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食道がんステージⅣと標準治療以外の治療選択肢について

食道がんステージⅣについて

日本では、食道がんは比較的稀ながんですが、進行性の場合は予後が厳しい疾患の一つです。
2021年の国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(※1)によると、年間約2万6千人が新たに食道がんと診断されています
食道がんステージⅣは、がんが食道を超えて周辺臓器やリンパ節、肺、肝臓、骨、脳などの遠隔部位に転移した進行性の状態を指します。
この段階では、症状が顕著になり、治療はがんの進行抑制、症状の緩和、QOL(生活の質)の向上を目指すことが中心となります。
食道がんの原因やリスク要因には、喫煙、過度な飲酒、食道炎、遺伝的要素などが関与しており、これらが複雑に絡み合って発症に至ります。
以下に、食道がんステージⅣの特徴と、標準治療以外の治療選択肢として光免疫療法を主軸に詳しく解説します。
(※1: 国立がん研究センター「食道がん統計」

ステージⅣ食道がんの特徴と原因

ステージⅣの食道がんは、TNM分類でT4(周辺臓器への浸潤)またはN1-3(リンパ節転移)、M1(遠隔転移)に分類されます。
肺転移、肝転移、骨転移、脳転移が多く、嚥下困難、胸痛、背部痛、体重減少、咳、声のかすれ、倦怠感などの症状が現れることがあります。
原因としては、以下の要素が挙げられます。

●生活習慣:喫煙と過度な飲酒は食道がんの主要なリスク要因で、特に扁平上皮がんの発生に強く関連します。喫煙者は非喫煙者に比べ発症リスクが3~5倍高まり、飲酒との相乗効果でリスクがさらに増大します。高温の飲食物や栄養不足もリスク要因です。
●遺伝的要素:TP53やALDH2遺伝子変異が食道扁平上皮がんに関与します。ALDH2変異は特に東アジア人に多く、飲酒によるアセトアルデヒドの代謝異常ががん化を促進します。家族歴や遺伝性疾患もリスクを高めます。
●その他:慢性食道炎(バレット食道、特に腺がんの場合)、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染、アキラシア(食道運動障害)、化学物質(ニトロソアミンなど)への曝露も発症に関与します。

食道がんの標準治療について

ステージⅣの食道がんに対する標準治療は、がんの進行を抑え、症状を緩和し、QOLを維持することを目的としています。
主な標準治療は以下の通りです。

●全身化学療法
・フルオロウラシル(5-FU)+シスプラチン:食道扁平上皮がんの標準化学療法で、腫瘍縮小や症状緩和に有効。吐き気や腎障害などの副作用に注意が必要。
・ドセタキセル:化学療法抵抗性の症例や再発例に使用される。骨髄抑制や脱毛が主な副作用。
・パクリタキセル:単剤または他の薬剤との併用で使用され、進行性食道がんに有効。

●免疫チェックポイント阻害剤
・ニボルマブ:PD-1阻害剤で、化学療法後の進行性食道扁平上皮がんに有効。免疫関連副作用(肺炎、皮膚炎など)に注意が必要。
・ペムブロリズマブ:PD-L1発現が陽性の食道がんや腺がんに使用。ニボルマブと同様に免疫関連副作用が課題。

●放射線療法:化学療法と併用する化学放射線療法(CRT)が標準的で、局所制御や症状緩和(嚥下困難など)に有効。定位放射線療法(SBRT)は限局的転移巣に使用される場合もある。
●外科療法:ステージⅣでは全身状態や転移の程度により外科的切除は稀だが、限局的転移巣や原発巣の縮小手術が検討される場合がある。
●緩和ケア:嚥下困難、疼痛、栄養不良への対応が重要。食道ステント留置や経管栄養、疼痛管理によりQOL向上が期待される。

標準治療以外の治療選択肢:光免疫療法

標準治療は副作用が強く、進行性の食道がんでは効果が限定的な場合があります。
そこで、標準治療以外の選択肢として注目されるのが光免疫療法です。

光免疫療法とは

光免疫療法は、がん細胞に特異的に結合する抗体に光感受性物質を結合させた薬剤を投与し、特定の波長の光を照射することでがん細胞を選択的に破壊する革新的な治療法です。
この治療法は、正常細胞へのダメージを最小限に抑えつつ、がん細胞を効果的に攻撃する点で優れています。
特にステージⅣの食道がんでは、局所進行がんや一部の転移巣に対して適用可能な場合があります。

光免疫療法の仕組み
1.標的薬剤の投与:食道がん細胞表面の特定の抗原(例:EGFR、HER2)に結合する抗体-光感受性物質複合体を静脈内投与。
2.光照射:近赤外光を内視鏡やファイバースコープを用いて照射し、薬剤が結合したがん細胞を活性化。光により活性酸素が発生し、がん細胞を破壊。
3.免疫活性化:破壊されたがん細胞が免疫系を刺激し、全身的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性。

光免疫療法の利点
●高い選択性:正常組織への影響が少なく、副作用が軽減される。
●適応範囲:局所進行がんや一部の転移巣にも適用可能。
●QOLの向上:従来の化学療法や放射線療法に比べ、身体的負担が少ない。
●免疫効果:免疫系を活性化し、遠隔転移に対する追加効果が期待される。

当院の光免疫療法に関する詳細な情報は、以下よりご確認いただけます。

その他の標準治療以外の選択肢

光免疫療法以外にも、ステージⅣ食道がんに対して以下の治療が検討される場合があります。
これらは食道がん特有の分子特性や進行状況に基づいて選択されます。

免疫チェックポイント阻害剤:ニボルマブやペムブロリズマブ単剤療法は、マイクロサテライト不安定性(MSI-H)や高腫瘍変異負荷(TMB-H)の患者様に有効。食道がんではMSI-Hは稀(約1-3%)だが、化学療法抵抗性の症例で効果を発揮する場合がある。
分子標的薬:トラスツズマブ(HER2標的)はHER2陽性の食道腺がんに有効。ラムシルマブ(VEGFR2標的)は血管新生を抑制し、進行性食道がんの第二選択として使用される。
遺伝子療法:EGFRやHER2を標的としたCAR-T細胞療法や、オンコリティックウイルス療法が臨床試験で進行中。
臨床試験:新たな分子標的薬(例:FGFR阻害剤)、がんワクチン、バイスペシフィック抗体などが臨床試験で有望視されている。ステージⅣの患者様にとって、臨床試験は最新治療へのアクセスを提供する重要な選択肢となる。

まとめ

食道がんステージⅣは、転移を伴う進行性の疾患であり、喫煙、過度な飲酒、遺伝的要素がその発症に関与します。
標準治療(化学療法、免疫チェックポイント阻害剤、放射線療法、緩和ケア)に加え、光免疫療法は選択性の高さと副作用の少なさから、QOLを重視する患者様にとって有望な選択肢といえます。
特に食道がん特異的抗原を標的とした光免疫療法は、ステージⅣの食道がんに対する新たな治療の可能性を秘めています。
そして、光免疫療法は標準治療と併用することで相乗効果も期待できる治療法でもあります。
食道がんは早期発見と適切な治療選択が重要なため、当院の光免疫療法を適用可能かどうかはお気軽にご相談ください。

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