【標準治療】
標準治療とは、世界中のあらゆる専門家によって科学的根拠に基づいて様々な臨床試験を行った上で、その中でも治療効果の有効性が示されていて尚且つ安全性も認められている現段階において医学的に最良とされる治療です。現在では、外科療法、放射線療法、薬物療法の3大治療法が標準治療として一括りに扱われています。
近年では、第4の治療として免疫療法、第5の治療として光免疫療法が挙げられるようになってきていますが、基本的には上記の3大治療のことを指していると考えて下さい。
———————————————————————————————————-
【がんの3大治療】
がんの3大治療は、外科療法、放射線療法、薬物療法の3つです。これらをまとめて標準治療といいます。
がんの3大治療は、各国の研究者によって、科学的観点から臨床試験を行った際に、治療効果と安全面が認められている現時点において最良とされる治療法です。
———————————————————————————————————-
【先進医療】
先進医療は、厚生労働省で定められている「高度な医療技術を用いた治療」に該当する医療のことを指します。
先進医療は、標準治療と違って厚生労働省から認められた医療機関でのみ実施が可能であり、保険は適用外なことが特徴です。
———————————————————————————————————-
【化学療法】
化学療法は、一般的に抗がん剤を用いたがん治療のことを指し、抗がん剤には、がん細胞の増殖を抑制する効果やがんを死滅させる効果があります。
また化学療法は、「細胞障害性抗がん薬」、「分子標的療法」、「ホルモン療法(内分泌療法)」、「免疫チェックポイント阻害薬」の4つに大きく分類できます。
化学療法の詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【抗がん剤】
抗がん剤とは、がんの薬物療法の中の化学療法で使用される薬剤を指し、がん細胞の増殖を抑制する働きとがん細胞の死滅作用があります。
このことから抗がん剤(抗がん薬)は抗悪性腫瘍薬とも呼ばれています。
抗がん剤の副作用詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【細胞障害性抗がん薬】
細胞障害性抗がん薬は、細胞が増殖する仕組みを利用することで、増殖時においてその一部を阻害してがん細胞を攻撃する薬剤を指し、一般的にいえば抗がん剤のことです。
細胞障害性抗がん薬の種類としては主に、「代謝拮抗薬」、「アルキル化剤」、「トポイソメラーゼ阻害薬」、「微小管重合阻害薬」、「白金製剤」、「抗腫瘍性(抗がん性)抗生物質」の6種類が有名です。
細胞障害性抗がん薬の詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【免疫】
免疫とは、自己(体内外を含む自身の身体)と非自己と判別し、この非自己を排除する機能のことを指します。
非自己は、自己と認識されるもの以外のことで、具体的にはがん細胞をはじめウイルスや細菌が挙げられます。
———————————————————————————————————-
【オプジーボ】
オプジーボは、私たちが生まれた時から備わっている免疫力を回復させることで、がん細胞への攻撃力を高める治療薬で、免疫チェックポイント阻害薬の1種です。
より専門的にいえば、オプジーボはT細胞に発現しているPD-1に結合することで、がん細胞に発現したPD-L1が結合できなくなり、その結果T細胞の免疫反応を持続させる薬剤です。
一般名はニボルマブです。
オプジーボの詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【免疫監視機構】
免疫監視機構とは、免疫を司る細胞(NK細胞やT細胞等)が監視していることでがん細胞は排除される仕組みのことを指します。
———————————————————————————————————-
【免疫逃避機構】
免疫逃避機構とは、免疫細胞からの攻撃を回避することでがん細胞が生き延びて増殖をはじめることでがん化が起こる仕組みのことを指します。
———————————————————————————————————-
【がん免疫療法】
がん免疫療法とは、免疫監視機構を担っている様々な免疫細胞や物質を利用することで、がんにおける免疫応答を制御する治療法です。
———————————————————————————————————-
【免疫チェックポイント阻害薬】
免疫チェックポイント阻害薬とは、免疫チェックポイント分子を標的にすることで免疫抑制機能を阻害して、がん細胞に対する免疫反応を高めるための薬剤で、がん免疫療法の際に使用されます。
免疫チェックポイント阻害薬の詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【緩和ケア】
緩和ケアは、患者の肉体的・精神的苦痛を取り除くだけでなく、患者とその家族にとって、自分らしい生活を過ごせるようにするために行われる医療ケアのことを指し、シシリー・ソンダースによって生み出されました。
