肺がんステージ4・肝転移の概要
肺がんが進行し、遠隔臓器に転移した状態をステージ4と呼びます。
特に肝臓は血流が豊富で、がん細胞が転移しやすい臓器の一つです。
この段階では、がんは局所ではなく全身に広がっていると考えられるため、治療方針も変わってきます。
肝転移の症状と特徴
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が出にくいのが特徴です。
そのため、定期検査や画像診断によって偶然発見されるケースも多くあります。
症状としては、右上腹部の痛み、倦怠感、体重減少、黄疸などが現れることがあります。
治療の基本方針
ステージ4の肺がんでは、がんの進行を抑えながら生活の質（QOL）を保つことが重要です。
肝転移がある場合も、全身療法を中心に、症状緩和と長期的な管理を目指した治療が行われます。
主な治療法の種類
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 化学療法 | シスプラチンやペメトレキセドなどの薬剤を使って全身に作用させます。 |
| 分子標的治療 | EGFRやALKなど特定の遺伝子変異に対応した薬を使用します。 |
| 免疫チェックポイント阻害薬 | 免疫のブレーキを解除する薬で、がんへの攻撃力を回復させます。 |
| 定位放射線治療 | 転移した肝臓の一部にピンポイントで放射線を照射します。 |
| 支持療法 | 痛みの緩和、栄養管理、心のケアなどを行います。 |
治療選択に関わる要素
| 要素 | 詳細 |
|---|---|
| 全身状態 | 体力や栄養状態、他臓器への影響などが考慮されます。 |
| 遺伝子変異の有無 | EGFRやALKなどのバイオマーカーの検査が行われます。 |
| PD-L1の発現量 | 免疫療法の有効性を測る指標として用いられます。 |
| 肝機能 | ALT、AST、ビリルビン値などが治療可能性を左右します。 |
局所治療の適応可能性
全身療法が原則ですが、肝転移が限られた個数である場合、ラジオ波焼灼や定位照射といった局所治療が検討されることもあります。
ただし、肺がんの場合は複数臓器に転移していることも多く、適応には慎重な判断が必要です。
光免疫療法の可能性
光免疫療法は、がん細胞に集まる特殊な薬剤と、近赤外線を組み合わせた治療法です。
薬剤ががん細胞に集積した後、レーザーを照射することでがん細胞を破壊します。
正常な細胞への影響が少ないため、副作用を抑えながら治療できる可能性があります。
標準治療が難しい患者様に対する選択肢の一つとして、当院でも相談を受け付けています。
当院の光免疫療法については以下よりご確認頂けます。
まとめ
肺がんステージ4で肝転移がある場合、治療は標準的な抗がん剤や免疫療法に加え、局所療法や緩和ケアを組み合わせて行うことが多いです。
また、光免疫療法などの治療法も登場し、治療の選択肢は広がりつつあります。
患者様の状態や希望に応じて、最も適した治療方針を医師と共に決定していくことが大切です。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
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