肺がんとは
What is lung cancer?
肺がんは、気管支や肺を覆っている細胞(上皮細胞)から発生するがんで、肺そのものから発生したものをといい、通常、肺がんといえば原発性肺がん原発性肺がんを指します。
一方で、他の臓器から発生し、肺に転移したものを転移性肺がん(肺転移)と呼びます。
また、肺がんは、日本人の死亡原因第一位のがんとなります。(日本における肺がん死亡数は年々増加していて、2011年には年間7万人を超過しました。)
2013年のがん統計でも、男性で1位、女性では大腸がんに次いで2位と、男女全体では全てのがんの中で死亡数が1番多いとされるがんです。
更に、年齢別の肺がん罹患率(一定期間に発生する肺がん患者数が全人口に占める割合)を見ると、男女ともに年齢が高くなればなるほど、値が高くなっています。
すなわち、年齢が上がるにつれて、肺がんにかかる可能性が高くなるということになります。
ゆえに、日本では人口の高齢化に伴い、肺がんの患者様が増えていると考えられています。
一方で、アメリカ、イギリスのように早期に喫煙対策に取り組むことで喫煙率の減少に成功した国では、肺がんの罹患率は減少傾向にあります。
また、肺がんは早期に発見される場合は手術が最も治癒の見込める治療法となりますが、がんが発見された時点では進行している場合が多く、手術の他にはよく耳にする抗がん剤治療や放射線治療さらにこれらを組み合わせた混合治療が選択されます。
現時点ではステージにも依存しますが、全身がんの中で肺がんは治療が困難ながんの一つと言われています。
肺がんの主な種類
Types of Lung Cancer
肺は組織学的には、多くの細胞から構成されている臓器であり、発生する癌も数多くの種類があります。 その中で
の4種類が主な代表的で、この4つが肺がんにおける組織型の大多数となります。
この4種類の肺がんはその発生する部位や成因(喫煙との関連の深さ)または発育や転移の仕方、放射線照射や抗がん剤に対する反応等が違い、これらの特性を理解することが、適当な治療方法または検診の方法を考える上で重要な事となります。
また、肺がんは約9割が非小細胞肺がんで残り1割が小細胞肺がんと大きく2つに大きく分類されます。
非小細胞がん
腺がん(せんがん)
肺の端の方にあるいわゆる「末梢」に生じやすい種類の癌で、咳または痰などの自覚症状はあまり出ません。
こちらは近年、増加している傾向にあり、喫煙との因果関係は比較的可能性は低く、非喫煙者であっても多数発生すると言われています。
また、男女別では腺がんは女性の方が多いとされています。
線がんは肺がんの中で最も多い組織型であり、肺がん全体の約4割を占め、年々増加傾向にあります。
このタイプは、最近発展したCT技術によって「転移等をしていない非浸潤がんの段階」で非常に早期に特定出来るようになっており、この時期の癌なら小さな手術で十分に治ると考えられています。
OGC大阪がんクリニック
扁平上皮がん(へんぺいじょうひがん)
太い中枢の気管支に比較的発生する事が多く、こちらは咳や血痰などの自覚症状が分かりやすい段階になります。
がんによって気道が閉塞されて無気肺と呼ばれる一部空気が肺に入らない状態を作ることがあります。
また、こちらに関しては喫煙との因果関係が強いとされています。
肺の中枢側に生じるケースが多いため、早期段階では大血管や心臓の陰影と重なってしまい、X線写真による発見が困難とされています。
早期発見するには定期的な痰の検査などが有効であり、他の3つの型より早期に発見された場合には、治療成績が良いと考えられます。
がん検査の目的と重要性に関してはこちらを御参考ください。
大細胞がん
大細胞がんでは肺の末梢に大きな腫瘤をつくることが多いです。
こちらは転移を生じやすい状態で、主にリンパ節や遠隔の臓器に拡散する可能性があります。
放射線療法や抗がん剤が効きにくいため治療成績は腺がんや扁平上皮がんより悪いとされています。
小細胞がん
太い気管支にできやすく、扁平上皮がんと同様とされています。
また扁平上皮がんと同様に喫煙との因果関係が深いと考えられています。
また、早い時期から遠隔の臓器やリンパ節に転移し易い傾向にあり、がんの発育も早いため、中でも悪性度の高い肺癌と言えます。
しかし、放射線治療や抗がん剤に対する反応はその他3つの肺癌と比較しても良好であり、集学的治療の効果が期待されます。
肺がんの原因
Causes of Lung Cancer