緩和ケアの詳細①はこちら
緩和ケアの詳細②はこちら
緩和ケアの歴史に関する詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【全人的苦痛(トータルペイン)】
全人的苦痛(トータルペイン)は、シシリー・ソンダースが終末期の患者との交流の際に患者が感じている痛みについて分析して患者が感じている痛みを形式化したもので、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインの4つがあります。
全人的苦痛の詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【身体的苦痛】
身体的苦痛は、全人的苦痛(トータルペイン)の1種で、肉体に生じる疼痛のことを指します。具体的には、病気そのものからくる痛みや薬の副作用からくる痛みが挙げられます。
———————————————————————————————————-
【精神的苦痛】
精神的苦痛は、全人的苦痛(トータルペイン)の1種で、精神的に生じる痛みのことを指します。具体的には、疼痛の持続によって生じる不安や鬱状態、手術に対する恐怖、再発の不安が挙げられます。
———————————————————————————————————-
【社会的苦痛】
社会的苦痛は、全人的苦痛(トータルペイン)の1種で、人間として社会活動を行っていないことから生じる痛みのことを指します。
主に、「家族の問題」、「経済的な問題」、「仕事の問題」の3つに分類されます。
———————————————————————————————————-
【スピリチュアルペイン】
スピリチュアルペインは、全人的苦痛(トータルペイン)の1種で、「生きる意味」や「死生観」、「死への恐怖」といった個人の人生観から生まれる痛みのことを指します。
全人的苦痛(トータルペイン)のうちの身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛と比較すると哲学的な命題も多いため非常に難しい痛みと考えられています。
———————————————————————————————————-
【セカンドオピニオン】
セカンドオピニオンとは、今かかっている医師(主治医)以外の医師に求める第2の意見のことを指します。
因みにセカンドオピニオンを受けるにあたって、担当医や主治医を変える必要はなく、「別の医師の話を聞いてみたい」と思った時に活用できる手段と考えるとよいでしょう。
セカンドオピニオンの詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【心理的ホリスティック療法】
心理的ホリスティック療法は、肉体的な観点からだけでなく、精神的な観点も含めて、両方の側面からアプローチをかけていこうという療法のことを指し、免疫力において心の状態を考慮することも重要であると考えたことから生まれた考え方です。
心理的ホリスティック療法の詳細はこちら
———————————————————————————————————-
【抗CTLA-4抗体薬】
抗CTLA-4抗体薬は、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、主にヤーボイ(一般名:イピリムマブ)が医薬品として挙げられます。
抗CTLA-4抗体薬の作用機序は、この抗体薬が「CTLA-4」と呼ばれるT細胞と結合することによって、CD80/86との結合を阻害し、T細胞の不活化を阻止します。
このことから抗CTLA-4抗体薬は、がん細胞に対しての免疫反応を継続させる薬剤であるといえます。
———————————————————————————————————-
【ヤーボイ】
ヤーボイは、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、抗CTLA-4抗体薬に分類される薬剤です。ヤーボイの一般名はイピリムマブ(Ipilimumab)です。
ヤーボイは「CTLA-4」と呼ばれるT細胞を標的にして結びつくことで、免疫系における抑制解除を引き起こし、そこから抗がん作用を狙う医薬品です。
———————————————————————————————————-
【イピリムマブ】
イピリムマブは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗CTLA-4抗体薬に分類される薬剤です。薬品としてヤーボイが相当します。
イピリムマブはモノクローナル抗体であり、「CTLA-4」と呼ばれるT細胞を標的にして結びつくことで、免疫系における抑制解除を引き起こし、そこから抗がん作用を狙います。
———————————————————————————————————-
【イジュド】
イジュドは、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、抗CTLA-4抗体薬に分類される薬剤です。イジュドの一般名はトレメリムマブです。
