膵臓がんと光免疫療法「治療法の総合情報とその可能性」

膵臓がんの特徴

膵臓がんの約90%は、「膵管腺がん」であり、膵管の上皮細胞から発生します。
その他にも、神経内分泌腫瘍(NET)や囊胞性腫瘍などがありますが、発症頻度は低いです。
日本では、年間4万人以上が診断されており、増加傾向にあります。
また、早期段階ではほとんど自覚症状無いため、「サイレントキラー」とも呼ばれます。
そのため、診断時には、約70~80%がステージⅢ以降の進行がんといわれています。
この記事では、膵臓がんに対する治療法について光免疫療法も含めて解説します。

膵臓がんに対する標準治療

膵臓がんの標準治療は、「手術」、「化学療法(薬物療法)」、「放射線療法」が基本となります。
膵臓がんの進行速度は非常に速く、数ヶ月で局所から全身に拡がることもあります。
そのため、他の一般的ながんと比べて手術可能なケースが少ないということが挙げられます。

●手術
手術は根治的治療ですが、膵臓がんでは、基本的にステージⅠ~Ⅱの約15~20%の患者様に対してのみ手術可能となります。
膵臓がんは再発しやすいがんのため、手術後も再発率は約70~80%となっています。

●化学療法(薬物療法)
化学療法は、ステージⅢ(局所進行性非切除)およびⅣ(遠隔転移有り)の場合や、手術後の補助療法や術前療法としても行われます。
化学療法で使用される抗がん剤は、がんが進行している場合は、延命効果を期待することが出来ます。
また、局所進行例では、腫瘍が縮小して手術可能になるケースもあります。
しかし、抗がん剤には副作用も伴うため、治療計画は慎重に考えられます。

●放射線療法
放射線療法は、根治的照射として局所進行例(ステージⅢ)で化学療法と併用(化学放射線療法)する場合や、疼痛緩和目的(緩和的照射)で主に行われます。

●支持療法(緩和ケア)
支持療法(緩和ケア)は、ステージに関係なく重要であり、特に進行期や治療効果が得られない場合に有効となります。
QOL(生活の質)向上と症状緩和を目的として行われます。

膵臓がんにおける標準治療の限界と課題

膵臓がんは、早期発見が難しいため、診断時には手術可能な段階を過ぎていることが多いのが課題の一つです。
また、手術後も早期での再発が多く、根治が難しいのも膵臓がん治療の課題となります。
その他にも、膵臓がんの遺伝子変異などによる薬剤効果の低下や、高齢者などが体力的に化学療法に耐えられないといった標準治療の限界も挙げられます。

光免疫療法の詳細

光免疫療法とは、光と免疫反応を活用した新たながん治療法です。
これは、特定の波長の光と特定の薬剤(光感受性物質)を組み合わせることで、がん細胞を攻撃する技術を基盤としています。
当該治療は選択的にがん細胞に集積する薬剤を使用しているため、正常細胞に対するダメージが少ないため、副作用を抑える事が可能です。
詳しい情報や治療の進め方については、以下のリンクから確認していただけます。

治療のメカニズム

光感受性物質は、がん細胞に選択的に集まる特性を持っています。
その後、この薬剤ががん細胞内に取り込まれたところに、特定の波長の光を照射することで、治療の効果が発揮されます。
光と光感受性物質が反応することで、活性酸素や自由基が発生し、これが直接がん細胞を破壊します。
さらに、このプロセスは免疫システムの活性化も促進し、体自体のがん細胞への攻撃を強化します。

治療の安全性

光免疫療法の利点の一つは、その副作用の少なさです。
従来の化学療法や放射線療法と比べて、体への負担や副作用のリスクが低減されています。
ただし、治療に使用される光感作剤によるアレルギー反応や、照射部位の炎症などのリスクも完全には排除できません。
そのため、治療を受ける際は、十分な情報収集と医師との相談が必要です。

光免疫療法のメリット・デメリット

メリット

  • 1. 副作用のリスク低減: 他の治療法と比較して、体への影響や副作用が大幅に少ない
  • 2. 治療効果への期待: 光感作剤ががん細胞に選択的に働きかけるため、治療効果が期待できる。
  • 3. 治療期間の短縮: 一般的に治療期間が短く、回復も迅速であるため、日常生活への影響が少ない。
  • 4. 免疫システムの強化: がん細胞の破壊と同時に、体の自然な防御機能も強化される。

デメリット

  • 1. 一部の患者様にのみ適応: すべての患者様に効果的であるわけではない(現在、頭頸部がんのみ保険適応)。
  • 2. 長期的な研究が必要: この治療法の長期的な効果や安全性については、さらなる研究が求められる。
  • 3. 照射部位の炎症リスク: 照射部位に炎症が発生するリスクが考慮される。

まとめ

膵臓がんの標準治療は、手術が可能な場合は根治を目指しつつ、化学療法と支持療法が中心となります。
しかし、膵臓がんは進行が速く予後が厳しいため、標準治療の課題や限界があるのも事実となります。
光免疫療法は新たながん治療法であり、膵臓がんに対しても有効な治療となる可能性があります。
標準治療と比べて副作用が少ないため、体力的に手術や化学療法が厳しい患者様でも適用可能な場合があります。

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