肺がんの要因の大半が皆様もご存知だと思いますが「タバコ」です。
約60種類の発がん物質がタバコには含まれており、肺または気管支が発がん物質と繰り返し接触することで細胞に遺伝子変異が生じ、このような遺伝子変異が積み重なると何れがんが生成されます。
がん細胞は細胞分裂を繰り返しながら無制限に増殖しますが、1cmのがんができるまでには約30回の細胞分裂が必要とされています。
しかし、喫煙者だけでなく非喫煙者でも発症することがありますので、煙草を吸っていないから安心ということはありません。
事例としては、受動喫煙(副流煙等)、環境、食事(加工肉等)、放射線、薬品等が挙げられます。
近年では、飲食店での全席禁煙など環境型の悪影響は少しずつ排除されつつある傾向にあります。
肺がんの検診・検査
Cancer Screening
肺がんは早期では無症状であることが殆どですので、肺がんだと気付いた時にはステージ(段階)が進行していることが多いです。
ステージが進行すると、咳や痰が出る以外に、胸の痛みや発熱といった呼吸器に関する症状が現れます。
それに対して、血痰は肺がんの可能性が高く、速やかに専門病院受診をお勧めします。
日本人で最も多いのは無症状で、検診や、他の病気で胸部X線やCTを撮ったときに偶然発見されるケースです。
従って、最近では、人間ドックや検診にオプションでCT検診を選べるところもみられます。
早期発見のためには、定期的に健康診断や人間ドックを受けて頂くことをお勧めしております。
当院の肺がん治療法について
Our lung cancer treatment method
肺がん情報記事監修者
Article supervisor
当該肺がんに関するページは院長 小林賢次監修にて作成しております。
氏名:小林賢次
経歴
- 1991年3月 京都大学法学部卒業
- 2000年3月 富山医科薬科大学医学部医学科卒業
- 2000年5月 同愛記念病院 臨床検査科
- 2002年5月 NTT東日本関東病院病理診断部
- 2011年6月 新八重洲クリニック 院長
- 2019年1月~ 東京がんクリニック開院
出身大学
- 京都大学法学部卒業
- 富山医科薬科大学医学部医学科卒業
当院へのご相談の流れ
Consultation process for our clinic
ご予約
当院は完全予約制となっておりますので、肺がんに関するお悩みでご来院される場合は、お電話またはメールにて予約をお願いします。 メールでのご予約の際は、予約状況を確認した後、担当者よりお返事をさせて頂きます。
ご来院
予約時間の5分前を目安にご来院をお願い致します。
当院の場所が分からない場合には、お電話頂ければスタッフがご案内させて頂きます。
また、診療情報提供書や血液検査データなどをお持ちの方は、持参して頂くようお願いします。
受付
初診時には、問診票を記入して頂きます。
肺がんに関するお悩みや治療状況など、気になる点は何でもご記入ください。
例
・咳が出る
・呼吸が困難な場合がある
・息切れし易い
・息苦しさを感じる
・胸の痛みを感じる
・血痰が出るなど
インフォームドコンセント
問診票を参考にしながら、医師と医療スタッフが患者様のお悩みや現在の状況をお伺いします。
個室でのカウンセリングとなりますので、安心して何でもご相談ください。
また、当院での肺がんに対する治療法なども分かりやすく説明致しますので、ご不明な点などありましたら、些細なことでもご質問ください。
当クリニックの説明だけでは納得できない場合には、他の病院・クリニックに意見を求める「セカンドオピニオン」もご検討ください。
同意書の記入
治療内容や効果、リスクなどをご理解して頂いた上で、当院で肺がん治療を受けられる場合には、同意書にご記入をして頂きます。
また、治療にかかる費用についても明瞭にご説明させて頂きます。
▶ がん治療における保険診療または自由診療とは?に関してはこちらを御参考ください。
今後の肺がん治療計画について
一人ひとりの症状に合わせて、患者様に最も効果の期待できる治療法・日程にて肺がん治療を行っていきます。
生活スタイルに沿ったご来院スケジュールなどをご提案しますので、無理なく治療を継続して頂けます。
肺がん治療のお問合せはこちら
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【当該記事監修者】院長 小林賢次
がん治療をご検討されている、患者様またその近親者の方々へがん情報を掲載しております。ご参考頂けますと幸いです。