イジュドは「CTLA-4」と呼ばれるT細胞を標的にして結びつくことで、免疫系における抑制解除を引き起こし、そこから抗がん作用を狙う医薬品です。
———————————————————————————————————-
【トレメリムマブ】
トレメリムマブは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗CTLA-4抗体薬に分類される薬剤です。薬品としてイジュドが相当します。
トレメリムマブはモノクローナル抗体であり、「CTLA-4」と呼ばれるT細胞を標的にして結びつくことで、免疫系における抑制解除を引き起こし、そこから抗がん作用を狙います。
———————————————————————————————————-
【抗PD-1抗体薬】
抗PD-1抗体薬は、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、主にオプジーボ(一般名:ニボルマブ)やキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)が医薬品として挙げられます。
抗PD-1抗体薬の作用機序は、この抗体薬が「PD-1」と呼ばれるT細胞と結合することによって、がん細胞に発現したPD-L1が結合できなくなります。
ゆえに抗PD-1抗体薬は、T細胞の活性が抑制されないことからがん細胞に対しての免疫反応を継続させる働きをもつ薬剤であるといえます。
———————————————————————————————————-
【キイトルーダ】
キイトルーダは、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。キイトルーダの一般名はペムブロリズマブ(Pembrolizumab)です。
キイトルーダは「PD-1」と呼ばれるT細胞を標的にして結びつくことで、がん細胞に発現したPD-L1が結合不可能になり、そこからT細胞が抑制されずにがん細胞に対しての免疫反応を継続させる働きをもつ医薬品です。
———————————————————————————————————-
【ペムブロリズマブ】
ペムブロリズマブは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。薬品としてキイトルーダが相当します。
ペムブロリズマブはモノクローナル抗体であり、「PD-1」と呼ばれるT細胞と結合することによって、がん細胞に発現したPD-L1が結合できなくなり、そこから抗がん作用を狙います。
———————————————————————————————————-
【リブタヨ】
リブタヨは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。リブタヨの一般名はセミプリマブです。
リブタヨは「PD-1」と呼ばれるT細胞を標的にして結びつくことで、免疫系における抑制解除を引き起こし、そこから抗がん作用を狙う医薬品です。
またリブタヨは、「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸がん」の治療薬としてサノフィ株式会社と Regeneron 社によって2023 年 3 月 30 日に発売された新しい薬剤です。
———————————————————————————————————-
【セミプリマブ】
セミプリマブは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。セミプリマブの一般名はセミプリマブです。
セミプリマブはモノクローナル抗体であり、「PD-1」と呼ばれるT細胞を標的にして結びつくことで、免疫系における抑制解除を引き起こし、そこから抗がん作用を狙います。またセミプリマブは、「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸がん」の治療薬としてサノフィ株式会社と Regeneron 社によって2023 年 3 月 30 日に発売された新しい薬剤です。
———————————————————————————————————-
【抗PD-L1抗体薬】
抗PD-L1抗体薬は、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、主にテセントリク(一般名:アテゾリズマブ)やバベンチオ(一般名:アベルマブ)、イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)が医薬品として挙げられます。
抗PD-L1抗体薬の作用機序は、この抗体薬が「PD-L1」と結合することによって、T細胞のPD-1が結合できなくなります。
ゆえに抗PD-L1抗体薬は、T細胞の活性が抑制されないことからがん細胞に対しての免疫反応を継続させる働きをもつ薬剤であるといえます。
———————————————————————————————————-
【テセントリク】
テセントリクは、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。テセントリクの一般名はアテゾリズマブです。
