胃がんステージ4・腹膜播種とは？
胃がんは日本で多くの方が罹患するがんの一つですが、進行が進むとステージ4と診断されることがあります。
その中でも腹膜播種（ふくまくはしゅ）とは、胃がんの細胞が腹膜（お腹の内側を覆う膜）に散らばり、広がってしまう状態を指します。
この状態になると、標準治療（手術・抗がん剤・放射線療法）の効果が十分に得られないことが多く、治療選択肢が限られるケースもあります。
胃がんステージ4・腹膜播種の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 腹膜播種の発生メカニズム | 胃がんが進行すると、がん細胞が胃の壁を突き破り、腹腔内にこぼれ落ちます。このがん細胞が腹膜に付着し、増殖することで播種が発生します。これにより、腹水（腹腔内にたまる水分）の増加や腸閉塞などの症状を引き起こすことがあります。 |
| 症状 | 腹痛・膨満感：がんが腹膜に広がることで炎症が起こり、お腹の張りや痛みを感じることがあります。 |
| 腹水の貯留：がんが腹膜に浸潤すると、腹水が増え、お腹が大きくなることがあります。 | |
| 食欲不振・体重減少：腸の動きが悪くなり、食事が思うようにとれなくなることがあります。 | |
| 腸閉塞：がんが腸を圧迫し、食べ物が通過しにくくなることで、嘔吐や強い腹痛が生じることがあります。 | |
| 診断方法 | CT・MRI検査：腹膜播種の有無や腹水の量を確認します。 |
| PET-CT検査：がん細胞の広がりを詳細に把握します。 | |
| 腹水細胞診：腹水を採取し、がん細胞の有無を調べます。 | |
| 腹腔鏡検査：小さなカメラを腹部に挿入し、直接腹膜を観察します。 |
胃がんステージ4・腹膜播種の治療法
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 化学療法（抗がん剤） |
標準的な治療として抗がん剤治療が行われます。
抗がん剤はがんの進行を抑える目的で使用されますが、効果には個人差があり、副作用（吐き気、脱毛、免疫低下など）もあります。 |
| 腹腔内化学療法 | 通常の静脈投与とは異なり、直接腹腔内に抗がん剤を投与する方法です。これにより、腹膜播種のがん細胞に高濃度の抗がん剤を届けることができます。ただし、適応が限られるため、すべての患者様に適用できるわけではありません。 |
| 腹水濾過濃縮再静注法（CART） | 腹水が多量に溜まる場合、腹水濾過濃縮再静注法（CART）が検討されます。これは、腹水を体外に取り出し、栄養成分を濾過して体に戻す方法です。体力の低下を防ぐ目的で行われることがあります。 |
| 支持療法（緩和ケア） | がんの進行による症状を和らげるために、痛みの管理や栄養サポートを行う緩和ケアが重要になります。特に腸閉塞や腹水のコントロールには、利尿剤・ドレナージ（腹水を抜く処置）などの対症療法が必要になることもあります。 |
光免疫療法という選択肢
免疫療法とは、がん細胞に選択的に集まる光感受性物質を投与し、その後特定の波長の光を当てることでがん細胞を破壊する治療です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 光免疫療法の特徴 | がん細胞を狙い撃ち：正常な細胞への影響が少なく、副作用が比較的抑えられる。 |
| 繰り返し治療が可能：光を照射するだけのため、体への負担が少ない。 | |
| 免疫反応の活性化：がん細胞が破壊された後、免疫が活性化する可能性がある。 |
ステージ4の胃がんで腹膜播種がある方の中には、標準治療が難しい場合もあります。
しかし、対処法や治療の選択肢は存在します。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた治療をご提案致します。光免疫療法を含め、適した治療法について医師と相談しませんか？まずはご相談ください。
以下より当院の光免疫療法に関してご確認頂けます。
光免疫療法の適応がん部位は以下をご参考ください。
肺がん、胃がん、大腸がん...
胃がんステージ4・腹膜播種の予後
ステージ4の胃がん・腹膜播種の予後は厳しいものの、治療によってがんの進行を抑え、生活の質を維持することは可能です。特に、最新の治療法や補助療法を組み合わせることで、生存期間の延長や症状の緩和が期待できます。
まとめ
| 内容 |
|---|
| 胃がんステージ4・腹膜播種は、標準治療が難しいことが多いが、抗がん剤や腹腔内化学療法、緩和ケアなどの治療が行われる。 |
| 腹膜播種の診断にはCT、PET-CT、腹腔鏡検査などが用いられる。 |
| 光免疫療法は、がん細胞を狙って破壊する治療法となり、胃がんステージ4・腹膜播種の治療方法になり得る可能性がある。 |
| 予後は厳しいが、適切な治療を行うことで生活の質を維持しながらがんと向き合うことができる。 |
胃がんの腹膜播種に対する治療選択肢は日々進化しており、専門医と相談しながら最適な治療方針を検討することが大切です。
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
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