳細をご確認頂けます。
咽頭がんのステージと治療の概要
ステージ | 特徴 | 主な治療方法 |
---|---|---|
Ⅰ | がんが咽頭内に限局し、リンパ節転移なし。 | 放射線療法、手術、光免疫療法 |
Ⅱ | がんがやや大きくなり、咽頭の一部を侵しているが、周囲の組織やリンパ節には広がっていない。 | 放射線療法、手術、化学療法、光免疫療法 |
Ⅲ | がんが隣接組織やリンパ節に広がる。 | 化学療法+放射線療法、手術、光免疫療法 |
Ⅳ | がんが隣接臓器に浸潤、または遠隔転移(肺、骨など)を伴う。 | 化学療法、放射線療法、分子標的治療、免疫療法、光免疫療法 |
まとめ
咽頭がんステージⅣは、遠隔転移を伴う進行がんであり、5年生存率は約35~50%と予後が厳しい状況です。
しかし、化学療法、放射線療法、免疫療法の進歩で生存期間とQOL向上が可能となっています。
光免疫療法は、咽頭がんステージⅣに対しても有効な治療法の一つとなる可能性があります。
喫煙・飲酒歴のある方や喉の異常に気づいた方は、早めに耳鼻咽喉科を受診し、定期検診を受けることをお勧めします。
現在、咽頭がんステージⅣ(末期がん)治療中の患者様で、標準治療以外の治療をを検討ている場合、当院までお気軽にご相談ください。
関西(大阪)で「咽頭がんステージ4」のがん治療をお考えの方はこちらから光免疫療法の詳細をご確認頂けます。

【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。