テセントリクは「PD-L1」に結びつくことで、T細胞のPD-1が結合不可能になり、そこからT細胞が抑制されずにがん細胞に対しての免疫反応を継続させる働きをもつ医薬品です。
———————————————————————————————————-
【アテゾリズマブ】
アテゾリズマブは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。薬品としてテセントリクが相当します。
アテゾリズマブはモノクローナル抗体であり、「PD-L1」に結びつくことで、T細胞のPD-1が結合不可能になり、そこから抗がん作用を狙います。
———————————————————————————————————-
【バベンチオ】
バベンチオは、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。バベンチオの一般名はアベルマブです。
バベンチオは「PD-L1」に結びつくことで、T細胞のPD-1が結合不可能になり、そこからT細胞が抑制されずにがん細胞に対しての免疫反応を継続させる働きをもつ医薬品です。
———————————————————————————————————-
【アベルマブ】
アベルマブは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。薬品としてバベンチオが相当します。
アベルマブはモノクローナル抗体であり、「PD-L1」に結びつくことで、T細胞のPD-1が結合不可能になり、そこから抗がん作用を狙います。
———————————————————————————————————-
【イミフィンジ】
イミフィンジは、免疫チェックポイント阻害薬の1種であり、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。バベンチオの一般名はデュルバルマブ(Pembrolizumab)です。
イミフィンジは「PD-L1」に結びつくことで、T細胞のPD-1が結合不可能になり、そこからT細胞が抑制されずにがん細胞に対しての免疫反応を継続させる働きをもつ医薬品です。
———————————————————————————————————-
【デュルバルマブ】
デュルバルマブは、免疫チェックポイント阻害薬の1種で、抗PD-1抗体薬に分類される薬剤です。薬品としてイミフィンジが相当します。
デュルバルマブはモノクローナル抗体であり、「PD-L1」に結びつくことで、T細胞のPD-1が結合不可能になり、そこから抗がん作用を狙います。
———————————————————————————————————-
【CTLA-4】
CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)は、T細胞を抑制する免疫チェックポイント分子です。このCTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球抗原4)に対して抗原提示細胞であるB7(CD80/CD86)が結合することでがん細胞への攻撃力が弱まるとされています。
———————————————————————————————————-
【PD-1】
PD-1(Programmed cell Death 1)は、T細胞の表面にある免疫チェックポイント受容体を指し、がん細胞のある環境下では過剰に現れることで、T細胞の活性が抑制されるため、抗腫瘍免疫応答を減弱させます。 
———————————————————————————————————-
【PD-L1】
PD-1(Programmed cell Death ligand 1)は、細胞の表面に現れているタンパク質のことを指し、T細胞のPD-1に結びつくことで、免疫細胞の活動を抑制し、がん細胞を攻撃しないように免疫機能を阻害する働きをします。
———————————————————————————————————-
【癌治療学会】
癌治療学会(Cancer Treatment Society)は、がんに関連する医学的な研究や治療に焦点を当てた学術団体や専門家の集まりを指す一般的な用語です。これらの学会は、がんの予防、診断、治療、ケアに関する最新の情報や知識を共有し、がん患者の生存率と生活の質を向上させることを目的としています。
癌治療学会は、がんに関連する多くの分野からの医師、研究者、看護師、臨床医、薬剤師などの専門家が参加し、がん治療の進歩や最適なケア方法について議論し、新しい治療法や診断法の研究成果を共有する場として機能します。
これらの学会は、国際的なレベルで活動しており、国内外の学術大会やセミナーを主催し、医療従事者に向けた継続的な教育プログラムを提供することが一般的です。また、がん研究の推進や臨床試験のサポートなど、がんに関連する幅広い活動を行っています。
異なる国や地域には多くの癌治療学会が存在し、それぞれが特定の分野や専門性に焦点を当てています。学術的な研究、治療法、患者ケアの向上に貢献する役割を果たしています。

PAGE TOP