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子宮頸がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

子宮頸がんステージⅣについて

日本では、子宮頸がんは女性のがんの中でも重要な疾患の一つです。
2021年の国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(※1)によると、年間約1万600人が新たに子宮頸がんと診断され、女性特有のがんとして知られています。
子宮頸がんステージⅣは、がんが子宮頸部を超えて周辺臓器(膀胱、直腸、骨盤壁など)や遠隔部位(肺、肝臓、骨、リンパ節、腹膜など)に転移した進行性の状態を指します。
この段階では症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制、症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
子宮頸がんの主な原因はヒトパピローマウイルス(HPV)感染ですが、喫煙や免疫抑制状態などもリスク要因として関与します。
以下に、子宮頸がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢としての光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html

ステージⅣ子宮頸がんの特徴と原因

ステージⅣの子宮頸がんは、TNM分類でT4(膀胱や直腸への浸潤)またはN1(リンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
肺転移、肝転移、骨転移、遠隔リンパ節転移が多く、骨盤内疼痛、血尿、血便、下肢の浮腫、倦怠感、体重減少などの症状が現れることがあります。
原因としては以下の要素が挙げられます。

●HPV感染:子宮頸がんの約90%以上がHPV(特に高リスク型HPV16、18)感染に関連しています。持続的な感染が細胞の遺伝子変異を引き起こし、がん化を促進します。HPVワクチン接種で予防可能ですが、既感染者には治療が必要です。
●遺伝的要素:PIK3CA、TP53、KRASなどの遺伝子変異が関与します。家族性がん症候群(例:リンチ症候群)は稀に関連。遺伝子検査でリスク評価が可能な場合もあります。
●生活習慣:喫煙はHPV感染の持続やがん化リスクを高めます。免疫抑制状態(例:HIV感染、臓器移植後の免疫抑制剤使用)もリスク要因。
●その他:若年での性交開始、複数の性的パートナー、低栄養状態、長期の経口避妊薬使用などがリスクを増加させる可能性があります。

標準治療について

ステージⅣの子宮頸がんに対する標準治療は、がんの進行を抑制し、症状を緩和し、QOLを維持することを目的としています。
主な標準治療は以下の通りです。

●化学療法
・シスプラチン単剤:ステージⅣの子宮頸がんの標準化学療法。全身状態が良好(PS0-1)の患者様に適応。腎毒性や吐き気などの副作用がある。
・シスプラチン+パクリタキセル:化学療法の効果を高める併用療法。遠隔転移や局所進行例で使用される。
・カルボプラチン+パクリタキセル:シスプラチンの腎毒性を避けたい場合や高齢者に適応。外来治療が可能な場合も。
・分子標的薬との併用:ベバシズマブ(VEGF阻害剤)を化学療法と併用し、遠隔転移の縮小や生存期間の延長を目指す。特に肺転移やリンパ節転移に有効。

●放射線療法:骨盤内転移や局所の疼痛緩和に使用。同時化学放射線療法(CCRT、シスプラチン併用)が標準で、局所制御率を向上させる。遠隔転移(例:骨転移)には定位放射線療法(SBRT)が選択される場合も。
●手術:ステージⅣでは原発巣や転移巣の完全切除が難しい場合が多いが、限局的な転移(例:孤立性肺転移)では切除が検討される。骨盤内臓全摘術はQOLへの影響が大きく、慎重に適応を判断。
●緩和ケア:疼痛、血尿、下肢浮腫、腸閉塞などの症状管理に重点。ステント留置、栄養サポート、疼痛管理を含み、早期からの緩和ケア併用でQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の子宮頸がんでは効果が限定的な場合もあります。
そのため、標準治療以外の選択肢として注目されているのが光免疫療法という新たな治療法です。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:子宮頸がん細胞表面の特定の抗原(例:EGFR、HER2、またはHPV関連抗原)に結合する抗体-光感受性物質複合体を静脈内投与。
2.光照射:近赤外光を用いて、薬剤が結合したがん細胞を活性化。光が当たることで活性酸素が発生し、がん細胞を破壊。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。

光免疫療法の利点
●高い選択性:正常組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:局所進行がんや一部の転移巣(リンパ節や軟部組織)に適用可能。
●QOLの向上:化学療法や放射線療法に比べ、身体的負担が少ない。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ子宮頸がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは子宮頸がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

免疫チェックポイント阻害剤:PD-1/PD-L1阻害剤(例:ペムブロリズマブ)は、PD-L1陽性(CPS≥1)の患者やマイクロサテライト不安定性(MSI-H)の症例(子宮頸がんではまれ、約1-2%)で有効。化学療法抵抗性の症例で生存期間の延長が報告されている。
Tisotumab Vedotin:組織因子(TF)を標的とした抗体薬物複合体(ADC)。再発・進行性子宮頸がんに対してFDA承認(2021年)されており、化学療法後の治療として有望。
HER2標的療法:HER2過剰発現(子宮頸がんの約5-10%)に対して、トラスツズマブやトラスツズマブ・デルクテカンなどの標的療法が臨床試験で検討中。
臨床試験:新たな分子標的薬、がんワクチン(HPV関連抗原を標的)、CAR-T細胞療法、バイスペシフィック抗体などが進行中。ステージⅣの患者にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

子宮頸がんステージⅣは、転移を伴う進行性の疾患であり、HPV感染、遺伝的要素、喫煙などの生活習慣が発症に関与します。
標準治療(化学療法、分子標的薬、放射線療法、手術、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に子宮頸がん特異的抗原を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの子宮頸がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
また、光免疫療法は標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法です。
早期発見と適切な治療選択が重要ですので、当院の光免疫療法に関する情報はぜひお気軽にご相談ください。

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